みなさん、こんばんは。MacPeople編集部、元編集長の吉田でございます。短期集中連載の9回目は「iCloudキーチェーン」機能を紹介します。
ウェブサービスやオンラインショッピングなどを利用するには、IDとパスワードが必須ですが、最近は不正アクセスの事例も多くなっています。そのため、サービスの運営側が要求するパスワードも複雑怪奇になっています。Apple IDの場合、パスワードに半角アルファベットの大文字/小文字を混在させることは必須ですし、同じ文字を3文字続けて入力するのはNGです。「1018」とかの誰かの誕生日と思われる数字の並びまでNGにするサービスもあります。
とはいえ、複雑なパスワードは忘れてしまうので、結果的に多くのウェブサービスで同じパスワードを使い回すことになり、セキュリティーが低下します。そこで、お勧めしたいのがMavericksの新機能である「iCloudキーチェーン」です。文字通り、iCloudを利用してパスワードやクレジットカードなどのセキュリティー情報をMacやiOSデバイスで共有する機能です。なお、iPhoneやiPadでこの機能を使う場合は、iOSを7.0.3以上にアップデートしておく必要があります。
まずは、「iCloudキーチェーン」を有効にしてみましょう。「システム環境設定」の「iCloud」パネルでチェックボックスを有効にします。
チェックボックスを有効にすると、iCloudアカウントのパスワードの入力を求められます。
Mavericksの初期セットアップで「iCloudキーチェーン」の設定を飛ばした場合はここでパスコードの設定画面が現れます。パスコードは「0000」とか「1234」とかにしないように!
パスコードを設定すると、そのパスコードを使うかどうかを最終的に決定するダイアログが現れます。承認すると、先ほど設定したパスコードの入力を再度求められます。
次に携帯電話番号の登録が求められます。これは、iCloudキーチェーンを複数のデバイスで利用する際に、不正利用を避けるための対策です。ほかのMacやiPhoneなどで同じiCloudキーチェーンを使う場合、登録した携帯電話にSMSで通知される6桁のパスコードを入力する必要があります。なお、この携帯電話はiPhoneでなくてもOKです。SMSが使えるならガラケーでも構いません。
あとは、SafariでIDとパスワードの入力が必要なサイトにアクセスしましょう。パスワードを入力すると、保存するかどうかのダイアログが現れます。このあたりは従来どおりですが、Mavericksはこの保存したパスワードをiCloudに暗号化した状態でアップロードします。
同じIDでログインパスワードを変更した場合は、保存しているパスワードと整合性がとれなくなるので、新パスワードに上書きするかどうかも決められます。
「iCloudキーチェーン」が本領を発揮するのは、iPhoneなどのiOSデバイスとの連携でしょう。iPhoneで各種ウェブサービスにログインする際、屋外などの周囲に人がいる場所でのキーボード入力はNGです。満員電車などはかなり危険ですね。肩越しに誰が見ているかわかりません。
iPhoneで「iCloudキーチェーン」を有効にするには、「設定」アプリ→「iCloud」でオンにしましょう。
すると、承認方法を選ぶ項目が現れます。ここではさきほど登録した携帯電話を使って承認を進めるので「セキュリティコードで承認」をタップします。
パスコードとセキュリティーコードと順に入力するとiPhoneが承認され、iCloudキーチェーンが使えるようになります。
この状態でウェブサービスにアクセスすると、IDとパスワードを入力する際に「パスワードを自動入力」という表示が現れ、タップするとIDとパスワードが所定の欄に入ります。これは非常に便利ですね。
現在のところ、iCloudキーチェーンでパスワードやクレジットカード情報を共有できるのはMacとiOSデバイスのみですが、これでWindowsマシンに対応してくれると完璧でしょう。なお、WindowsやAndroidともパスワードなどの機密情報を共有したい、Safari以外のウェブブラウザーを使っているという場合は、「1Password」(外部サイト)や「LastPass」(外部サイト)などのサービスがお勧めです。
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