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iPhone5s/iPad Airが搭載する「M7」の実力を開発者に聞いた|Mac

2013年10月31日 19時30分更新

そもそも「Apple M7」とは何か?

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 iPhone5cにはなく、iPhone5sやiPad Air、iPad mini Retinaが共通して持つ機能があります。中でも特に重要なのが「Apple M7」コプロセッサーです。コプロセッサーとは、特定の処理だけに特化して、CPUと協調して動作する演算装置のこと。
 

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 M7は、iOSデバイスが内蔵する各種モーションセンサーの出力を24時間常時監視し、そのデータを記録します。メインのCPUである「Apple A7」はデータを基に、ユーザーの要求応じてこの各種の演算を実行するわけです。

 データの取得と記録を消費電力の少ないM7に任せ、エネルギー消費量が多いA7の処理を最小限に減らすことができます。A7とM7を併せ持つiPhone5sやiPad Air、iPad mini Retinaは、これによって高機能と長時間のバッテリー駆動を実現しているのです。
 

アプリ開発にも恩恵をもたらすApple M7

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 さらにM7は、アプリ開発も促進します。M7の機能を利用したアプリをいち早く開発・公開した榊原防犯株式会社の代表取締役、榊原洋平氏に、M7がアプリ開発にもたらす影響を聞いてみました。

 「Apple M7」チップが持つ機能は大きく分けて2つある。ひとつは歩数カウント。もうひとつは、歩く/走る/乗り物といった移動手段の判別をするモーショントラッキングだ。

 M7はユーザーが使用しているアプリの動作とは無関係に、この2つのデータを記録し続けている。弊社が開発した「M7歩数計-Steps」は、この機能を利用した歩数計アプリだ。本アプリを初めて起動した人は、アプリをインストールした1週間前の歩数まで見られることに驚くだろう。これこそ、M7チップが常時記録している歩数データなのだ。

 「M7歩数計-Steps」では、この歩数カウント機能を利用している。このアプリ開発において、従来の開発手法と大きく異なる点が2つあった。まず、歩数カウントのアルゴリズムを実装する必要がない。従来は加速度センサーの値を基にアプリ側で歩数をカウントする機能の実装が必要だった。この点、M7を用いれば、記録されている数値を呼び出すだけでいい。

 もうひとつの違いは、バックグラウンド動作。従来は歩数のカウント中はアプリを動作させ続ける必要があった。これに対してM7では、歩数を自動的に記録しておいてくれるため、アプリ自体はバックグラウンドで動作し続ける必要がない。必然的に、バッテリーにやさしいアプリとなる。

 歩数データの取得は非常に簡単なため、他のアプリでも簡単に実装できる。歩いた分だけ経験値が入るRPGなど、アイデア次第で面白い使い方ができるだろう。

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 「M7歩数計-Steps」の起動直後の画面。M7の機能を利用するというメッセージが表示されます。

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 歩数のカウント画面。アプリをインストールする1週間前までさかのぼってデータを確認できます。インストール後は、日々のデータがアプリに蓄積されていきます。

 M7はiOSデバイスのバッテリー駆動時間を延ばすと同時に、M7が記録しているデータを利用したアプリ開発の敷居も下げる効果もあるわけですね。フィットネスブームのいま、M7の機能を利用したアプリが続々とリリースされるかもしれません。

M7歩数計-Steps
■開発 榊原防犯株式会社(Sakabou Inc.)
■価格 無料

AppStore アプリをダウンロード

 さて、MacPeople 12月号では、Apple A7+Apple M7を搭載したiPad AirやiPad mini Retinaの速報のほか、OS X Mavericksだけで150ページ超もの特集記事掲載しています。また、連載「ハードウェア・ポテンシャル」では、M7を含むコプロセッサーについて詳しく解説しています。ぜひご一読あれ。

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