週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

オリジナルを知る世代が「ワイヤレス角マウス」を使ってみた|Mac

2014年01月15日 16時00分更新

初期Macのマウスの歴史

140113_moro_kakumouse

 秋葉館が発売している『ワイヤレス角マウス』[CU-KAKU1]は、いわゆる「角マウス」を、最新技術を用いて現代に蘇らせた製品だ。角マウスは正式名称を「Apple Desktop Bus Mouse」(通称ADBマウス)といい、Appleが初期のMacに同梱していた製品。その使い心地の良さが評価され、現在でも賞讃する人は多い。
 

140113_moro_kakumouse

 さて、『ワイヤレス角マウス』の評価に入る前に、初期Macの純正マウスの歴史を簡単に振り返ってみよう。

 1984年に発売された初代Macintoshに付属していたのは、専用のマウスポートに接続するボール式の1ボタンマウスだった。それが、1986年に登場したMacintosh SE/IIになって、ADB(Apple Desktop Bus)ポートが搭載されると、マウスやキーボードを共通のポートに、接続できるようになった。ちなみに、このADBはアップルの独自規格ながら、その後に登場するUSBの(アイデアの)元になったと言われている。オリジナルの角マウスは、そのADBポートを装備したSEやIIに付属していたものだ。

 ただし、当初から「角マウス」と呼ばれていたわけではなかった。1993年ごろに登場した、後継の「Apple Desktop Bus Mouse II」が、卵型というかティアドロップ型というか、要するにかなり丸味を帯びた形状になった。機能的には同じワンボタンマウスだったが、従来の角ばったマウスの方が使いやすいという意見が多かった。そうした経緯で、従来のマウスを懐かしむ「角マウス」という呼称が生まれた。一種のレトロニムというわけだ。
 

適度な大きさのワイヤレスマウス

140113_moro_kakumouse

 角マウスには、単に形状が角張っているというだけでなく、もう1つ重要な特徴がある。それはボタンが上面からはみ出ず、つまり側面に回り込むことのないデザインという点だ。これにより、本体を深く持ってもマウスを持つ指でボタンをご操作することがない。
 

140113_moro_kakumouse

 『ワイヤレス角マウス』は、形状もサイズも、ほぼオリジナル角マウスと同じに作られており、そうしたレイアウト上の長所をそのまま再現している。この角マウスの大きさは、多ボタンタイプのデスクトップ用マウスでは大きすぎるが、かといってモバイル用のマウスでは小さすぎると感じている人にぴったりの「中くらい」のサイズ感になっている。
 

140113_moro_kakumouse

 平面を折り曲げて成形したようなオリジナル角マウス譲りの形状は、不思議と使いやすい。手の形状に合わせた曲面で構成されている、いわゆる「人間工学的」にデザインされた製品が、必ずしも使いやすくないことを経験している人には、そのよさを理解してもらえるだろう。

131218_moro_kakumouse

 一方、オリジナル角マウスが初期のマックに合わせたベージュに近い色で、表面にザラザラとした凹凸のあるプラスチック製だった。これに対してワイヤレス角マウスは、上面は透明感のあるツルツルした表面で、側面や底面は硬めのラバーのような材質が採用されており、見た目や感触は異なる。とはいえ、現在のアルミユニボディーのMacBookシリーズなどと組み合わせて使っても、特に違和感はない。

最新技術で必要十分な機能を実現

140113_moro_kakumouse

 『ワイヤレス角マウス』は、単にノスタルジーを刺激するだけの製品ではない。2.4GHzの電波を利用するワイヤレス接続で動作し、USB接続の小型レシーバーをマウス本体の底面に収納できる設計だ。もちろんMacだけでなく、Windows PCでも使用可能。
 

140113_moro_kakumouse

 動作の検出には青色LEDを用いた光学式センサーを用いており、光沢のある素材の上で使ってもスキップすることが少ない。電源は単3電池1本で、メーカーによれば、1日8時間使っても、最長で6カ月間使えるという。

 ボタンの感触は、ややふわっとした押し込み感の後に、カチッと固めのクリック感がある。この点もオリジナル角マウスを彷彿とさせる。また、オリジナルにはなかったスクロールホイールは本体の側面にあり、親指で操作するよう設計になっている。自然に持つと親指の位置にホイールが来るので、スムーズに操作できる。
 

140113_moro_kakumouse

 最後に、少し気になった点を1つだけ挙げておく。筆者が試した評価モデルでは、底面にある電池ボックスのフタが本体の底面からやや飛び出していた。製造ロットや個体差にもよるかもしれないが、フタの表面がこすれてマウス自体の滑りが悪くなるのはいただけない。もしこの点が気になる場合は、電池ボックスを外して使うと良いだろう。筆者が試した限りでは、それによって電池が外れてしまうことはなかった

 なお、昨年末に限定100個で発売した初期ロットはあっという間に完売し、現在入荷待ちとなっている。執筆時点では次の入荷は1月20日となっている。

ワイヤレス角マウス[CU-KAKU1
■価格 5980円
■動作環境 Mac OS X 10.5.8以上、Windows 2000/XP/Vista/7/8(※一部機種によって動作しない場合あり)
■問い合わせ 白箱.com(外部サイト)

(2014年1月16日17時追記) 問い合わせ先情報を変更しました。

MacPeopleはNewsstandでも配信中
1ヵ月の定期購読なら最新号が600円!

Newsstand 電子雑誌をダウンロード

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります