先日グローバルで発売し(関連記事)、日本での展開も大いに期待したい『GALAXY Note3』とウェアラブル端末『GALAXY Gear』。そんな2機種について、サムスン本社で詳しく聞いてきた。
●日常で使える機能がさらに進化したGALAXY Note3
GALAXY Note3はその名の通り、同社のNoteシリーズの第3弾。Note2ユーザーの声を分析し、日常の何気ない操作をさらに便利に円滑にできるようにする工夫がいたるところに加えられている。
革に似たデザイン |
↑どのカラバリも見た目ではポリカーボネートとは思えない、革のような加工が施されている。 |
形状変更されたペン |
↑太さなどは変わらないが、ペンはどの方向からでも抜き差し可能になった。 |
サムスンによるユーザーの意識調査によるとNote2次世代機に望む機能としては、S Penをより有効的に使えるものと日常的に使えるものが多かったという。そこで、Note3にはペンを使う機能をどこでも呼び出せる“エアコマンド”、メモした文字を認識し電話や地図検索などができる“アクションメモ”、メモを含め端末内のさまざまなファイルや要素を横断検索する“S Finder”を搭載した。
Air Command |
↑画面の少し手前でペン側のボタンを押すと扇形のメニューが表示。5種類の機能にどこからでもアクセスできる。 |
Action Memo |
↑手書きの文字を認識し、そこから直接各アプリへアクセスできる。電話番号や地図検索に最適だ。 |
また、Noteシリーズの代表的なアプリとも言える“S Note”も順当に進化している。Evernote連携が可能になり、パソコンなどそのほかの機器からもメモを見えるようになった。
次に、保存形式がベクター方式になったこと。そのため途中でグラフ作成機能が追加されたり、S Finderでの検索にも対応できる。なお、Evernoteに書き出したデータは、PCから見ると画像になるが、Note3で読み込むとベクターデータとして編集ができるという。
●スマホ並の機能をもつGear
GearはNote3のコンパニオン的な立ち位置のウェアラブル端末。しかし、スペックを見てみると、CPUは800MHzのシングルコア、ディスプレーは1.63インチの320×320解像度有機EL、カメラは190万画素のAF対応裏面照射型CMOS搭載など、スマホのアクセサリーというには豪華すぎる仕様だ。
母艦(発売当初はNote3、グローバルでは10月にGALAXY S4、11月にGALAXY S3とGALAXY Note2に対応予定)との通信はBluetooth4.0で行ない、3GやLTEなどの通信機能は持たない。
細かい設定は母艦側で |
↑音量設定などはGearでもできるが、通知設定や言語設定、アプリ管理などは“Gear manager”という母艦側アプリを使う。なお、グローバル版にも日本語表示は可能で、Note3の言語設定を変えるとGear側も同時に変更された。 |
標準機能を見てみると、時計や電話の発着信はもちろんのこと、サムスン製の健康管理機能“S Health”と連携する歩数計機能、音楽とビデオなどを操作できる“メディアコントローラー”、720pの動画や音声と静止画を同時保存できる“カメラ”機能など、スマホの特定の機能を切り出した形。それでいて、これまで登場したいわゆる“スマートウォッチ”よりはすべてが高機能だ。
このサイズなのでカメラ機能はオマケだろうと思いがちだが、意外や、大きさに似合わず結構ちゃんと写る。絵作りは写真的な描写を語るような方向性ではないが、例えばホワイトボードの記録なんかには解像度や絵のシャープさの点でも十分いける感触だ。
通話機能 |
↑番号で直接電話できるほかにも、通話履歴や連絡先なども参照できる。 |
歩数計機能 |
↑歩数計としても機能し、Note3で“S Health”を使って歩数計測をしている場合はGear側のデータが優先的に反映される。 |
なかでも注目なのは、音声録音にも対応したメモ機能“Voice Memo”。一度に5分間の録音が可能で、保存した音声を自動でテキスト化してくれる。
これはGoogleのボイス検索などと同様に、データを一旦サムスンのクラウドへ送ることで実現していて、母艦のデータ通信環境が必須だ。驚くのは、グローバル版の時点でも日本語にしっかり対応していたこと。写真の認識させた音声は、その場でテストした同行者が即興で言ったもの。一発でバッチリ認識した瞬間には、思わず取材のプレス陣が驚きの声をあげた。
このように変換精度は非常に良好で、自分のような編集者やライターから買い物などをメモしておくといった日常使いまで、広く活用できそう。なにより、ここまで日本語対応がなされているということは、近々日本でも……という期待は当然したくなる。
Voice Memo |
↑Voice Memoのアイコン。日本語では“音声メモ”と表示される。 |
変換精度は良好 |
↑カタカナや日本語、英語が混ざっていても正確に変換された。 |
また、純正アプリだけでなくスマホのようにサードパーティー製アプリを追加できるのもGearの魅力のひとつ。
すでにLINEアプリ(カスタマイズ版)の提供は告知されているとおり、メッセージ系や健康管理系などを中心に70種類程度のアプリが用意されている。現状では、各サードパーティーがアプリを作成し、サムスンの承認を経てSamsung Apps上で公開される形になる。個人開発者向けにSDKを公開する予定はないそうだが、電池のもちや市場の様子を見て検討したいとしている。
Samsung AppsからDL |
↑Gearアプリはスマホ版アプリと同じ各開発元が作成している。 |
LINEも使える |
↑LINEの場合、Gear専用アプリとスマホ版アプリの両方が必要。 |
●日本にこそウェアラブル端末は最適?
GALAXY Noteなどのいわゆる“ファブレット”はアジア圏を中心に現在流行しているが、日本では片手操作などの点から小型端末を望む声も多い。しかし、国内で発売されているAndroid端末は、各社が創意工夫をしつつも5インチ以上のものが増加している。
Note3とiPhone5cを比較 |
↑5cは4インチ。対してNote3は5.7インチと狭額縁でなるべく幅は狭めに作られているがやはり大きい。 |
そこでGALAXY Gearのような端末を組み合わせれば、大きなファブレットはカバンの中にしまっておき、電話に出たりSNSを確認したりする作業は小さなウェアラブル端末に任せられる。
実はこんなに薄い |
↑発表会などの写真では盗難防止用セキュリティーパーツといっしょになっているため厚く見えがちだが、実際にはこのくらい。 |
基本はタッチ操作 |
↑左右フリックでアプリ切り替え、上下で写真やダイヤル呼び出しなど、スマホに似た操作感を実現。 |
カメラまわりの形状や発表会での本体写真を見て、販売傾向について疑問視する声もあるが、まずGearが面白い製品であることは間違いがない。実際のバッテリー駆動時間がどの程度か、など気になる点はあるものの、大画面スマホ+高機能なスマートウォッチ、というモバイルスタイルの提案は確かにおもしろい。
●関連サイト
サムスン ジャパン
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