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過去にWarpして飯野賢治に会ってきた

2014年04月29日 22時00分更新

 1996年、プレイステーション・エキスポで『エネミー・ゼロ』のデモ中、巨大スクリーンに映し出された“PS”ロゴにモーフィングがかかり、サターンのロゴになるという、ゲーム業界史に残る衝撃の瞬間を目の当たりにしている副編ACCNです(当時、ファミ通でバイトをしてまして)。

 そんなやんちゃなゲームクリエイター飯野賢治率いるWarp社の貴重な歴史的資料、作品群を展示する『飯野賢治とWarp展-ONE.D.K〜飯野賢治とWarp作品をプレイする14日間。〜』が、渋谷+SANOW LABs.(サノウラボプラス)にて開催中。懐かしさもあり、初日の28日、仕事をサボって覗いてきましたよ。なお、開催は5月17日(土)までですが、祝日と日曜はお休みですので、ご注意くださいね。入場は無料です。

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↑Warp設立('94年)頃の飯野氏全身ショット。展示写真の中で唯一、紙焼きではなくネガで残っていたそう。やんちゃな感じがしますね。
飯野氏が来ていたスーツ
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↑マネキンの顔用に飯野氏の写真を拡大しようかなどとスタッフの方が話してましたので、今ごろは貼られているかもしれません。
マネキンの手に…
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↑祈願の絵馬が。KAKEXUN(カケズン)については、後ほど改めて。

 それほど広くはない展示スペースですが、飯野氏とWarpに関する貴重な品々が運び込まれています。飯野&ローラ人形は、ご家族からの借り物だとか……。※写真クリックで拡大。

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 よ〜く見ると…

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↑入交氏(元セガ社長)からの功労賞。
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↑『Mの魔』なる未発表作の企画書も。

 『D2』以降、ゲーム業界から去ったかに思えた飯野氏ですが、具体的な企画が眠っていたようですね。

貴重な資料の数々
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↑『エネミー・ゼロ』のキャラクター設定資料などを展示。
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↑いまだに類を見ない“音のみ”ゲー『リアルサウンド』のチャプター構成案。3作目まで企画されていたという。

 会場では、Warpの作品を当時のプラットフォームで実際にプレーすることができます。

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 私も久々にプレーしてみましたが、『Dの食卓』など、まったく色あせていませんね。むしろ、いま『Oculus』でコレやりたいとか思ってしまった。『リアルサウンド』も、“歩きスマホ”が社会問題となる今日へのアンチテーゼとして、アプリで出たらいいかと(版権はセガらしいですが)。哲学をもって作られた作品は、永遠の輝きを得るというものです。

『3DO』はご存知?
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↑'93年、米EA社が中心となり提唱した家庭用ゲーム機の統一規格。結果的には“失敗したハード”ですが、『Dの食卓』は最初に3DO向けにリリースされ('95年)、通商産業大臣賞を受賞します。展示場に2台、用意したものの1台が故障してしまい、オークションで急遽購入したそうな。
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↑たいへん貴重な3DO版『Dの食卓』のディレクターズカット、しかも未開封パッケージ。マニアは拝んでおきましょう。

 壁面には故人の交流の広さをうかがわせる写真の数々が飾られています。YMOの大ファンだったそうですから、坂本龍一氏といる写真はとても嬉しそうですね(横の女学生も時代を感じさせます)。※写真クリックで拡大。

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↑飯野氏の名刺。
セクシーなこの女性は…?
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↑覚えていますか、ミュージシャンのカヒミ・カリィさん。『エネミー・ゼロ』の雑誌広告用ショット。飯野氏のアイデアで“E0”を胸に付けて撮影。

 広告まで、すべて自身でプロデュース。1万人を集めての発表会やユーザーとのコミュニケーションなど、ゲーム業界の型を打ち砕いてきました。また、会社をバンドに喩えるほど、音楽好きだった飯野氏。愛用していた楽器なども飾られています。かわいらしいカバンはNHK『ようこそ先輩』で子供たちに大人気だったそう。

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 プロジェクターで生前の写真が映し出されています。

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 関連書物もいくつか置いてあり、手にとって読むことができます。

Warp会社案内
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↑広島のコンパイルなどもそうでしたが、異色のゲーム会社は決まって会社案内なる書物が刊行される傾向にありますな。内輪話ギッシリで、今となっては貴重な歴史資料。
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↑当時、社員だった野口さん。飯野氏の想い出を語ってくれました。
運命の偶然
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↑当時アスキーから出ていた攻略本。デザイン担当が野口さんのお姉様で、私の元同僚だったことが判明。人って、どこかでつながっていますね。
飯野氏のサイン
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↑多忙な時期、ついイライラしてしまうことがあると、ねぎらいの言葉と一緒にこのサインが書かれたメモが机に置かれていたそうです。

 後年の活動はあまり知られてませんが、我々のスグそばで活躍されていたのですね。

さまざまな分野で発揮した先見の明
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↑健康プラットフォームの企画も手がけていた。ほか、某大手ショップのデザインから旅館プロデュースまで、ゲームから離れても幅広く活躍されていました。名を表に出さなかったのは“飯野賢治プロデュース”という色眼鏡を避けてのことと思われます。

 飯野賢治氏が最後に提案したゲームを実現すべくプロジェクトが、クラウドファンディングとして立ち上がっています。その名も『KAKEXUN』(カケズン)。四則演算を繰り返し、スコアを世界中のプレイヤーで競いあう“脳のスポーツ”。冒頭の絵馬は、このプロジェクトの成功を祈願したものです。

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↑『カケズン』のチーフディレクターを務める飯田和敏氏。『太陽のしっぽ』、『アクアノートの休日』、『巨人のドシン』など代表作多数。展示場からのニコ生配信は、Twitter(@iidakazutoshi)をチェック。

 発売中の週刊アスキー5/13-20合併号 No.978(4月28日発売)の連載『中の人』にて、KAKEXUNにスポットを当てています。

過去にWarpして飯野賢治に会ってきた
週刊アスキー
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●関連サイト
飯野賢治とWarp展 – ONE.D.K
+SANOW LABs.(サノウラボプラス)
KAKEXUN(カケズン)
KAKEXUN(カケズン)クラウドファンディング

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