WWDC会場となるMosconeCenter Westの向かい側の建物に貼り出されたバナー群。WWDC2014の招待状と同じスタイルのアートワークで、“Write the code. Change the world”というキャッチコピーが描かれている。 |
1年に1度のアップル開発者のお祭り、『WWDC』(=WorldWide Developers Conference)のシーズンがやって来ました。週アス取材班は、例年同様の私イトーが現地入り。早速、バッジピックアップのはじまった会場を覗いて来ました。
今年で25回目となる開発者会議のキャッチコピーは“Write the code. Change the world.”。“コードで世界を変えろ”とは、まさに開発者に向けたメッセージになっています。
iPhoneの登場以降、世界中から開発者が押し寄せるためチケットがプラチナ化していることは開発者界隈ではよく知られたことです。時差まで含めて“より公平に”世界中の開発者に参加の機会をもてるよう、今年は抽選制になりました。おかげで、昨年のように2分足らずで完売ということにはなりませんでしたが、相変わらず参加したいがチケットが手に入らなかった、という人は少なくないでしょう。
さて今年のアップル界隈は、これまでのロードマップのめぐりで言えば“大きな動きがある年”。iPhoneの形が代わり、iPhone5sから6(と呼ぶかはわかりませんが)の世代になることはほぼ確定事項でしょう。WWDCの場で発表があるかは別として。
気になるのは、それ以外の何が出てくるのか。
その辺りの事実の積み上げをベースとした予測は、先週発売の週刊アスキーの大特集『アップル帝国の野望』でさまざまな観点から、マジメに検証してます(気になった人は電子版でも購入できます)
関連記事:あと一週間!WWDC2014までに頭に叩き込んでおきたいAppleの最新事情
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バッジピックアップのある会場の1Fフロアは2枚の巨大バナーが掲げられてます。“8”と“X”。言うまでもなくiOS8と、OSXのおそらくは新バージョンの発表があるだろうことを示してますが、この辺は特に驚くにはあたりません。
1Fロビーの様子をパノラマで。次々に開発者がやってきて、バッジとノベルティをもらっていきます。今年のノベルティは、ここ数年変わっていないフロントジップアップのロゴ入りスウェット。 |
1Fロビーの天井から吊り下がったバナー。XはOSXのことを、8はiOS8の事をさしています。OSX Mavericksは海がモチーフでしたが、写真のXでは切り立った岸壁で、山っぽい雰囲気。何か意味のある選定なのかは不明。 |
右が今年の参加賞のスウェット、左がWWDC2012のときのもの。以前はカバンだったりTシャツだったり色々ありましたが、なぜかここ数年はスウェットで定着してしまっている。 |
こんな風に、もらったその場で着ていく人あり、背負ったカバンに突っ込んで、仲間と食事に行く人あり。 |
意外な発表の兆候らしきものはバナー類にはまったくないですが、アップルの動きとして気がかりなことをまとめると、以下のようなものがあります。
1)これまで『iWatch』と呼ばれて来たリストバンド型デバイスの登場の可能性
2)iPhone6につながる情報が出るか?
3)iTunes配信楽曲のハイレゾ対応と新サービス発表
4)新型iMacがRetinaになるのかどうか?
個別に見て行きましょう。
1)これまで『iWatch』と呼ばれて来たリストバンド型デバイスの登場の可能性
これは、これまでと違うまったく新しいデバイスのラインになります。
今年早々に医療用センサー系の専門家を新たに登用した、という情報が海外の噂系サイトで出回っていますが、それ以外の詳細は見えません。ただね、何か考えている気がします。ただし、個人的にはウォッチというものではなくて、ナイキのフューエルバンドのような活動量計の延長線上にある、シンプルなUIのデバイスではないか、と想像しています。
いまやこの手のデバイスは、どのメーカーでも作れる、発売できると言われています。差別化要因はソフトウェア側の完成度。とすると、世界中から開発者が集まるこのWWDCの場で発表してAPI公開をし、対応アプリの開発をブーストするというのは十分あり得る話です。
2)iPhone6につながる情報が出るか?
これは1とも繋がりますが、本当にiWatch的なデバイスが出るのであれば、その機能はiOSにも統合されているはず。とすると、iPhone6の機能と何らかの結びつきがある可能性はあります。ただ、iPhone4以降、WWDCの場で端末発表はなかったというのも事実。噂される5.5インチや4.7インチのiPhoneの発表は、やはりないかもしれません。個人的には、もちろん見たい!!ですけどね
3)iTunes配信楽曲のハイレゾ対応と新サービス発表
ハイレゾをやるのかどうか?音楽業界ではダウンロード販売が下落に転じ、一方でSpotifyのようなサブスクリプション型の聴き放題モデルがユーザーも売上げも伸ばしています。
iTunesRadioがイマイチな状況で、音楽販売へのテコ入れ、もっといえば“音楽を所有する意味の再定義”として、ハイレゾ配信は意味があるでしょう。
実は最近、Lightningのチップが新しくなり、ハイレゾ音声を正式に通すように仕様が変わってます。アップルが自分たちでハイレゾ配信をやらないのにチップを変える、ということは僕には考えにくい。
Beats買収のおかげでBeats Musicのインフラも手に入れているわけで、WWDCのタイミングではないかもしれませんが、何かしら音楽まわりのアップデートはやってくるんじゃないでしょうか。
関連記事:アップルがBeatsを買った本当の理由(西田宗千佳氏寄稿)
4)新型iMacがRetinaになるのかどうか?4K対応Thunderboltディスプレイが登場するか?
この2つはセットです。Thundeboltディスプレイ、てっきり4月のNAB2014で投入かと思いきや、Mac Proが市場に流通し出して半年近く経った今も、まだこの世に登場していません。
高品質な製品を狙うと価格の問題はあると思いますが、アップル以外のメーカーが7万円前後から販売している状況の中、アップルとして「これを使ってください」という製品がないのはイビツに感じられますよね。OSX 10.9.3アップデートでHiDPI対応までサポートしてきたというのに。
Thunderboltディスプレイの4K版が登場するなら、それに合わせて動画編集ゴリゴリのプロではなく、フツーの人も手に取れるiMacも4K仕様が用意されるのはまったく不思議じゃないでしょう。ただ、価格はたぶん高いので、CTOオプションになるんじゃないでしょうか。かつてMacBook Proがそうであったように。
——などと想像をめぐらしますが、会場を見ていてもどれが来そうなのか、確度の雰囲気は全然わかりません。とはいえ、あと1日足らずですべては判明します。日本時間6月3日午前2時のキーノートスピーチ放送を待て!!ということですね。
週アスPLUS/週刊アスキーでは今年ももちろん全力取材、現地からの生中継も使ったニコ生番組を予定しています。現地からは私イトーと、ケータイジャーナリストの石川温さんの二人で開幕前の模様とお届けする予定。いやー、楽しみですね!ご期待ください。
Moscone Center Westの全景。多くのサイトがこの角度で撮りますが、撮影場所の都合上、この角度以外だとキマるカットがなかったりするのがその理由。 |
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