8月4日、秋葉原の『RM burger&break』にて、有志によるOculus Rift専用ソフトウェアの体験イベントが行なわれました。
Oculus Rift 専用ソフトウェア体験イベント
Oculus Festival in Japan(関連サイト)
Oculus Riftとは?
アメリカのOculus VR(関連サイト)がクラウドファンディング『Kickstarter』で資金を募り開発した、ヘッドトラッキングセンサーを内蔵するヘッドマウントディスプレー(HMD)。1280×800ドットの液晶ディスプレーを内蔵。フルHDモデルのプロトタイプも発表されている。現在開発キットが発売されており、無償の開発用ライブラリを使ってユーザーによるデモソフトが作成されている。公式サイトによる対応ゲームタイトルは、『Team Fortress 2』や『Hawken』、『Half Life 2』のみ。ただし、『VorpX』や『Vireio』といった3Dドライバーを用いることで、『スカイリム』など有名タイトルにも対応するとのこと。
Oculurs Riftは目の周りを完全に覆って光を遮断し、ヘッドトラッキングセンサーにより頭を動かす方向に視点が動くため、高い没入感を生むことが話題のHMD。このデバイスで楽しむコンテンツをつくる日本国内のユーザーが集まったのが、この『Oculus Festival in Japan』です。
会場はメイドさんがつくってくれる本格ハンバーガーがウリの『RM burger&break akiba style』。6台のOculus Riftを体験するスペースを設けていました。
店内のモニターにはOculus Riftの仕組みなどを紹介するスライドが流れていました。
バックヤードには開発キットが収められているハードケースが積み重なっているというレアな光景も。
試してみていちばんインパクトがあったコンテンツは、巨人が闊歩するなか、ビルからビルへ飛び移る『Titan』というゲーム。某人気マンガの“立体機動装置”を体験できるというワケです。ビルの壁などに視線を向けると、赤いポインターが表示され、スペースキーを押すと鎖を射出し、鎖をたぐって移動できる、というもので、次の壁に向かうにはその方向を見なければならないので、せわしなく首を動かすことになります。現時点では攻撃ができるわけではなく、ただ巨人から逃げるだけですが、これで首元を切り裂いたりできれば、即ゲームとして成立しそうです。
既存の一人称ゲームでも、たしかに“上下”を意識するゲームはあったものの、ゲーム内の視点のみを移動させればいいのであまり高さを感じません。しかし、Oculus Riftを使うと実際に“見上げる”必要があるので、リアルに巨人の大きさを感じられました。
3D美少女ゲームメーカー『イリュージョン』による『Yunalus』も出展。かわいい女の子と同じ部屋に二人っきり、なんて現実では緊張してどうしようもなくなりそうなシチュエーションですが、360度部屋を見回せるため、本当にその空間の中に入ったような感覚です。「ディスプレーのなかに入れねえかな」が口ぐせの“全ギ研所長”ミナミダもこれなら満足できそうなデキ。
週アス本誌の連載コーナー『中の人特捜部』でも登場していただいた、“GOROman”さんも自分で白く塗装したOculus Riftをもち込み参加していました。PC用のモーションコントローラー『Razer Hydra』を利用して、“初音ミクのライブ会場に入ってサイリウムを振る”というなんとも愛すべきおバカな作品を展示していました。
また、モーションコントローラー以外にもそのほかのハードウェアと組み合わせるアイデアも見られました。Oculus Riftの前面にカメラを埋め込み、その映像をOculus Riftに映すというもの。Twitterや地図を表示できればAR(拡張現実)デバイスとしても使えそう。市販のウェブカメラを2つ割りばしで合体させたものをもち込んでいるユーザーもいました。
Core i3搭載NUCで駆動させている展示機も。「2画面ぶん3Dデータを描画する場合は、内蔵GPUではキビシイ」とのこと。上に乗っているのは、Oculus Rift用のユニットです。
イベントの主催者代表“桜花一門”さんは、「ユーザーが予想できないコンテンツが出てくるのが楽しみ」、「テトリスといった古いゲームもOculus Riftを使うとまったく新しいものになる」と語ってくれました。
展示コンテンツを作成した方にお話を聞くと、「“Unity”エンジンを使えばOculus Rift用に映像を吐き出してくれるので、MMD用3Dモデリングデータがあればつくるのは比較的カンタン」とのこと。もちろん知識や技術は必要になりますが、これまでほかの3D表示デバイスが登場したときと比べると、ユーザーが公開しているコンテンツが充実しているように感じます。
イベントは16時から22時まで行なわれました。取材した17時前後では試遊するために整理券が必要で、つねにどの台でも人だかりができていました。ユーザーによるマニアックなデバイスのイベントとしては、大盛況だったのではないでしょうか。なお、イベントは8月10日にも同じ会場で開催する予定。ぜひこの機会にOculus Riftを体験してみてください!
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります