海上技術安全研究所は海上交通の安全及び効率の向上の為の技術や、海洋資源及び海洋空間の有効利用の為の技術、海洋環境保全のための技術に関する研究を行っている独立行政法人。施設は東京三鷹市にある。
7月20日は定例行事として研究施設の一般公開が行われた。一般初公開となる実海域再現水槽を用いたデモンストレーションもあり、最先端の海上研究技術を披露した。
■世界最大規模の実海域再現水槽
↑実海域再現水槽の一般公開は初めて。
↑実海域再現水槽は長さ80m、幅40m、深さ4.5mの巨大水槽。波や風を人工的に引き起こすことによって、実際の海における様々な気象条件における波を再現し、船にかかる影響などを測定することができる。
↑橋形の曳航台車。中央部の副台車に模型船を取り付けレールで移動、模型船を引っ張ることで、波から受ける舟の影響を測定。
■水面に文字を浮かび上がらせる!!
↑実海域再現水槽では造波装置を利用して、水面に記号やひらがな、漢字を波で浮かびあがらせるデモンストレーションが行われた。
↑穏やかな水面に徐々にさざ波が立った。水槽の壁に設置してある382台の造波機を独立してコントロール。短い波と長い波を作り出しているとのこと。
水面に“波”の漢字が浮かび上がった! |
↑実際に見るとかなりくっきりと文字が浮かび上がった。波がある瞬間に文字のカタチを示すようにぶつかるよう、設定した結果だ。実海の複雑な波を再現する為の技術の応用となる。
他にも、海中を調査するための技術や、風力発電の研究の様子などを公開。
↑サンゴは紫外線に当たると発光するので、サンゴの調査の際には紫外線ライトが用いられる。
↑海洋構造物試験水槽。中央部に回転中の風車が設置されて、海上での風力発電が研究されている
↑模型船工作コーナーでは、子どもたちが発泡スチロール削って模型船を工作。にぎやかに声をあげてプールに浮かべた。
↑広い研究所の敷地内は緑が多くてのびやか。
一見のどかな研究所だが、巨大なプールや研究施設があり、いたるところで海を感じさせた。実海域再現水槽のデモンストレーションでは、記号やひらがな、漢字などいくつも文字を浮かびあがらせ、見学者に海上研究の波を操る技術を目のあたりにさせた。“好き”と文字を浮かび上がらせれば、ロマンチックに波で愛の告白することも夢じゃない! ……というのは冗談。
普段は入れない海上技術安全研究所の施設は4月と7月に定期的に一般公開をしている。興味ある人は次の機会に訪れてみよう。
↑施設内には船のスクリューをオブジェとして置いている。船好きの方はぜひ!
■関連サイト
海上技術安全研究所
(2013年7月22日19:30追記)記事中に一部文字の誤りがありました。お詫びして訂正いたします。
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