グラフィックボードメーカーのGALAXYは12月14日と15日、中国・上海にてオーバークロックイベント『GALAXY GOC 2013』を開催。このイベントは世界中から招いた現役最強クラスのオーバークロッカー20人を、10チームに分けて(2名ずつタッグを組む)2日間戦うというもの。日本代表には、Super PI 32Mの世界ランキング3位の清水貴裕氏が参戦。見事、GeForce GTX760の世界記録(GALAXY発表)を塗り替えました。
↑左が清水氏。右はルーマニア代表のMatose氏。 |
抽選で決まった清水氏のコンビは、ルーマニア代表のMatose氏。Matose氏はGOOC 2010(ギガバイトの世界大会)とMOA2011(MSIの世界大会)のチャンピオンで、3Dベンチマークの世界では世界最高クラスのスキルを持った超有名なオーバークロッカーです。
↑清水氏はチーム8として参戦。ちなみにチーム9のインドネシア代表Lucky_n00b氏はCOMPUTEXで会ったことがありますが、アニメのフィギュアをマザーボードの上に載せてオーバークロックしていた個性派オーバークロッカーです。 |
1日目はGeForce GTX780 HOFを使って、3DMark11 Performance&Extreme、3DMark Fire Strike&Fire Strike Extremeの4つのベンチの総合スコアーを競いました。多くのチームがトラブルに見舞われる中、システムが安定しており、中盤まで首位を独走するものの、後半にGPUクロックが伸び悩み、6位まで後退してフィニッシュ。
↑GOC 2013の会場には多くの観戦者が訪れた。最終日は飛び入りのオーバークロッカーが幻のチーム11として参戦し、非公式ながら3DMark11 Entryですごい記録を出したとか。 |
しかし、2日目のGeForce GTX760 HOFを使うフリー競技ではコアクロック1900MHzをラクに超えるモンスターカードを引き当て、3DMark11 Performanceでは13449スコアー、3DMark Fire Strikeでは8871スコアーの世界記録を達成しました。
↑清水氏の自宅に取材へ行ったときの写真。6畳一間で液体窒素オーバークロックをしている様子。ノートにはびっしりとBIOS設定のメモ。 |
↑部屋には当たり前のように液体窒素タンクが鎮座。飼い猫の伯爵(♂)は時折タンクに上るのでそのたびに下ろす作業に追われる清水氏。これが世界を相手に戦うオーバークロッカーの日常風景です。 |
清水氏は2013年12月24日発売のアスキームック『パソコン自作の新常識2014』(788円)のジサトラ特集記事『自作erジャンルを大解析』の取材で出会い、その縁で今回の大会を知りました。部屋の中には当然のように液体窒素のタンクがどんと置いてある一流の極冷オーバークロッカーながら、自作PC歴は5年と意外に短かく、オーバークロック以外のことはなにも知らないんですよねと語っていました。さながら、公道を走る免許を持っていないF1ドライバーのようです(そんな方が実在するかは置いといて)。
取材を終え、「もし、世界記録が出たらまた取材させてくださいねー」と半ばはっぱをかけたつもりが、本当に記録を塗り替えるとは……。もしかしたら、Duck氏と同様、今後オーバークロック史に名を刻むオーバークロッカーになるやもしれません。以下、そんな清水氏からのコメントです。
清水氏のコメント:「初日は6位フィニッシュと奮いませんでしたが、DuckさんやFredyamaさん、GALAXYの東海さん、日本の皆さんから温かい応援を頂いたお陰で2日目は2つの記録を取ることができました。ありがとうございます!2度の世界大会優勝経験を持つMatoseさんと一緒に戦えたことは非常に名誉ですし、世界最高峰の技を間近で見る事ができ、とても勉強になりました。素晴らしい大会に招待して下さったGALAXYの皆さん、本当にありがとうございました!」
↑清水氏はもはや伝説となったオーバークロッカーDuck氏と交友があり、Duck氏の持ち芸である“口から液体窒素”もマスターしている。超危険なので、みなさんは絶対にマネしないでくださいね。 |
■関連サイト
GALAXY GOC 2013
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