悪い意味でサプライズだった新MacBook Air発表
新型MacBook Air発表の報に接した時は耳を疑いましたよ。そしてアップデートの詳細を知ると同時に、これまで破裂しそうなくらいに膨らんでいた期待が、急激にしぼんでいくのを感じました。
だってね、今度こそMacBook AirがRetina化するって、海外メディアがさんざん報じてきたわけですよ。報じたといってもウワサ系の情報ですけど。でも最近のApple関連の噂って、結構的中することが多くなってきていたんです。
しかも、条件も揃ってきていました。噂どおりiPad miniはRetina化しましたし、つい最近も廉価版として発売されていたiPad 2も廃止されてRetinaモデルになりました。特にモバイル製品において、AppleがRetinaディスプレイ推しなのは誰の目にも明らかです。最も売れ筋のノート型Macであり、最もモバイルに適したモデルであるMacBook AirがRetina化する日も近いだろうと、誰もが思っていたわけですよ。
新型Airの発表にふさわしい舞台も準備されています。そう、6月2日から開催されるWWDCです。Appleファンには釈迦に説法ですが、WWDCというのは毎年開催される開発者向けのイベントで、初日に催される基調講演(キーノートスピーチ)では、何らかの新製品が発表されることが恒例になっています。
そうです。1世代前のMacBook Airがデビューしたのだって昨年のWWDCなんです。なぜこの時期に、Appleはこんなしょっぱいアップデートをしたんでしょう。WWDCのような大舞台にはそぐわないアップデート内容だからというのはわかりますが、一度アップデートしたら、当然ながらしばらくはモデルチェンジはないと思われます。ということは、少なくともあと1年くらいはRetina版のMacBook Airが登場することはないのでしょうか?
ここで、初代から最新モデルまでのMacBook Airの登場時期を振り返ってみましょう。下図のように、だいたい9〜12カ月くらいの周期でモデルチェンジを繰り返してきたことがわかります。ということはやはり、今年中にRetinaモデルがリリースされる可能性は低そうです……。
しかし、まだ希望は残っています。なぜなら、過去にMacBook Pro Retinaの例があるから。Appleはかつて、既存のMacBook Proと併売するかたちでMacBook Pro Retinaを市場に投入しました。ならば、現行スタイルのMacBook Airはこれが最終形なのではないか。そして、まったく新しいデザインの新生MacBook Airが今度のWWDCで登場するのではないか。もちろんRetinaディスプレイを搭載して、です。つまり、あえてこの時期にショボい新製品を発表したのは、従来型のAirはこれで打ち止めですよ、というAppleのメッセージなのかもしれません。
などと妄想しだしたらキリがないわけですが、実際、MacBook Airはほとんど完成型に近いマシンと言えます。これだけ薄いボディーに最新のスペックを詰め込み、なおかつ価格も手頃という、ある意味最強のマシンです。
したがって、最新モデルをいま買って損をすることはまずないでしょう。ただ、我々のような夢想的なApple好きは「Retinaディスプレイを搭載した極薄のMacが見たい・欲しい」というその一念に駆られておるわけです。ええ、この1年くらいずっと。というわけで、一度は死ぬほどがっかりしたものの、再度ワクテカしつつWWDCを待ちたいと思います。
MacPeople 6月号の特集ラインアップは、家庭内ネットワーク環境の強化、Office for iOS & OneNote for Macの使い方、iPhoneを守る保護ガラスの選び方、いま熱いゲーム開発環境Unity入門、App Storeに自作アプリを登録する方法──の特盛りメニューです。ゴールデンウィーク中にじっくり読んでほしい1冊です。
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