COMPUTEX2014のプレスカンファレンスで7製品を発表したASUS。このうちタブレットは2製品4モデル、さらにはタブレットの背面にAndroidスマホを装着でき、そのタブレットがAndroidにもWindows 8.1にもなりキーボードを付けるとさらにPC型としても使える『Transformer Book V』を投入するなど、よりモビリティーを重視した製品が目立っている。これら新製品の開発の意図や日本への投入予定などをASUSの関係者に聞いた。
↑7製品を発表したASUS。モビリティーを重視した製品が目立つ。
↑タブレットビジネスユニット総責任者 Samson Hu氏。
今回の新製品の中でも日本と関わりがある製品がAndroidタブレットの『MeMO Pad』だ。MeMo Padは7インチ、8インチのふたつの製品が発売となる。このうち8インチモデルの『MeMO Pad 8』は日本のauから世界に先駆けて発売される予定だ。このMeMO Pad 8開発の背景として、ASUSタブレットビジネスユニット総責任者、Samson Hu氏は「市場のトレンドとASUSの製品開発戦略が合致した製品」と説明した。今や人々は日々の生活の中でスマホやタブレットを使う頻度が高まっており、IT製品の使われ方もコネクティビティーを重要視するものが主流になっているという。
↑最も注目の新製品、Transformer Book V。
ASUSの主力製品は、大きくわけると現在3つのカテゴリーがある。ひとつはTransformer。2011年から投入した、スマホとタブレットの合体型の製品だ。これはASUSならではの他社にはないイノベーティブな製品でもある。そしてまだまだキーボードによる文字入力も求められていることから、今回のCOMPUTEXではPCスタイルにもなる『Transformer Book V』を発表した。
ふたつめのカテゴリーの製品は日本にも投入する『MeMO Pad』だ。これはモビリティーを最重視した製品であり、持ちやすさと使いやすさを兼ねそろえた新世代のタブレットと言える。そして3つめの製品が『Fonepad』となる。Fonepadも日本市場に『Fonepad 7 LTE』が投入されたが、MeMO Padとの違いはよりスマホに近い製品であり、タブレットでは満足できないユーザーをもターゲットにしている。
このように3つのラインの主力製品を提供するのは仕事だけではなくエンターテイメント用途など、日常生活のあらゆるシーンでASUSの製品を使うことにより人々の生活がより豊かなものになることを目指しているからである。そのためにはひとつの製品だけではなく、それぞれのユーザーニーズに適した製品を開発し、人々に選択肢を提供することが必要だ。これは日本市場に対しても同じ考えであり、ASUSの目的は最高の製品をエンドユーザーに送り届けることである。
↑7インチと8インチのMeMO Pad。日本へはまず8インチをauで投入。
では日本市場向けにはこれからどのような製品を出していくのだろうか。まずASUSの日本市場へのタブレット参入は2011年からであり、毎年定期的に新製品を投入している。日本市場はユーザーの求める品質や機能が世界の中でも最も高く、ASUSとしては大きなチャレンジであるものの、これが同社の製品開発力の向上に大きく寄与しているという。
日本へは先日のFonepadに続き、auを通してMeMO Padの販売が予定されている。だがSamson氏によると、さらに多くのタブレット製品を日本に販売することを考えているという。そのために通信キャリアやPC販売チャンネルだけではなく、新しいパートナーとの提携も検討しているとのこと。新世代のタブレットは日本のような市場の最先端を行くマーケットに積極的に投入したいと考えているそうだ。
一方、LTEモデルを投入するなど通信キャリアとの提携がより深い製品も増えている。au向けのMeMo Pad 8もそのひとつだ。このような製品を出すうえで、日本の通信業界をASUSはどう見ているのだろう。Samson氏は「日本はモバイル技術、インフラ構築どちらも世界的にトップを走っており、個人的にも大きく尊敬している。そして大手3社がLTEをはじめており、LTE製品を投入するのに最適な国と考えている」とのこと。そのため通信キャリアとの提携は、コラボレーションモデルなども含め積極的に行なっていきたいとのことである。
ところで今回の新製品はインテル製のチップセットを投入したモデルが多い。これに関してはASUSとインテルが長年のパートナーシップを組んでいたことだけが理由ではない。インテルが27ナノプロセスや64ビットCPUなど業界の最先端のトレンドを行く製品を開発し続けていることから、積極的な協業を続けているとのこと。システム製品の提供者として、常に消費者にいちばん良い製品とは何かを考えれば、最高のパートナーと組むことは当然の成り行きであるわけだ。ただしインテルの製品の採用だけに特化するのではなく、ほかのパートナーとの提携も常に考えているとのこと。
↑au向けのMeMO Pad 8を紹介するSamson氏。
Samson氏は「日本はLTEの普及が世界でも高いレベルであり、日本人同士がモバイル端末を使って頻繁にコミュニケーションをとっている。最新のモバイル系端末を開発するには最高のお手本となる市場である」と日本を高く評価。「世界のマーケットの中でも最重要な国であり、日本向けに新製品をこれからも開発し、投入を継続していきたい」と話してくれた。
さてauから発売予定のMeMO Pad 8はグローバル市場向けにも同系モデルが投入される。MeMO Pad 8はパールホワイト、パウダーピンク、メタリックブルーという、他社のタブレットにはないカラバリも特徴のひとつだ。この3つのカラーはグローバルモデルでも同じものが採用されるとのこと。ASUSのプロダクトマネージャー、JK Tung氏によると「MeMO Padの本体カラーや表面処理、側面のメタリックな仕上げなどはauのデザインチームと協業したが、仕上がりが美しいことからそのままグローバル展開することにした」とのことで、日本のデザインが海外展開する好例となっている。黒や白といったモノトーンモデルがまだまだ主流のタブレット市場において、日本人に好まれるカラフルな本体色は海外でも人気を呼ぶことになりそうだ。
また、通信方式は基本的にLTE+WiFiとなる。これは搭載するチップセット(モデム)がLTEを搭載しているからだ。これも「標準モデルがWiFi、その上位モデルがLTEや3Gを搭載」という従来のタブレットとは思想が異なっており、外出中や移動中でも常時インターネット接続できるコネクティビティーを重視した製品となっている。
そしてふたつの画面サイズが用意されているにも関わらず日本では8インチモデルが投入されるのは、先行して7インチのFonepadが投入されたことも関係しているとのこと。また日本では通勤・通学時間が長いこともあり、移動中にタブレットを片手で持ちながらコンテンツを楽しみたいという要望が多いようだ。さらには横方向に持てばより大きな画面で迫力ある映像やゲーム利用が楽しめることからMeMO Padは8インチが投入されることになった。
↑日本向け新製品はまだ登場する?
だが最後にTung氏は「今回はタブレット2製品4モデルを発表しており、それぞれが特徴を持った戦略的な製品である。そのため、MeMO Pad 8以外にも日本市場への製品投入は前向きに考えていきたい」と語った。日本向けにさらなる新製品が投入されるのか、ASUSの日本でのこれからの展開に注目したい。
●関連サイト
ASUS 日本公式サイト
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