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NFC最前線 おサイフケータイやFeliCaは今後どうなる?

2014年03月28日 15時30分更新

 今年も2月末にスペインのバルセロナで開催されたMWC 2014。主催のGSMAが“NFC Experience”と題してNFC関連の体験コーナーを同イベントに設置して今年で2年目となるが、来場者からの評判はどうだったのだろうか。去年と比較してどの程度進歩していたのか。現地ならびに日本で得られた最新情報をまとめ、NFCの今後とおサイフケータイ/FeliCaの将来について考えてみる。

■1年でMWCのNFC事情はどう進化した?

 昨年のMWC 2013では報道関係者や一部招待者にモバイル決済可能なSIMが挿入されたNFC対応端末としてソニーの『Xperia T』が配布され、これを使ってのMWC会場への入場や各種情報へのアクセス、店舗での買い物などがNFCを使って体験できることをアピールポイントとしていた。だが実際にできることは非常に限定的であり、日本のおサイフケータイの便利さを知っていれば、むしろ「日本のほうが便利だ」と実感するばかりの内容だった。

MWC2014

↑iPhoneを持っている来場者に配られたNFC対応ジャケット『Cashwrap』。iPhone 4用とiPhone 5用がある。

 さて、今年はどうなのか? 去年まではNFC対応端末としてAndroidとWindows Phoneが利用できるのみだったが、今回新たに対応端末にiPhoneを加え、NFCが使えない同端末でもNFCチェックインが利用できるように専用ジャケットの配布を行なっていた。ジャケットは形状によって2種類用意されており、iPhone 4/4sまたはiPhone 5/5sを手持ちの来場者はカウンターに行くことで『NFC Case』を受け取れるというわけだ。配布されたのはIncipioの『Cashwrap』という製品で、ケース自体にNFCアンテナが内蔵されており、NFC接続に対応したSDカードを挿入することでiPhoneでもNFCタグを読み取ったり、このSDカード内に記録したアプリケーション情報でタッチ&ペイのような支払いサービスを利用できる。米国でおサイフケータイのようなNFCサービスを提供しているIsisでは、このCashwrapを利用してiPhoneユーザー向けのサービスを提供する方針のようだ。

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↑Cashwrapを装着した状態でiPhoneにGSMAアプリを導入するとNFCバッジがセットアップできる。

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↑このアプリの画面を開いた状態でゲートにタッチすると記録情報の照合が行なわれて通過できる。モバイルSuicaの改札タッチのようにはいかないのが難点。

 今年のMWC 2014の場合、iPhoneに『GSMA』というアプリをダウンロードしておくと、このNFC Caseと連動してNFCによるチェックインを可能にするNFCバッジのセットアップが行える。MWC参加者が各個人の専用ページから登録設定を行い、自身の写真をアップロードすることでNFCバッジの設定は完了だ。あとはNFCバッジ用のゲートで端末をタッチすると、事前にWebで登録した情報がゲートで入場者をチェックしているスタッフのモニターに表示され、顔写真と本人との照合を行うことで入場が許可されるという仕組みだ。NFCバッジを使わない通常の物理的なバッジのみを使った入場では、本人の身分確認のためにパスポートチェックが行われており、これを省略できるのがNFCチェックインのメリットとなる。ただ、昨年に引き続きWebシステム側の不具合でスタッフのモニターに写真が表示されなかったり、Android端末の相性の問題かタッチ認識が行えない人がいたりとトラブルが多発して、並んでいる人数の多い通常バッジの列のほうが実際には早く入場できたりと、まだまだ実運用にはほど遠く課題は多い印象だ。

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↑1年前のMWC 2013でのNFC案内板。NFC対応端末をWi-Fiアンテナのマークを横にした部分にタッチするとWebブラウザが起動して所定のページが開く。

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↑1年でNFC案内板は情報KIOSKに進化。タッチパネルで必要情報を探し、ダウンロードを選択すると、タッチ部にNFC対応端末を当てるよう指示が出る。

 ただ、NFC体験そのものは若干進化している部分もある。去年までは情報案内板としてNFCマークのついた看板が会場のあちこちに立っており、NFCタグ部分に手持ちのNFC対応端末をかざすことでWebブラウザが起動し、あらかじめ用意された案内容のWebサイトへと誘導する仕組みが用意されていた。だが、会場内にある無料Wi-Fiは電波が弱く、3G接続も人数が多すぎてままならず、NFCタグでWebブラウザが起動しても該当のページにはタイムアウトで接続できないことが多かった。また案内板によっては壁一面に20〜30個もNFCタグが並んでいるだけだったり、もはやジョークにしか思えない作りで苦笑いした記憶がある。だが今年、案内板はタッチスクリーンのデジタルサイネージ方式となり、NFC向けの情報提供もWebサイトへの誘導ではなく、オフラインでも利用できるようPDFファイル等がダウンロードされていつでも参照できる方式となった。専用のKIOSK端末でほしい情報をメニューで選択し、最後にNFCマークのついた部分に手持ちのスマートフォンをかざすと、指定URLへの転送が行われてファイルをダウンロードしてくる。Wi-Fi事情も改善され、少なくともこのKIOSK端末周辺ではファイルダウンロードに対応できるだけのダウンロード速度が維持されているようだ。

■iPhoneを専用ジャケットでNFC対応にする

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↑会場で配られたMWCロゴのついたCashwrap。NFCアンテナの位置は写真からみてケース上面部分にある。

 さて、今回のMWCでiPhone向けの『NFC Case』という面白いグッズを入手できたので、さっそくこの中身をじっくり見てみよう。NFC CaseことIncipioの『Cashwrap』だが、外見そのものは普通のiPhoneジャケットそのものだ。筆者が入手したiPhone 5/5s用のCashwrapの場合、本体と直結するためのLightningコネクタが内部にあり、あとはジャケット側面にmicroUSBのポートが見える。このmicroUSBを介してジャケット内のiPhoneを充電することも可能で、Lightning-microUSB変換が行われていることがわかる。なお、iPhone 4/4s用ケースは外寸サイズ以外に、このLightningコネクタが30ピンのDockコネクタになっている点が異なっている。

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↑本体横から見たところ。ケース内部はLightningコネクタがあり、本体横にはmicroUSBポートがある。microUSB経由でのiPhone充電も可能。

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↑ケース背面のMWCロゴのついた蓋を外したところ。microSDカードスロットが見え、そこにNFC対応microSDカードが挿入されている。

 なお、このCashwrapは本体背面の上部全体にNFCアンテナが張り巡らされており、この周辺であればどの部分をタッチしても認識するようだ。そして本体背面下部のカバーを外すとmicroSDカードスロットが発見できる。ここに挿入されているのがDevice Fidelityという会社のNFC対応SDカードで、中にはセキュアエレメントが搭載されており、先ほどのケース内蔵のNFCアンテナとの組み合わせで動作する。NFC対応microSDは本体にNFCアンテナが内蔵されているケースがあり、実際に中国の銀聯カードなどで実施されているトライアルではアンテナ内蔵タイプのSDカードが利用されていたようだ。だがアンテナ内蔵タイプは設置面積が少ない反面、SDカードをスマートフォン本体に挿入することでアンテナが内部へと隠れてしまうため、(金属フレームの内側に入ってしまい)認識精度が落ちてしまうほか、「端末のどの部分をタッチしていいかわかりにくい」という問題があった。そのため、今回のCashwrapのように外部アンテナと組み合わせて利用するケースが増えている。Device FidelityのSDカードは通常のものに比べて端子が余分に追加されており、ここで外部のNFCアンテナとの通信を行えるようになっている。また、外部のNFCアンテナが実際に利用可能かどうかを判定する機能がついており、これによって内外でどのアンテナを利用するかを決められるようだ。

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↑microSDカードはDevice Fidelity製のもの。これはアンテナを内蔵しないタイプで、外部アンテナを認識するとそちらを利用するようになる。

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↑microSDカードの背面を見ると、通常のmicroSDカードにはない2本の端子が真ん中に追加されていることがわかる。Device Fidelity特別仕様のカードであり、内部にセキュアエレメント(SE)を搭載している。

 なお、SDカードの規格を策定しているSD Association(SDA)では、Device Fidelityのものとは異なるものの、SDカードを挿入するスマートフォンのNFCアンテナを利用し、SDカードに内蔵されたセキュアエレメントと直接通信できる仕組みを提案している。この規格に対応したSDカードでは、SWP(Single Wire Protocol)と呼ばれるNFCアンテナとセキュアエレメント間の通信を行うプロトコルを通すための専用の信号線が1本だけ端子として追加されており、ロック解除の有無などOSの動作に関係なく、日本のおサイフケータイのように“タッチ&ペイ”の仕組みが利用できる。現在はまだこのSDカード方式に対応したスマートフォンが存在しないが、数年後には実装が行われて実際に利用できるようになっているかもしれない。その意味で、NFC+SDカードの仕組みとしてはDevice Fidelityのものが主流となるだろう。

■iPhone+ケースでNFC利用は実用的じゃない、でもiPhoneを無視できない事情

 実のところ、業界関係者の多くは「iPhoneにNFCケースを被せて対応端末として利用する」方法に否定的だ。なにより無骨で選択肢もほとんどないNFCケースを被せるよりは、ユーザー自身が自分で好きなケースを選んでデコレーションする道を選ぶだろう。それだけ、世間には「モバイルNFCがなければ受けられないサービス」というのがほとんど存在しないからだ。実際、これらサービスのほとんどはNFC通信に対応した非接触の専用カードさえあれば問題なく利用できる。不便なのはオンラインチャージの手段が提供されていなかったり、複数のカードを1つにまとめる手段がないだけだ。日本でも、交通系はSuicaで、買い物はnanacoやWaonといった具合に使い分けている人もいるだろう。一方で、米国ではIsis(アイシス)という携帯3社のジョイントベンチャーである決済サービス会社が、iPhoneユーザー向けに先ほどのCashwrapを使ったNFCサービスを展開しようとしている。実際、どの程度受けいられるかはまだ未知数だが、筆者の予想ではほとんど利用が進まないはずだ。

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↑iPhoneでNFCを利用するために、さまざまなアイデアが提案されてきた。これはソニーが昨年2013年末に発表した新しい小型PaSoRiと専用アプリを組み合わせて、Suicaなどカード型FeliCaの残高照会を実現する仕組み。カード大サイズのSonyロゴ入りのものがPaSoRiで、iPhoneとの通信はBluetooth Low Energy(BLE)を用いる。

 本来であれば、iPhoneの世界シェアは1〜2割程度のため(地域によってはさらに少ない)、iPhoneにおけるNFC対応の有無はそれほど大きなインパクトを持たない。だが4割近いシェアの米国や、6〜7割以上のシェアを持つ日本のこととなると話は別だ。前述IsisがiPhone用にNFCジャケットを用意してまでサービスを提供しようとしている理由の1つとなる。そして日本では、より深刻だ。年々FeliCaの出荷ベースは伸びているにもかかわらず、ここ数年はおサイフケータイの利用者数(モバイルSuicaなど関連サービスすべて含んだ数字)がほぼ横ばいの状態で推移している。NFC搭載デバイスが増えて、利用環境が整っているにもかかわらずだ。つまり、利用者比率でいえば全体に減少傾向にあると予測できる。

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↑楽天EdyではPaSoRiを組み合わせた残高照会/チャージの仕組みも用意している。

 実際、楽天Edyのサービスはスマートフォン時代の到来でモバイルEdy利用者増加を当初は見込んでいたものの、逆に利用減に見舞われているという。一方でスマートフォンではない非接触カードの発行枚数は増えており、今後はモバイルEdyよりもカードならびにオンライン関連のサービスへと軸足を移していく方針だという。その原因として同社が挙げたのがiPhoneシェアの増加だ。実際、iPhoneユーザーの増加とともにモバイルEdy利用率は減少しており、一昨年あたりから急増したNFC対応スマートフォンで利用を開始したユーザーも定着にはつながっていないという。そうした経緯もあり、同社は昨年2013年後半にソニーが発表した小型の非接触ICカードリーダー『PaSoRi』とiPhoneを組み合わせ、楽天EdyのカードであってもモバイルEdyのようにオンラインチャージや残高照会が行える仕組みを提供し始めた。

 楽天Edyだけでなく、おサイフケータイにはより衝撃的なデータがある。KDDIでNFC関連事業を推進する阪東謙一氏によれば、同社でのおサイフケータイ等サービス利用者の比率は、過去のピーク時で15%、現在は8%程度で落ち着いているという。ピーク時がKDDIによるiPhone販売がスタートする以前であり、サービスが話題になってユーザーが飛びついた直後だとすれば、利用比率はほぼ1割未満の水準をキープしていると考えていいだろう。同氏もやはりスマートフォンへのシフトとともにおサイフケータイの利用が広がると期待していたものの、実際には前述iPhoneユーザーの広がりもあり、ほとんど伸びがみられなかったという。それを考えれば、KDDIが『au WALLET』で非接触通信によるサービス提供を行わなかったのもうなずける。

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↑MWCのMasterCardブースで行われていたPOSレジスターのデモ。支払い手段としてNFCとQRコードの2種類を選択でき、後者を選択した場合には画面上のバーコードをカメラで読み取ることでiPhoneで支払いが行なえる。

 とはいえ、すでに一定のシェアのあるiPhoneに対して「NFCに対応していないからサービスは利用できません」では問題があるうえ、なによりサービス事業者にとっても機会損失に他ならない。そこでiPhoneに限らず、NFCを使わない決済や認証の仕組みが模索され始めている。例えばMasterCardでは、支払い方法としてNFCとQRコードのいずれかを選択できるPOSシステムを参考展示している。NFCを選択した場合は通常の“タップ&ペイ”となるが、QRコードを選択した場合は会計時にレジの画面上にQRコードが出現し、これをスマートフォン上の専用アプリで読み込むことで認証を行い、クラウド上で決済が進むというものだ。クレジットカード等の情報は、あらかじめクラウド上に存在しており、スマートフォンの操作は本人認証と決済のトリガーを引くだけというのがポイントだ。

■海外のNFC/モバイルペイメント事情

 筆者の雑感だが、先進主要各国をまわってきて思ったのは、携帯やスマートフォンなど、いわゆるモバイル端末を使ってNFC(もしくはFeliCa)による決済や認証を行う仕組みは、おそらく日本が突出していると考えている。各種データや講演での話題では、韓国が最もモバイル利用が進んでいるとされているが、ソウル市内でいろいろ観察している限りでは、モバイル端末を使ってのコンビニやスーパーでの支払いや、公共交通への乗車を行っている場面を見たことがない(クレジットカードや非接触カードの利用は多いのだが……)。その意味では、KDDIの例で普及率1割未満のおサイフケータイのほうが、より日常生活の中で利用されている場面に遭遇する。東京で主要駅を5〜10分ほど観察していれば、必ず携帯を使って駅に入場している人を見かけるはずだ。日本以外でNFCが本格的に導入されているケースといえば、交通システムにFeliCaを導入した香港の『八達通(Octopus)』が有名だ。現在、Octopusはコンビニ等での支払いや会社・学校の入退室管理にも用いられており、非常に便利だ。だが香港ではOctopusのモバイル利用が行われておらず、つい先日ようやくUSIMカード上でFeliCaエミュレーションによる千人規模のトライアル実装がスタートしたばかりで、モバイル対応という意味ではまだまだだ。

 世界全体で見てみると、非接触ICカードの交通システムでの利用は進んでいるものの、これをモバイル対応にしたり、電子マネーによる決済にまで拡大となると、とたんに事例が少なくなる。筆者の把握している範囲で、モバイル対応まで実現しているのは日本と韓国、そして最近スタートしたばかりの米国とカナダ、シンガポールといった具合だ。トライアルレベルであれば、フランスや英国をはじめとする欧州各国、そして前述香港などアジア一部地域にまで広がる。いずれにせよ、日本レベルの環境整備が他国で行われるのはまだまだ先の話だろう。一方で、米国や欧州の一部地域などでは非接触通信対応クレジットカードによる支払いが可能な店舗が急増しており、店舗決済限定で比較的早い段階で利用が進んでいくかもしれない。

 これらクレジットカード決済ではFeliCaではなく、Type-A/Bという別のセキュリティ規格が用いられており、互換性がない。そこで前述のFeliCaエミュレーションのような技術を使ってType-A/BのセキュアエレメントでFeliCaアプレットを利用できるようにしたり、カードを読み取るリーダー側の装置をFeliCaとType-A/Bの両対応にしたりと、さまざまな工夫が進められている。特に日本では、MasterCardのPayPassやVisaのpayWaveなど、Type-A/Bベースの非接触決済技術を採用したクレジットカードを受け入れるため、両対応のPOSを開発して大量製造を開始している段階だという。来年以降、こうした両対応のPOSやカードリーダー装置を多く見かけるようになるだろう。

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↑共通して使えるNFCインフラを目指して『Asia NFC Alliance』が発足。台湾の中華電信、香港のHKT、KDDI、韓国のSK Planetが参加。

 ペイメント以外の分野でもNFC活用を目指すべく、新たな試みがスタートしている。例えば今年のMWCでは、KDDI、台湾の中華電信、香港のHKT、韓国のSK Planetの4社が集まって、『Asia NFC Alliance』という業界団体を設立している。いままで、会社ごとにばらばらにNFCタグを定義していたり、あるいは業界全体でのネゴシエーションを優先して遅々として進まなかったNFC標準化などの部分で、「最初はアジア内でできる範囲から」を標語に4社で共同作業を進めていくという。例えば、NFCタグを使ってクーポン配信を行う場合など、タッチしたスマートフォンの端末情報を識別し、表示されるクーポンやWeb情報を英語、日本語、中国語で切り替えたりと、旅行者にとって使いやすい仕組みを提示するのが目的だ。将来的には電子マネーや交通カードの相互乗り入れ、そしてアジア以外の地域への対応エリア拡大も目指しており、各社各様に動いていたNFCサービスの世界で、横連携が始まりつつあるようだ。

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↑例えば台北市内に設置されたNFCタグにタッチすると、タッチしたスマートフォンの国情報を判別して同じタグで異なる言語の解説ページへとリダイレクトできる。

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↑写真は台北で使えるEasyCardだが、こうした交通系カードもNFCを使って同じスマートフォン内のアプリとして相互利用できるようにするのが狙い。

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↑NFC発祥の地であるフランス(正確にはモナコ)でのNFCサービス展開状況をまとめた図。実際のところ、対応都市でも使える場所はごく限られている。

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↑バルセロナ市内のスーパー『Carrefour』にあるセルフレジではNFC経由での決済が可能なはずだが、日本から持ち込んだiD/PayPassやpayWave端末をかざしても決済は行なえなかった。

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↑米国でチェーン展開しているスムージーショップ『Jamba Juice』店舗にあるNFC決済端末。PayPassのほか、Google WalletやIsisのサービスが利用できる旨も記載されている。なお、同端末を作っているVIVOtechはすでにハードウェア製造事業から撤退し、ソフトウェア部門は2年前にSequent Softwareに買収されている。

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↑現在香港でトライアルが行なわれているFeliCaチップを搭載しないNFC端末上でUSIM上にアプレットを置き、FeliCaエミュレーションを行う仕組みのデモ。

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↑前述のトライアルではFeliCaアプレットをプリインストールしたUSIMを配布しているが、将来的にはTSM経由でOTAによるセキュアアプリの端末への配信を行い、さらにTSMがバックエンドにあるFeliCa処理を行うサーバとの仲介で決済等のサービスを利用できる仕組みを提供する。

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↑Edyでは将来的なType Aカードでのサービス対応も視野に。

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↑こちらはVisaのサービス提供ロードマップ。現在のセキュアエレメントを用いた決済以外に、スマートフォン等を介してクラウド上で決済を行なう仕組みの導入が進んでいる。

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