2013年11月19日に台湾台北で行なわれた“A Day With Google”では8つのブースでGoogleサービスがどう活用できるか、実物大のセットがつくられ、その中でサービスを試すことができた。先の記事ではオフィス、セキュリティー、子供の勉強、健康とエクササイズに活用できるGoogleサービスのブースを紹介したが、後半の記事では残り4つのブースを紹介しよう。
■いつか言語の壁を乗り越えられるか
かつて旅行に行く際、どのくらいの荷物を持っていったか。カメラからガイドブックや移動中に読みたい本、翻訳の電子辞書など。それらがスマートフォンに置き換わっているのは、すでに様々な場面で体験していることだろう。バリ島をモチーフにしたブースでは、旅行で役に立つGoogleサービスが紹介された。
まずは出発。さまざまなカードを表示し、検索しなくてもほしい情報を得られるAndroidの機能“Google Now”ではフライト情報を表示。空港までの時間や遅延なども表示する。航空会社からの連絡がGメールにくれば、そこから情報を得て、出発便や時間などの情報を表示する。今回、台湾へ行く際も成田空港までの情報はGoogleカレンダーから反映されて表示されていた。残念ながら、代理店が入っていたため、出発便までは表示せず。
現地に到着後、こちらもGoogle Nowにある翻訳カードから“翻訳アプリ”を利用。マイクタップして話しかけるだけで音声認識で現地の言葉に翻訳してくれる。翻訳した現地語はスピーカーボタンで音声を出力できるので伝えたい相手に自分の端末をわざわざ見せる必要はない。そのほか直接入力、手書き入力にも対応する。現地に到着してすぐにネットに接続できない状態でも、事前にダウンロードしておけばオフラインでも利用可能だ。
翻訳は画像認識も利用できる。英語や中国語などは比較的わかりやすく入力できるが、まったく読み方もわからないような場合も、カメラで文字を撮影し、指でなぞってハイライトすると翻訳が可能。ここまでできると英語を勉強するよりも、技術の進化を待ったほうがいいともさえ思えてしまうほど。現状、音声認識や翻訳の機能は進化しているものの、ヘルプに利用できるもので常用はまだまだ難しいところ。いずれは、翻訳サービスは言語の壁を完全に取り払うのか期待したい。
そのほか、本は“Google Play ブックス”。スマホで撮影した写真は“Google+”のインスタントアップロードでクラウドにオートバックアップ。もしスマホをなくしたといった場合も、撮影した写真は無事だ。ただ同期機能は、バッテリーを消費するのでホテル滞在時にWiFiでアップロードするなど工夫したい。
■ルート検索でナビいらずのマップ
リニューアルしてデザインを一新した“Googleマップ”。まだベータ版という扱いだが、すでに今までの地図から切り替えて常用している人も多いのではないだろうか。地下鉄のブースでは、モバイルGoogleマップのナビ機能が紹介された。週刊アスキーでも特集で箱根までマップアプリのナビ機能を使ってドライブした企画記事(関連リンク)を行なったが、ナビ機能は着実に使えるレベルまでになっている。
ドライブモードでは、ルート表示、現在地から目的地まで何分かかるか、交通情報などが表示される。ナビはもちろん進行状況に合わせてリアルタイムで更新される。
何をしたいかでも検索が可能な“周辺検索”では、食べるや遊ぶなどのカテゴリーで検索できる。カテゴリー内の項目は国ごとに異なり、食べるでは台湾ではラーメンの項目が表示。行ったことない場所であればストリートビューで周辺を事前に確認、お店フォトに対応していれば店舗内の雰囲気をチェック可能。もちろん目的のお店を見つけたら、タップしてルート検索開始だ。訪れたあとは施設の評価も可能。
■よく検索することを先回りして表示
検索される前に日々、必要な情報を表示する“おもてなし”の精神をコンセプトにつくられたのが“Google Now”だ。AndroidやiOSのGoogle検索アプリで、天気や予定などをカードで表示するサービス。1年前に誕生したGoogleの中でも新しいものだ。個人的にはこのサービスが今後、重要なものになってくると感じている。
起きてすぐに情報をGoogle Nowで確認するというテーマで、寝室をイメージしたブースで説明が行なわれた。まず出かける前に確認したい天気。仕事に向かうのに必要な交通情報に加え、株価やひいきのスポーツチームの情報などのカードがある。新たに電車の遅延情報も表示するようになった。
また出張や旅行時は、住んでいる人とは違うニーズが発生すると、先に説明があったフライト情報、翻訳、通貨計算、周辺スポットが自動で表示。今回の台湾出張でも役に立ちました。
まだ英語版のみのサービスだが、“リマインダー”はおもしろい。時間と場所と2種類の設定方法がある。時間は5分後に食事するのようによくあるものだが、場所はたとえば家の近くにきたら、家に帰ったら掃除するなどの設定が可能だ。日本語版でも導入されたら、買い物へ行くときに「牛乳忘れない」など設定して使いたい。
■料理を学ぶならYouTubeで習う
最後はキッチンのブースだ。ここでは、検索やYouTubeを使って料理に関する情報が紹介された。レシピ検索では、レシピ名に加えて“-(マイナス)食材”をいっしょにすれば、その食材を省いた絞り込み検索が可能。好き嫌いはよくないと思うが、このメニューをつくりたいのに定番の食材がない時など、メニューの新発見に出会えるかもしれない。
キッチンブースでは特別に、YouTubeのクリエーターで料理動画をアップして人気の西村亜美さんが説明。英語で外国人向けに日本の料理を紹介して人気になっている。チャンネル名は“ochikeron”(関連サイト)。毎週火曜と金曜に更新している。26万を超えるチャンネル登録数をほこる。
説明の最中も、キッチンで料理を作成。YouTubeのコメントをとおしてオーストラリアの方からリクエストされたという、ベジマイトという現地の調味料を使った巻物をつくっていた。オーストラリアの国民食で、しょうゆのかわりになるような味の濃いモノとのこと。
YouTubeは次世代のクリエーターを育成する“NextUp”プログラムを行なっている。クリエーターキャンプの実施や、東京六本木ヒルズのオフィスにも専用のスペーススタジオが用意されて、クリエーターたちがふだん使えないような豪華な設備の中、動画を作成している。
ひとつひとつのサービスの使い方はよく知っているものばかりだが、いっぺんに体験するといかにGoogleサービスに頼って生活をしているかがわかる。ここで紹介されたサービスも日々、プロダクトは変化している。次回は新しくなったGoogleマップのすごみを紹介する。
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