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Cerevo、UEI、そして日本のAndroid界で有名なあの人もいた:CES2014

2014年01月17日 16時45分更新

 毎年International CESを取材している担当として気になるのが、定点観測的な昨年のあのメーカーはどうなったかということ。特に日本のベンチャーブースですね。日ごろから追いかけてるメーカー、そしてAndroid界隈で有名なあの人も出展していました。

●Cerevo――発売が近づく『LiveWedge』、初公開のEneBrickがお目見え

会場で出会った異彩を放つiPhone5s・スマホ連携ガジェット集:CES2014

 ここ数年CESに何らかの形で出展してきたCerevo。昨年はiOSデバイス系が集まったiLoungeでの出展でしたが、今年は日系メーカーの集まるJETRO(日本貿易振興機構)ビレッジでの出展。

 北米では初公開のビデオスイッチャーとミキサーまで含んだ統合配信環境『LiveWedge』が注目を集めてました。また、昨年後半、クラウドファンディングで資金調達して製造プロセス真っ最中の『EneBRICK』のモックアップを展示。これ、実は日本国内も含めて初公開ですね。

 日本の家電ベンチャーとして週アスPLUSは当然としてテレビ番組や各種メディアに登場することが増えている同社ですが、実は現時点で売上げの50%は海外、という状況になっているそうです。Cerevoの配信機材はニッチで競合がほぼないので、世界中探すと自ずと同社に行き当たる、ということなのでしょう。
 これもまた、規模や価格で勝負をしない家電ベンチャーならではの戦略といえます。

会場で出会った異彩を放つiPhone5s・スマホ連携ガジェット集:CES2014

 ブースのメイン展示だったLiveWedge。InterBEE2013での展示(関連記事)から若干バージョンアップした試作機。右のジョグダイヤルにモールドが付いたりしてます。ソフトウェア的には鋭意開発中の部分が多々残ってますが、新たにクロマキー合成の機能が使えるようになっていました。

会場で出会った異彩を放つiPhone5s・スマホ連携ガジェット集:CES2014

 タブレットを操作卓化してしまうことで、省スペース性と良好な操作性の両面を実現しているのが特徴。日本国内発表の時点でプレオーダーが結構な数になっているそうで、北米マーケットでの評判がどうだったのか気になるところ。

会場で出会った異彩を放つiPhone5s・スマホ連携ガジェット集:CES2014
会場で出会った異彩を放つiPhone5s・スマホ連携ガジェット集:CES2014

 本邦初公開、EneBRICKのモックアップ。実物見るまでもう少し小さいものを想像していましたが、意外とガッシリでボリュームもあります。イメージ的には、モバイルバッテリーそのものという感じ。実際、6000mAhのモバイルバッテリーに、タブレットスタンド機能と、USBキーボードのBluetooth化機能が合体しています。

会場で出会った異彩を放つiPhone5s・スマホ連携ガジェット集:CES2014
会場で出会った異彩を放つiPhone5s・スマホ連携ガジェット集:CES2014

 日本でも発表会を開いたスマート電源タップ『OTTO』の展示も。昨年のCES2013ではOTTOを発表したんですよね。昨年は3Dプリンターで出力した荒削りな製品でしたが、今年はもう間もなく発売ということで製品レベルの仕上がり。接続機器の電源オン・オフや、白熱球用のディマー機能(出力変更)がアプリから操作できます。

●UEI――enchantMOONとスマホですれ違い通信!?の参考出展も

会場で出会った異彩を放つiPhone5s・スマホ連携ガジェット集:CES2014

 昨年enchantMOONを初披露したUEI、今年は人通りの多いメイン会場の1つサウスホールに移動し、さらに昨年比10倍の面積のブースで製品版のenchantMOONを展示。MOONPhase2.9.0で実装される予定の表示やレスポンスの高速化デモをプレス向けに披露していました。

 個人的に注目したのは、いわゆる“すれ違い通信”をスマートデバイスで実現するMITメディアラボの坂東さんのAndroidアプリ『ShAir』(シェア)の研究を、enchantMOONに移植したデモ。
 ShAirは、写真を撮るだけで自動的に周囲のみんなと写真共有ができるアプリ。ルーターや、お互いを登録したり、送信ボタンを押すみたいな操作は何も必要ありません。

 やや素っ気ないUI(失礼)をカワイイ系に載せかえてGooglePlayで配布すれば、女子会とかパーティーで流行りそうなポテンシャルを感じます。アプリはコチラで配布中(MITのサイトに移動します)。現時点ではNexus S、Glaxy Nexus、Galaxy Note IIが対応機種とのこと。

会場で出会った異彩を放つiPhone5s・スマホ連携ガジェット集:CES2014

UEIの清水CEO(左)と、坂東氏(右)。

会場で出会った異彩を放つiPhone5s・スマホ連携ガジェット集:CES2014

 左のGalaxy S3で撮影すると、即座に周辺のShAir対応機器同士で共有されます。enchantMOONにもこの機能が組み込まれていて、描いたものが共有されるデモをしていました。
 ShAirの仕組みは、適当なタイミングで個々の端末がランダムにWiFiルーター化し、その場にいる全端末に対してデータを共有するという仕組み。これによってルーターも設定も不要で”すれ違い”を実現します。

 写真の転送・反映は相当早くて、撮った次の瞬間には周辺端末で共有されていました。パーティーや飲み会で、みんなでバシャバシャ撮った写真が次々に手元に転送されてくるって面白そうでしょ?

●adlib――あのメーカーの巨大イベント展示にはこっそりこの技術が入ってた

 ソニーブースを取材していたところ、ふと知人の姿が。
 昨年まで2年にわたって東京・渋谷でAndroid開発者の溜まり場(←褒め言葉です)“Bar Android”を開いていたマスターの@kabayanこと加畑さんでした。Bar Android、僕も何度かお邪魔させてもらいました。

 なぜCESに来てるのか訊くと、なんでも今回のソニーブースのXperia展示で”絶対に通信を切れさせない”ためのあるシステムが自社製品なんだとか。本業のadlib社でブース出展もしてるというのでお邪魔してきました。

CES2014

 場所は今年から追加されたテント会場、Gold Pavilion。“atlas”というサービスが、採用されている例のシステムです。これ、完全企業向けですけど面白いですよ。
 今回のCESや日本のCEATECのような巨大家電イベントでスマホを展示する場合、必ずつきまとう問題があります。それは、

1)電波が輻輳してネットが使えない
2)盗難防止をどうするか
3)できれば、新機能の効果的なユーザー調査もしたい

 ということ。
 atlasはこれをまとめて解決してしまうシステムです。

CES2014

↑加畑さんはニッポン放送の吉田尚記さんらとToneconnect社もつくってるので、このステッカーが貼ってあります。

 まず1)は、スマホにつないだUSB充電ケーブルを使用。
 通常はWiFiなりLTEなりの回線で通信しますが、atlasでは、Android端末にUSBで給電させながら、同時にUSBを使ってネットワークに“有線接続”させます。そのため、どんなに人が多いイベントでも絶対に“圏外”になりません。
 2)は、このUSBケーブルを抜くと盗難防止アラームが鳴るという仕組みを持たせることで実現しています。

 これだけでもスマホを展示する大規模なイベント企画をやったことがある人なら「これ使える!」と思うわけですが、個人的にアイデアだと思ったのが次の3)。端末にちょっとした仕掛けがしてあり、デモ機のどういうアプリを起動したか、どんな操作をしたかをログ化して記録します。

 が、ログを貯めるだけだと意味がない。どう分析するかが重要なわけです。そこで、atlasではデモ機の操作をWebページへのアクセスに見えるように細工して、すべての操作ログをGoogleAnalyticsに放り込みます。
 このアイデアは本当に冴えてますよ。Analyticsの高度な分析機能を使って、操作ログを解析できるわけだし、リアルタイムアクセスも見られるし。ログ保管庫としてGoogleAnalyticsを使う側面もある。
 

CES2014

↑ウェブ屋の人なら見慣れたGoogleAnalyticsの画面。リアルタイムアクセスとして、操作ログが送り込まれます。

CES2014

↑Analyticsの機能を使える、というのはこういうこと。あるアプリ(操作)から次のアプリにどう遷移したかも解析できます。最初に使われたアプリが何か、何の機能がもっとも注目されたかなどがあとからわかるわけですね。

 この仕組みは、実は昨年のMWC上海、IFA2013、CEATEC JAPAN 2013と使われて来ていて、今回のCES2014のソニーブースの展示でも実際に稼働していたそうです。

 最後に、加畑さんと共同出展していたお仲間の展示も紹介しておきましょう。

CES2014

 Infinitegraの清水さんの出展。AndroidスマートフォンにWebカメラをつなげられるアプリ『USBカメラ』をつくっています。これをメガネ型のカメラ『viewっとめがね』と組み合わせた企業向けソリューションの展示。

 目と目の間にレンズがあることがポイントらしく、作業員の操作を遠隔で見守って指示するなどの用途に使うとのこと。専門性の高い作業が必要なガス会社などに納品しているそうです。

CES2014

『viewっとめがね』をイトーが装着してみたところ。名前はツッコミ感満点ですが、驚くほど普通に違和感のないメガネです。鯖江でつくっているらしく、重量バランスにこだわっているのだとか。これぞジャパンクオリティってことでしょう。

CES2014
CES2014

 こちらはもう1名のお仲間、バンプレコーダー社の八木さんの出展。スマホの加速度センサーを使って、クルマで道路を移動するだけで上下動などから路面状態(段差)を記録。予算の少ない自治体など向けに、本格測量の前にどの地点の改修が必要か判断するためのソリューションとのこと。

●関連リンク
LiveWedge製品ページ(Cerevo)
enchantMOON公式ページ(UEI)
ShAir公式ページ(英語)
adlib
Infinitegra
バンプレコーダー

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