NVIDIAは現地時間の10月17日、カナダ・モントリオールにて新しいゲームテクノロジーを紹介するプレスイベント「NVIDIA Editor's Day」を開催した。1日目は開発者向けの新技術を紹介したが、2日目に行なわれた、ユーザーにとって興味深い新テクノロジーをお伝えする。
●ゲームストリームプレイを拡張した"GAME STREAM"
サーバーシステムのGRIDやGeForce搭載PCにインストールしたゲームを、アンドロイド端末SHIELD上でストリーミングプレイをする仕組みはすでに発表されている。今回、SHIELDに”コンソールモード”を新たに追加した。
デモでは、BATMAN ARKHAM ORIGINSをインストールしたPCとSHIELDを接続、さらにSHIELDから4Kテレビ(ただし1080p)に出力、そしてBluetooth接続のコントローラーで操作するというデモが行なわれた。ただし、PCとSHIELDをmicroUSB-LANアダプターを用いて有線接続した場合1080p、WiFiでは720p出力となる。
なお、日本では未定だが、GeForce搭載グラボとゲームタイトル、そしてSHIELDの割引がセットになるプランも発表。コンソールモードとともに、10月28日から利用できるとのこと。
●Twitchへの動画ストリーミング機能が追加されたGeForce Experience
GPUのリソースを使って、最大1080pで過去20分の動画を撮影できるSHADOWPLAYのベータ版が10月28日から開始。さらに、GeForce用ツールのGeForce Experienceに、ワンクリックで動画配信サイトにプレイ中の動画の配信が行なえる機能を追加。ウェブカムで撮影した映像の位置や解像度を決定する項目が確認できた。
●カクつき、ラグ、描画ズレを防ぐディスプレー用チップ”G-SYNC”
PCゲームをプレイする上で、ユーザーのフラストレーションとなっているのが、カクつき(Stutter)、ラグ(Lag)、描画ズレ(Tearing)だ。これまで、GPUの描画タイミングと、ディスプレーのリフレッシュレート(描画タイミング)が別々に制御されていたため、このような問題が起きていた。
たとえば、V-Syncを有効にしてフレームレートを制限した場合、GPUの描画が遅れて1フレームを超えると、ディスプレー側ではさらに1フレーム待ってから描画するためラグが発生する。逆にV-Syncを無効にしていた場合、GPUの描画タイミングとディスプレーのリフレッシュレートがずれることで、1フレーム前の描画と新しい描画が画面が分断するように描画してしまう、描画ズレが起こる。
そこで新たに発表したのが、ディスプレー側にもチップを搭載し、GPUの描画に合わせてディスプレーのスキャンタイミングを合わせる仕組みのG-SYNCだ。
このチップを搭載するディスプレーはASUSやBenQから登場する。2014年のロードマップに入っているとのこと。
会場では、ASUSのG-SYNC搭載ディスプレーによるデモを行なった。あえてフレームレートが下がるように、GTX760搭載PCを用いていた。左が従来のV-Syncを用いている。まず、フレームレートを固定して60/50/40fpsと下げていくと、V-Sync機では振り子の動きがカクつき、描画の乱れがはっきりとしてくる。一方、G-SYNC機では、フレームレートを下げていっても、まるで60fpsであるかのようにヌルヌルとした滑らかな動きを維持していた。
次に、両方のデモ機のフレームレートを可変にし、ゲーム内でよくある、シーンによってフレームレートが変化した場合のデモを行なった。こちらも、V-Sync機では描画負荷が高いシーンではカクつくのに対して、G-SYNC機ではフレームレートが変化しているのにも関わらず、つねに一定の滑らかさを保っていたように見える。
Epic Games社創業者、ティム・スウィーニー(Tim Sweeney)氏、DICE社テクニカル・ディレクター、ヨハン・アンダーソン(Johan Andersson)氏、そして、Id Software社共同創立者、カーマック(John Carmack)氏というPCゲーム界の重鎮も一同に会し、G-SYNCなど新技術への期待を語った。
●新GPU GeForce GTX780Ti発表
最後に、ジェンスン・ファンCEOが『GeForce GTX780Ti』をサプライズ発表。11月ごろ発売という情報以外詳細は伏せられたが、Kepler世代のアーキテクチャーを使用しているとのこと。
補助電源は6ピン+8ピン、インターフェースはDisplayPort、HDMI、DVI×2基となっていた。
●関連サイト
NVIDIAリリースページ(海外サイト)
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