クリスマス前後の10日間の稼働率を調査
米国のChitika(外部サイト)という広告会社が、興味深い調査結果を報告しています。同社が2013年12月20日〜29日の10日間に計測した、北米におけるウェブトラフィックのシェアと、25日の前と後でのシェアの変化です。
シェアの伸びは、スマートフォンではAppleが1位、タブレットでは最下位となっています。ただし、スマホ/タブレット市場におけるシェアそのものはApple製品がブッチギリです。
Chtika社によれば、この調査は同社が提供している約3億件のウェブ広告をサンプルとし、各広告がどの端末から閲覧されたのか(インプレッション)を計測したものだそう。なお、本レポートはChitika社のサイトからダウンロード可能です。
全10ページから成るレポートのうち、重要なのは以下の2つのグラフです。ひとつずつ見ていきましょう。
こちらは、スマートフォンのウェブトラフィックのメーカー別のシェアが、クリスマス(25日)の前後でどう変化したかを調べたもの。緑の数値はプラス成長、赤はマイナスです。25日以降で数値が伸びているのはAppleのみ(1.8%)で、Googleは変化なし。その他の名だたるAndroidスマホメーカーも微減ながらマイナス成長となっています。
一方、グレーの帯はシェア自体の大きさを示しています。Appleが54.3%と過半を占めており、第2位のサムスン(23.7%)の約2倍という圧倒的な勢力であることがわかります。
続いて上のグラフは、同じ調査のタブレット版。伸びが大きかったのはKindleシリーズを擁するAmazon(0.6%)や、Surfaceで自らタブレット市場に打って出たMicrosoft(0.5%)、次いでGALAXY Tabシリーズを抱えるサムスン(0.3%)という順です。
こちらではAppleの伸び率はマイナス1.3%と、最下位となりました。ただし、グレーの帯を見ればわかるとおり、それでも4分の3以上のシェアを持っており、独壇場と言ってもいい状態です。
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さて、この調査はあくまで北米のウェブ広告の閲覧数のシェアであり、端末の販売台数のシェアではありません。昨年の米IDC社の発表によれば、台数ベースでは世界のスマホシェアの8割がAndroid端末だといいます。では、このレポートが意味するところは何でしょうか?
一般に公開されているウェブページにはほぼ必ず広告が掲載されており、ユーザーはページにアクセスするたびに広告を閲覧することになります。その意味では、ウェブ広告の閲覧数のシェアは、実際に稼働している端末のシェアとほぼ同じだと考えていいでしょう。つまり、少なくとも北米(米国とカナダ)においては、Appleの端末が実質的なシェアナンバーワンと言えるわけです。
もちろんこれは、「Chtika社の調査対象が北米のウェブトラフィックの実像を正しく捉えていれば」という条件付きではありますが、その可能性は極めて高いと言えます。なぜなら、Chitika社はウェブ広告の会社だからです。広告は消費者に見てもらってナンボの商売ですから、より効果的に広告を打つには市場を正確に捉えている必要があるわけです。わざわざ歪んだ調査結果を報告しても、自社の信用を落とすだけです。
というわけで、北米というモバイル先進国ではやっぱりAppleが最強なのね、というレポートでした。他地域でも同じことが言えるとは限りませんが、日本でもAppleのシェアはこれと同様か、あるいはそれ以上かもしれません。なにせ、これだけiPhone5s/5cが騒がれ、売れていますからね。世界規模での調査もぜひ実施してほしいところです。
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