タクシー配給アプリを世界展開しているヘイローと、AEDをもっと普及させたい日本救護救急財団、AEDを販売するフィリップス エレクトロニクス ジャパンという組み合わせによって、世界初のサービスが実現しようとしている。
ヘイロー・ネットワーク・ジャパンは5月26日、日本救護救急財団、フィリップス エレクトロニクス ジャパン、大阪市域ヘイロー採用タクシー会社有志各社・組合と共に、“減らせ突然死プロジェクト”の一環として『カモン(Come On)AED!プロジェクト』の発表会を、グランフロント大阪で開催した。
↑日本では東京と大阪でサービスを開始している配車・予約サービス『Hailo(ヘイロー)』。スマホをわずか2回タップするだけで呼ぶことができ、スマートフォンでの支払いもできる。 |
↑「タクシーがAEDを持って来てくれる仕組みを日本から世界に広げよう!」というもの。今回の発表はその実証実験を大阪で行なうというもの。 |
日本全国におけるAEDの設置台数は45万台にも上るが、それに対して年間の使用台数はわずか4%程度。また、1年間のうち、心肺停止状態に陥ってしまう人は7万3000人、1日に直すと200人というデータもあり、これは決して他人事ではない。
↑アンケートでは「AEDなんて使わなくても救急車を呼んで、医師や救急隊の人に任せればいい」や「自分がAEDを使えるか不安だ」といった声も多く挙っているが、そのためらいが手遅れになる。 |
↑放置していると生存率は1分で10%下がっていく。救急車の到着までに何もせずに10分待っていると、ほぼ助からないと言っても過言ではない。心肺停止とは一刻も早く処置が必要な状態なのだ。 |
AEDが日本に45万台あるといっても、設置場所が限られているという難点が存在する。ショッピングセンターや公共施設など、人の集まる場所には備え付けられていることが多いが、深夜は扱えない。そのうえ、目の前で倒れた人をその場に置いて離れた場所にあるAEDを全力疾走で取りに行き、戻ってきて処置をするというのは大きな時間のロスになってしまう。さらに言えば、心肺停止状態の約7割は自宅で起きているため、外に出て探し回るというのも酷な話だ。そこで役立つのが、24時間、365日稼働している公共機関のタクシーとなる。
↑アプリからAED搭載タクシーが呼べる! |
↑AEDは一般人でも簡単に使えるよう開発が進められてきた。今では大きさも小型になり、自動音声でどうすればいいかAEDが教えてくれる機能もある。AEDは必要なときに簡単に使えて、救える命を増やせる道具なのだ。 |
↑現在地の近くにいるタクシーが手配されて、到着時間も表示される。これまでのアプリに緊急のAED搭載タクシーのみを呼べるモードを追加する予定。 |
まずは大阪で7月~8月の間、50台のタクシーにAEDを搭載して実証試験するとのこと。必要なときにAEDを呼べるサービスが確立され、今よりも多くの人命が救われることを期待したい。
■関連サイト
一般財団法人 日本救護救急財団
フィリップス エレクトロニクス ジャパン
HAILO
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5,687円
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408,240円
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1,620円
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