Ivy Bridge-E世代のXeonがようやく着任されました!!
満を持して、インテルがIvy Bridge-E世代のXeonブランド、Xeon E5-2600 v2(開発コードネーム:Ivy Bridge-EP)を発表しました。前世代のXeon E5-2600(開発コードネーム:Sandy Bridge-EP)では最大8コア/16スレッドでしたが、E5-2600 v2では最大12コア/24スレッドのSKUをラインアップ。Xeonと言えば、データセンター向けのサーバー用CPUブランドですが、Windowsを走らせるクライアントマシンとして活用している自作ユーザーも少なくありません。僕も以前、Sandy Bridge-EP世代のハイエンドCPU、Xeon E5-2687Wを2個購入してスーパーモンスターマシン“大紅蓮丸”を自作しました(参照記事)。
Ivy Bridge-EPのダイデザインは3種類。4-6コアのデザイン(L3キャッシュ最大15MB、TDP40~80W)、6-10コアのデザイン(L3キャッシュ最大25MB、TDP70~130W)、そして12コアのデザイン(L3キャッシュ30MB、TDP115~130W)と分かれています。10コア以下のデザインではSandy Bridge-EP世代のコアとアンコア部(メモリーコントローラーなど)をつなぐ2重リングバス構造を踏襲してますが、12コアデザインでは新たに3重のリングバス構造が採用している点に注目。リングバスを3重にすることで、大きく3ブロックに分かれたコアや2つのメモリーコントローラーなどをつなぎ、低レイテンシーかつ高いスループットを実現しています。Ivy Bridge-Eと同様、22nm世代のCPUコアとDDR3 1866メモリーをサポート。
ラインアップはE5-2600 v2シリーズが18製品、E5-1600 v2シリーズが3製品。うち12コアデザインはE5-2697 v2とE5-2695 v2の2製品のみ。どちらでPCを組んでもCPU(2個)だけで40~50万円ぐらいはすっ飛びそうなお値段ですが、市場販売価格は一体いくらになるのか、今から震えが止まりません。
型番 | コア/ スレッド | 動作クロック (TB最大) | L3 キャッシュ | TDP | 1000個 受注時の 価格 |
---|---|---|---|---|---|
Xeon E5-2697 v2 | 12/24 | 2.7GHz (3.5GHz) | 30MB | 130W | 2614ドル |
Xeon E5-2695 v2 | 12/24 | 2.4GHz (3.2GHz) | 30MB | 115W | 2336ドル |
Xeon E5-2690 v2 | 10/20 | 3GHz (3.6GHz) | 25MB | 130W | 2057ドル |
Xeon E5-2680 v2 | 10/20 | 2.8GHz (3.6GHz) | 25MB | 115W | 1723ドル |
Xeon E5-2670 v2 | 10/20 | 2.5GHz (3.3GHz) | 25MB | 115W | 1552ドル |
Xeon E5-2660 v2 | 10/20 | 2.2GHz (3GHz) | 25MB | 95W | 1389ドル |
Xeon E5-2650L v2 | 10/20 | 1.7GHz (2.2GHz) | 25MB | 70W | 1219ドル |
Xeon E5-2687W v2 | 8/16 | 3.4GHz (4GHz) | 25MB | 150W | 2108ドル |
Xeon E5-2667 v2 | 8/16 | 3.3GHz (4GHz) | 25MB | 130W | 2057ドル |
Xeon E5-2650 v2 | 8/16 | 2.6GHz (3.4GHz) | 20MB | 95W | 1166ドル |
Xeon E5-2640 v2 | 8/16 | 2GHz (2.5GHz) | 20MB | 95W | 885ドル |
Xeon E5-2643 v2 | 6/12 | 3.5GHz (3.8GHz) | 25MB | 130W | 1552ドル |
Xeon E5-2630 v2 | 6/12 | 2.6GHz (3.1GHz) | 15MB | 80W | 612ドル |
Xeon E5-2630L v2 | 6/12 | 2.4GHz (2.8GHz) | 15MB | 60W | 612ドル |
Xeon E5-2620 v2 | 6/12 | 2.1GHz (2.6GHz) | 15MB | 80W | 406ドル |
Xeon E5-2637 v2 | 4/8 | 3.5GHz (3.8GHz) | 15MB | 130W | 996ドル |
Xeon E5-2609 v2 | 4/4 | 2.5GHz (TBなし) | 10MB | 80W | 294ドル |
Xeon E5-2603 v2 | 4/4 | 1.8GHz (TBなし) | 10MB | 80W | 202ドル |
Xeon E5-1660 v2 | 6/12 | 3.7GHz (4GHz) | 15MB | 130W | 1080ドル |
Xeon E5-1650 v2 | 6/12 | 3.5GHz (3.9GHz) | 12MB | 130W | 583ドル |
Xeon E5-1620 v2 | 4/8 | 3.7GHz (3.9GHz) | 10MB | 130W | 294ドル |
機能としては、Intel Secure Key(デジタル乱数ジェネレーターで暗号化)、Intel OS Guard(スーパーバイザーモードの実行保護)を新たにサポート。
前世代から1.26~1.46倍の性能向上
性能はデータセンターワークロードを想定した比較によれば、Xeon E5-2697 v2(12コア/24スレッド、2.7GHz)は前世代のXeon E5-2690(8コア/16スレッド、2.9GHz)から1.26~1.46倍パワーアップ。とのことですが、Windowsを入れた環境ではどのぐらい性能がアップしているのか、とても気になります。ちなみにE5-2690とほど近い性能のE5-2687Wは2個環境でCINEBENCH R11.5スコアーでだいたい25pts(マルチスレッドテスト)ぐらい。リニアに結果が反映されれば、31.5~26.5ptsぐらい出そうですが、はたして。
12コアデザイン以外は電力効率も向上
なお、電力効率も4-6コアデザインと6-10コアデザインのモデルは前世代の8コアモデル(Xeon E5-2660)よりも向上しています。さすが22nm世代ですね。一方で、12コアデザインは圧倒的な計測能力と引き換えに電力あたりのパフォーマンスは落ちていることが下記グラフからわかります。とはいえ、2CPU搭載で夢の24コア/48スレッドのマシンがLGA2011環境で組めるだけで僕は幸せなので、電力効率はさほど気になりません。むしろ価格性能比が悪いほうがよっぽど心に暗い影を落とすことでしょう。
もちろん今回も狙うは最上位の2個買い
Sandy Bridge-EPが発表されてから約1年半、僕がE5-2687Wを購入してから約1年。涙の10回ローンも先々月に無事支払いが終わりました。帰郷するたびに、母親に貯金の無さを妹と比較され、「イッペイももう31歳になるんだから、ちゃんと貯金しないとだめだよ」と軽く叱られますが、まあそれはそれとして。さあ、いよいよIvy Bridge-EPです。編集部イチの巨大戦艦PC“大紅蓮丸”を、大紅蓮丸・改に改造(換装)しようと思います。
■関連サイト
インテル
【大好評の週アス増刊に 速くて安い!ゲームPC自作が登場!】
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります