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まだ日本に2台しかない超大画面PC『Surface Hub』を触ってきた

2015年08月03日 09時00分更新

 ソフトバンクの法人向けイベント“SoftBank World 2015”(7月30日、31日開催)会場で、マイクロソフトの84インチ液晶搭載PC『Surface Hub』が展示されました。このような形で一般向けに展示されるのは国内初とのこと。

Surface Hub
これが84インチ版の『Surface Hub』。大型スクリーンといったサイズ感だ。
Surface Hub
小型の55インチ版。こちらはやや大きめの液晶テレビといったところ。

 この時点で日本に持ち込まれていたSurface Hubは2台しかないとのことで、その2台ともがSoftBank Worldに持ち込まれたようです。さっそくその特徴を見ていきましょう。

基本はWindows 10ベースの巨大Surface

 これまでにも80インチクラスのタッチ可能な大画面を利用した“電子黒板”製品は存在していました。ただ、それらはノートPCなどを接続して使うのが一般的だったのに対し、Surface HubはPCを一体化しているのが特徴。いわば巨大なSurfaceタブレットといえます。

Surface Hub
Coreプロセッサー搭載のPCを内蔵する。背面にはUSBやDisplayPortなどのインターフェイスも。

 PC部分のハードウェアスペックはマイクロソフトのサイトで公開済み。55インチ版はCore i5、84インチ版はCore i7を搭載しており、Surface Pro 3とあまり変わらないスペックといえます。大きめで持ちやすいペンも、標準で付属します。

Surface Hub
ペンはタブレット用のものよりひとまわり大きく、しっかり握れるサイズ。Surface Hubの側面にマグネットで装着できる。2本のシルバーのラインは充電用端子。

 Surface Hubの最もメインになるアプリとしては、“ホワイトボード”が標準で入っています。文字通り、企業の会議室におけるデジタルホワイトボード用途を想定したアプリで、Office文書や写真、地図などを貼り付けながら、ペンによる手書きや指によるマルチタッチで操作可能。Skype for Businessによる遠隔会議もサポートしています。

 気になるのはSurface HubのOSです。Windows 10を採用するとはいえ、独自のランチャーを搭載するなど、PCやタブレット向けの10とはだいぶ見た目が異なります。

Surface Hub
Windowsボタンを押すとスタートメニューではなく独自のランチャーが起動する。

 これはWindows 10のSurface Hub専用バージョンのようなもので、現時点ではサードパーティには公開しているものではないとしています。

Surface Hub
通常のWindows 10とは見た目が異なるが、設定画面を開けばWindows 10であることが一目瞭然。Windows Updateなど内部の仕組みも同様だ。

日本マイクロソフト社内にも導入予定

 このようにSurface Hubは、PCとしては一般的なCoreプロセッサー機でありながら、ソフトウェア的にはやや特殊なものになっています。単にPC用のWindows 10を大型ディスプレイに表示しているわけではなく、従来のデスクトップアプリも動作しません。

 独自機能としては、ホワイトボードを使い終わるたびに初期化する機能が入っています。これにより、前の会議で書き込んだ内容やファイルなどが、次の会議に残ってしまうことがないよう配慮されています。

Surface Hub
本体左右にカメラを搭載し、Skype for Businessでテレビ会議ができる。その下には赤外線センサーを搭載、人の気配がなくなる(=会議が終わった)ことを検出し、ホワイトボードを自動的に初期化する機能も。

 初期化機能では、ローカルのSSDにある“ドキュメント”などのフォルダ内容まで消去されるため、必要なファイルはクラウド経由のOneNoteやUSBストレージなどに保存しておく必要があります。

Surface Hub
本体側面には電源ボタンやUSBポートを備える。Surface Hubのローカルストレージはセッションごとに初期化されるので必要なファイルはUSBメモリーなどに保存する。

 かつてLyncの名前で知られていたSkype for Businessには、PCの画面を共有しながらテレビ電話をするような機能がありました。Surface Hubはそれをさらに推し進めた、新たなグループコンピューティングを実現しようとしています。

 これまで会議といえば、場所と時間、メンバーを決めて行うことが当たり前でした。しかしSurface Hubでは必要に応じてメンバーをリモートで招待したり、会議の内容を見て関心のあるメンバーが自由に書き込みを加えるなど、これまでにない会議を実現できるようになるとのこと。そのハブとなるデバイスという意味で、“Surface Hub”と名付けたとしています。

Surface Hub
Surface Hubは、会議に関心を持った参加者が次々と増えていくような“ハブ”としても機能するという。出荷予定はやや遅れているものの、国内でも年内から年明けには発売したいとのこと。

 7月2日の日本マイクロソフトによる経営方針説明会では、社内に25台のSurface Hubを導入していくとの発表がありました。今後は品川本社で企業向けワークショップなどを開催しているテクノロジーセンターや、見学者向けのデモエリアにも設置予定があるとのことなので、訪問するチャンスがあれば探してみたいところです。

■関連サイト
日本マイクロソフト

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