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地方ライターが感じた台湾メーカーの低価格スマホ攻勢:COMPUTEX2014

2014年06月14日 18時00分更新

 2014年のCOMPUTEX TAIPEI取材で地方ライターの私が一番感じたもの。それは台湾メーカーの低~中価格端末でのグローバル市場への攻勢でした。例えばASUSは、Zenfoneシリーズが好評でブースでも大勢の人だかりができ、台北市内のASUSショップではZenfone5が予約待ちという状況なのです。

ASUSブースは大勢の人で賑わった
Computex TAIPEIの低価格スマホ優勢

●ASUS Zenfone5は低価格で質感が高い
 予約待ちになるほど人気のZenfone5は、価格がIntel Atomプロセッサーの1.6GHz版と2.0GHz版を搭載した5インチスマホです。一番の魅力は価格で、1.6GHz版は日本円で1万5000円前後。台湾メーカーとしては、中国メーカーの低価格端末に真っ向勝負を挑む価格となっています。驚いたのはその質感の高さです。ASUSはNexus7などの生産で低価格でも質感の高さを実現できる技術を吸収し、Zenfone5で実現したのでしょう。低価格端末にありがちなプラスチックの安っぽを感じることはありませんでした。

ASUS Zenfone5
Computex TAIPEIの低価格スマホ優勢

●低価格のオクタコアプロセッサー端末も登場する
 昨年末、日本国内でもハイスペックAndroidタブレット『KALOS』を発売した台湾のBungBungameが、オクタコアプロセッサー搭載のAndroid4.4スマートフォン『WOLF』を披露していました。

 WOLFは、2014年5月31日午後4時から数量限定予約販売開始され、3秒以内に1000台完売した商品です。同年6月27日から同社オンラインサイトにて、NTD$3990(日本円で約1万3560円)で再び携帯電話WOLFの販売を開始する予定になっています。ただし、販売は台湾国内の配送限定。

 本体に、最新の28ナノメートルHPMプロセス技術を採用したMediaTek製の1.7GHZオクタコアプロセッサを搭載。AndroidOS 4.4で、ディスプレーには5インチ超広視野角IPS液晶を採用しています。カメラのセンサーはソニー製で1300万画素(F2.2)のExmor RS CMOS、28mm相当の広角レンズとデュアルLEDフラッシュという仕様。品質を高めるため細い筋目をつけるヘアライン加工がされた洗礼なデザインが特徴的なのですが、重量は145gと軽く、実際に手に持つと驚くほどです。また、WOLFはデュアルSIM対応。SIMカード2枚で、W-CDMAとGSMの同時待ち受けが可能となっています。

BungBungameのWolf
Computex TAIPEIの低価格スマホ優勢
背面のヘアライン加工が美しい
Computex TAIPEIの低価格スマホ優勢

●Zenfone5やWOLFは日本で販売されるのか?
 台湾メーカーの低価格スマートフォンは非常に質感が高く、デザイン性を好む日本人の趣味にマッチした端末。 ただ、日本のユーザーで受け入れられるにはスペックが低~中性能であるのがネックです。日本人はハイスペックのスマートフォンを好む傾向があり、Android端末ならXperia Z2やGALAXY S5、iPhoneなら5Cより5Sが好まれます。

 なぜならキャリアショップで販売される限り、割賦販売でさらに2年縛りの割引で販売されるため、ハイスペック端末の価格の高さがさほど気にならないからです。もし、日本でこのような低価格端末達が取り扱われるのであれば、MVNOの格安SIMの利用を想定したSIMフリー端末としての販売でしょう。その可能性は非常に高いと実機を触りながら私は感じました。時を同じく、日本では中国のHUAWEIがSIMロックフリー端末を展開すると発表しました。台湾メーカー各社もタブレット端末のみならず、大々的に低価格スマートフォンを日本でも展開していくかたちになるかもしれません。

 今回のCOMPUTEX TAIPEIで私が感じた台湾メーカーの底力、質感の高い低価格端末は、私が日本人だからこそ驚いたものだと思います。日本人はまだまだ台湾メーカーをはじめとするグローバル市場の新興メーカーの力を知らない、そう思ったのでした。

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