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ライフログと打倒パズドラがキーワード Appアワード2013結果発表

2013年12月10日 13時00分更新

appアワード

 週刊アスキー、週アスPLUSそしてiPhonePLUS主催、今年最も熱いアプリを決める“ASCIIスマートフォンAppアワード2013”の選考がついに終了しました!

 11月14日午前00:00~24日午後11:59:59の11日間のウェブ投票結果およびASCIIフェス2013冬での投票結果(ゲームおよびエンタメ部門のみ)をもと特別審査会を以下のメンバーで実施。

●特別審査員(五十音順)
石野純也氏(ケータイジャーナリスト)
神尾寿氏(ジャーナリスト)
齋藤直樹氏(文芸工房スカイロケット)
高橋亮氏(AppBank編集長)
ヤシマノブユキ氏(フリーライター)

●審査員
宮野友彦(週刊アスキー編集長)
矢崎飛鳥(週刊アスキー副編集長)

ASCIIスマートフォンAppアワード2013

 長時間にわたる議論の結果、大賞および各部門賞、そして特別賞が決定。各賞の紹介を特別審査員のコメントともに発表いたします! なお、部門ごとのノミネート作品はこちら(関連記事)でご確認ください。

 

大賞(実用部門賞)
Moves
作者:ProtoGeo
App Store価格:100円(外部サイト
Google Play価格:無料(外部サイト

ASCIIスマートフォンAppアワード2013

●特別審査員コメント
 シンプルながらわかりやすいUIで、歩くことが楽しくなります。iPhone5sで“M7”を使う点も、新しいと思います。(石野)
 スマホのセンサーを用いたライフサポートアプリ。という地味な内容ながら、デザイン性の高さでとてもクールで使いやすいものになっている。iPhone 5sの“M7コプロセッサー”にいち早く対応するなど、新技術への対応が早いのもすばらしかった。実用系アプリこそ、“デザインと新技術対応が重要”だということを示した点を高く評価した。(神尾)
 足跡を後から振り返るのが意外に楽しい。フィットネスはもちろん、旅行に持って出かけると旅の実感倍増。(齋藤)
 ライフログにおける“1-clickを0-clickにするとなんとやら”レベルの革命をおこしたアプリ。(高橋)
 使い勝手のよさ、デザインの美しさ、機能の正確さに加え、iPhone5sの“M7コプロセッサー”対応など技術面も評価。(ヤシマ)

 

特別賞(ゲーム部門賞)
クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ
作者:COLOPL
App Store価格:無料(外部サイト
Google Play価格:無料(外部サイト

ASCIIスマートフォンAppアワード2013

●特別審査員コメント
 シンプルなクイズと、クエストを進めていくやりこみ要素が両立していておもしろい。自分もハマってます。(石野)
 一大市場を築いたパズドラに正面から挑戦しつつ、きちんと独自の世界観を築いている点は高く評価したい。しかし、今後カジュアルゲーム市場の競争はさらに激化するため、そこで独自性が構築できるかが今後の注目ポイント。(神尾)
 まさか『パズドラ』に食い下がるタイトルが登場しようとは去年の今頃は思いもしなかった。率直に言って驚き。(齋藤)
 「パズドラの次にくるゲームは?」という問いにおける、現時点での答え……かもしれない。(高橋)
 まとめサイトや攻略サイトが出現し、流行を実感。しかしパズドラの既視感がチラついてしまうのは筆者だけか。(ヤシマ)

 

エンタメ部門賞
CocoPPa
作者:SPiRE
App Store価格:無料(外部サイト
Google Play価格:無料(外部サイト

ASCIIスマートフォンAppアワード2013

●特別審査員コメント
 “きせかえ”というケータイ文化を、アプリの制約が多いiPhone上で実現している点は、高く評価できます。(石野)
 フィーチャーフォン時代の文化である“着せ替え”をスマホ上でもカンタンにできるようにし、なおかつそれを海外市場でも成功させたのはすばらしい。今後の課題は着せ替えコンテンツ市場をどれだけ拡大できるかなので、その点にも期待したい。(神尾)
 iOSではホームの改造を諦めていただけに創作意欲をそそられた。特別な知識がなくても使える点も◎。(齋藤)
 ケータイ文化を考えると日本でウケまくるだろうな、と思ったら海外でウケまくりました。女性の力はすごい。(高橋)
 iPhone版はプロファイルを駆使するなど、見た目の可愛さと真逆のマニアっぽさが◎。ただし力技的で違和感も。(ヤシマ)

 

ソーシャル部門賞
Vine
作者:Vine Labs
App Store価格:無料(外部サイト
Google Play価格:無料(外部サイト

ASCIIスマートフォンAppアワード2013

●特別審査員コメント
 ソーシャルに短時間の動画という概念を持ち込んだ点が、おもしろいところ。Twitterらしいサービスです。(石野)
 やや飽和感のあるSNS市場に、動画投稿をカンタンにするという切り口で参入した着眼点はよい。(神尾)
 YouTubeで再生分数が2桁ある動画なんてゲンナリするが“6秒でループ”という制約のおかげで気楽に楽しめる。(齋藤)
 6秒+ループは絶妙な設定。広がりをみせつつある競合の動画共有サービスの中では、最もしっくりくる。(高橋)
 利用者が増加するにつれ、短尺ループ動画ならではのGIFアニメ的な本来の面白さが失われつつあるのがやや残念。(ヤシマ)

 

ビジネス部門賞
SMARTalk
作者:Fusion Communications
App Store価格:無料(外部サイト
Google Play価格:無料(外部サイト

ASCIIスマートフォンAppアワード2013

●特別審査員コメント
 キャリアの通話料の高さを補えるアプリ。IP電話はほかにもありますが、基本料が無料なので気軽に使えます。(石野)
 ドコモがXiの通話料を割高に設定したため、“スマホにすると通話料が高くなる”というイメージが広がり、今年はIP電話アプリが普及する年になった。その中で最も利用されているのはLINEとSkypeだが、SMARTalkは050番号が無料で持てることが注目のポイント。IP電話アプリがスマホ市場に浸透していることを象徴するアプリとして、今回選出した。(神尾)
 月額0円が嬉しいが、『050 plus』ユーザーとしては「なぜもうちょっと早く登場してくれなかった!」と血の涙。(齋藤)
 無料で使いはじめられるという差別化がなによりもきいている。とりあえず050番号を試すならこれしかない。(高橋)
 050で始まる電話番号を固定費0円で持てるなど“サービス”は革命的。格安SIMの低速で実用に耐えることを望む。(ヤシマ)


●特別審査員全体コメント

ケータイジャーナリスト
石野純也氏

ASCIIスマートフォンAppアワード2013

 スマホの広がりによって、大ヒットするアプリの基準が変わってきました。たとえば、ゲームでは、『魔法使いと黒猫のウィズ』のようなクイズRPGのように、万人受けしそうなクイズという要素を入れ、手軽に遊べることが重要になっています。『CocoPPa』のように、女性から火がつくアプリも増えました。狙いもそれぞれ違い、選考は難航しました。ユーザーの支持を重視すれば『魔法使いと黒猫のウィズ』ですが、『Moves』が受賞したのは、新しい技術を生かし、UIにこだわった点を審査員が評価したからだと思います。

 

ジャーナリスト
神尾寿氏

ASCIIスマートフォンAppアワード2013

 スマホの普及が進んだ2013年。アプリのトレンドもそれを反映して、これまでのゲーム系やネットユーティリティ系から、より幅広い用途に向けたものがトレンドになってきた。その中でも今回大賞を獲得した『Moves』は、ライフサポート系アプリの中でもデザインがとてもすばらしく、センサー活用が巧みだった点が評価のポイントだった。今後スマホ向けのアプリやサービスは、“ユーザーが見ていない=画面が消灯している”状態でどのようなメリットをユーザーに提供できるかがトレンドになる。Movesはそれを先取りしたものと言えるだろう。
 他方で、特別賞を受賞した『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』はスマホの大衆化を象徴するゲームアプリ。昨年ヒットとしたパズドラの市場に参入し、短期間で急成長したのは見事だった。

 

文芸工房スカイロケット
齋藤直樹氏

ASCIIスマートフォンAppアワード2013

 スマホもすっかり普及し、定番のアプリが既に出揃っている今、新作アプリの企画に必要なのは“新しいスマホの使い方を提案する”こと。大賞『Moves』は、特に用途を限定しない点で、まさにそれを探るアプリだったと言える。『黒猫』はパズドラキラーである以上、新規性が特にないため惜しくも大賞を逃したが、その成長は驚異的で審査員一同に特別賞を設けさせた。振り返ってみれば今年は『黒猫』の一年だった印象が強い。

 

AppBank編集長
高橋亮氏

ASCIIスマートフォンAppアワード2013

 より“マスを指向したアプリ”がウケているな、と感じています。そんな中で、『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』の動きは強く印象に残っています。リリースより前に「パズドラの次にくるゲームは?」というコンテストで優勝していましたが、今いちばんきているゲームに本当になってしまいました。すごい。大賞の『Moves』も良いですね。ライフログという言葉を知らなくても「いいかも!」と思わせる力が凄まじいです。

フリーライター
ヤシマノブユキ氏

ASCIIスマートフォンAppアワード2013

 2011年の金賞『050 plus』や昨年の『パズドラ』を凌駕する革新的大作は不在な印象。反面『SMARTalk』や『黒ウィズ』など“打倒!競合アプリ”の豊作っぷりが今年らしさではないか。着眼点の独自性で『Moves』か『CocoPPa』か最後まで悩んだ。だが最終的には、持ち歩くだけの手軽さと、万人受けしそうな北欧風の美しいデザイン。対応アプリ増加で活動記録プラットフォームとして大化けしつつあるMovesの将来性が決め手となった。

 

 以上! 2014年はこれらを超えるようなアプリが出てくると思うと、おちおちケーキやおせちの準備なんてしてられません。週アスではもちろん来年のアプリ業界の動向も追っていきます。

 さらに、本日発売の『週刊アスキー12/24-31合併号 No.959』関連記事)ではアプリのほかにスマホやタブレットの今年いちばんの製品を決める“ベストオブベストバイ2013”の結果を掲載中。ぜひ、こちらもチェックしてみてくださいね!

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