数日前からネットで話題の中国の雑貨店『メイソウ』をご存じでしょうか。どこかで見たロゴにそっくりなマークをかかげ、日本人が日本で見たことないのに“日本で大人気”という触れ込みのお店です。公式サイトによると、メイソウは世界に3000店舗、中国には100店舗あり2014年中に300店達成する予定だとか。
スマホ関連製品も取り扱っているとのことで、ドンピシャのタイミングで中国に出張しているハード松村が行ってみました。
出張先は中国広東省の地方都市。週刊アスキー本誌の付録関連業者がこちらに事務所を構えてまして、数ヵ月に一度、付録(関連記事)の検品や打ち合わせでお世話になっている街です。
公式サイト情報でメイソウが複数あることがわかったので、付録関連会社の方に無理を言ってクルマで案内していただくことになりました。
ホテルにイチバン近い店舗は、繁華街の大通りからちょっと入ったところでした。住所を頼りにクルマを降り、歩いてお店を探すこと5分ほど……。見つけました!
が、店に商品がありません。壁の張り紙には従業員募集の告知。そう、まだ工事中だったのです。
ここでわかったことといえば、メイソウというロゴやお店が確かに存在するということと、店長の月給が3000人民元(約5万円)からということだけ。4人のオトナがクルマで往復1時間以上もかけたのに…グギギギ。
公式サイトの店舗リストには電話番号が載っていないため、実際に現地まで行かないと状況がわかりません。もうバクチですな、おそるべしメイソウ。ってか、本当に100店舗も存在するのかすら怪しくなってきました。下の画像が店舗リストです。
翌日、別の店で再チャレンジしたら……あっさり発見できました。
店内は、10代の若い女性を中心に混雑していて、人気の高さがうかがえます。店内のBGMは日本語の曲でしたが、ときおり中国語が入っていてさっぱりわかりませんでした。
ほとんどの商品が10人民元(約170円)で、日本との物価差を考えると300~500円の感覚でしょうか。違ってたらすみません。
化粧品や日用雑貨、衣類に文房具、おもちゃまでと幅広いラインアップで、“たどたどしい日本語”のパッケージがちらほら。
ロゴや店の雰囲気は“無●良品”のような自然体をイメージさせる装い。しかし、個々の商品をよく見てみると日本の“100円ショップ”のようでもあります。店内のあちこちにはメイソウのコンセプトがアヤシイ日本語で書かれているのですが、実際の商品コンセプトはまだまだバラバラの寄せ集めに見えますし、“100%日本品質”とか、にわかには信じられない内容。
手近にあった商品の説明書きを見ると、会社は“東京渋谷区神社前(JINJYAMAE)”とありますが、そんな住所はありません。“渋谷区神宮前”の間違えだとすると、表参道のHMVローソン付近(関連リンク)のようで、かなり良い立地です。でも“神宮前”と書かれた商品はひとつも見つかりません。自社の住所を盛大に間違えるなんて、おそるべしメイソウ。
一部に目黒区原町という住所の商品もありましたが、こちらは住宅街でした。事務所なのかも。
同行してくれた現地の方は、当初日本のショップが進出したと思い込んでいたのですが、日本語がわかるため店の怪しさに気がついたのか店員を捕まえて質問攻め。この方、怒らせると怖いです。店員は困った顔をしながらも、いくつか答えてくれました。
・ほとんどの商品は中国製。食品の一部は韓国や日本のもの。
・広州市のある商社が、商品を一手に引き受けて入荷している。
・メイソウは中国の会社で、日本の会社のことは知らない。
世界3000店舗のなかのイチ店員さんの言葉であり、メイソウを代表したコメントではありませんが、こんなことをポロッと言ってしまうのが中国らしいと言えばらしい。
パッケージには“メイソウ”の文字がありますが、よくみると商品にロゴが入っているものはほとんどありません。おそらく、中国全土からめぼしい商品をピックアップして、パッケージにロゴを刷ったり、シールを貼っているのかと思われます。怪しい日本語のパッケージは、元々日本の100円ショップ向けだったり、日本語で中国人の目を引くための策かと。商魂たくましいですな。
こちらのお店でいろいろと買ってまいりましたので、そちらのレポートも用意しています。ご期待ください。
関連サイト
●メイソウ(公式サイト、リニューアル中?)
●メイソウを紹介する中国のニュース
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります