人工知能との恋!?『her／世界でひとつの彼女』のスパイク・ジョーンズ監督がApple Storeでトーク｜Mac

2014年05月29日 16時30分更新

　6月28日に日本で公開となる映画「her／世界でひとつの彼女」に合わせて監督のスパイク・ジョーンズ氏が来日し、Apple Store Ginzaのイベント「Meet the Filmmaker」に登場しました。




Photo courtesy of Warner Bros. Pictures

　「her／世界でひとつの彼女」の舞台は、近未来のロサンゼルス。セオドア（ホアキン・フェニックス）は、自身のPCにインストールされたAI（artificial intelligence、人工知能）のサマンサ（スカーレット・ヨハンソン）に恋をする。夜寝る前の会話やデート、旅行など、一緒に過ごすうちにAIにもかかわらずユーモラスでセクシーで人間らしいサマンサに惹かれるセオドア。ありえないはずの恋の行く末は――？　というストーリーです。

　予告編はこちらからどうぞ。

　今回の「Meet the Filmmaker」のホストを務めるのは、クリエーターの野村訓市氏。また、同映画の衣装デザインを担当したケイシー・ストーム氏も登壇しました。

　本作の脚本は監督自身が手がけており、「心惹かれる題材というのは、いつも自分が考えていること、感じていること。恋愛関係を含む人とのつながりや関係性において、相手と誠実に心を通わせることは難しい。今回はそれを描くことに挑戦した」と本作のテーマを語りました。

　野村氏に「AIとの恋というアイデアを思い付いたきっかけは？」と尋ねられ、「10年ほど前に思いついたが、今回のAIとの恋のはあくまで設定にすぎず、人とテクノロジーの関係を描きたかったわけではない。忙しいうえに情報量の多い現代で、愛する人に自分を正直にさらけ出して通じ合うことの難しさ、それに挑戦していく姿を描くための設定だった」と話しました。




Photo courtesy of Warner Bros. Pictures

　声のみという演出のサマンサについても、「何かを求める心、欲求、不安といった感情を持ち、成長していくAIというキャラクターを声のみで表現するのは苦労した。30人以上オーディションをしたが、自分をしっかり持ち、自信にあふれているスカーレットはこの役にぴったりだった」と、本作でローマ映画祭の最優秀女優賞を受賞したスカーレット・ヨハンソンを褒め称えました。




Photo courtesy of Warner Bros. Pictures

　さらに「AIであるサマンサのキャラクターを声でしか表現できない代わりに、サマンサの声を聞いてホアキンが何を想像し、どのように喚起されたのか、彼の表情や過去の記憶の映像を視覚的な言語として使った」と難しい撮影を振り返りました。

　スパイク氏はイベント中に、「最近、つらい失恋をした人はいない？」と客席にやってきてお客さんの失恋話を聞いてハグしたり、Apple Storeのスタッフにこっそり「エミネムの曲を購入して」とお願いし、ケイシーに突然ラップを披露させるなど、お茶目な一面も。さすが「ジャッカス」シリーズの総監督、何かをしでかさないと気がすまなかったようです。

　本イベントは、Twitterのハッシュタグ「#世界でひとつの彼女」でイベントの様子の実況が可能だったほか、近日中にPodcastでも公開されるそう。映画と会わせてぜひご覧ください。

●関連サイト
・her／世界でひとつの彼女（公式サイト）

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