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ネタ的! Mac改造ビフォーアフター(iMacでLEDプランター編)|Mac

2013年06月09日 20時30分更新

※解説文の一部を加筆修正してアップデートしました(2013.6.10/青字部分)

 Apple製品はデザインが素晴らしい。ゆえに愛着が湧く。とっくに現役マシンではなくなっているのに、なぜか捨てられない……。そんな人は少なくないだろう。しかし、ホコリを被ったまま置き物状態にしておくのももったいない。

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 ならば、いっそのこと大胆な改造を施して、旧機種に新しい使命を与えてみてはどうだろう? もちろん、Apple製品のデザイン性は生かしつつ、だ。本コーナーでは機械の扱いに長けたアーティストに依頼し、Apple製品に新しい命を吹き込んでもらった。その気になれば素人でも実現可能なので、DIYの精神で挑んでほしい。
(註:改造にトライする人は自己責任でお願いします)

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■ホワイトiMacをLED内蔵プランター化

 第1弾は、いきなり「上級編」。白いボディーのiMac(G5モデルおよび初期のインテルiMac)を、LEDライトで植物を育てる室内用プランターにするというもの。iMacの白いポリカーボネートのボディー、白色LED、植物のグリーンが調和して、インテリアとしても優れたアイテムとなっている。正直言って、当初予想していたよりはるかにカッコいい仕上がりとなった。

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 電源以外の内部パーツをすべて取り払い、液晶モニターも撤去。前面には透明アクリル製の開閉式ドアを設置。ここから水やりや収穫も可能だ。また、内部には植物を植えるためのアクリル製のポットと、テープタイプのLEDライトを装着した。LEDの光によって植物を育てるため、室内での栽培が可能になる(はず)。背面の通気スリットから漏れ出るLEDの光がいい雰囲気だ。

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■一度すべてのパーツをバラバラにしてから組み立てる

 それでは改造の工程を紹介していこう。まずは、いったんiMacをバラバラに分解する必要がある。ここで使用したのは、iMac G5の20インチ(モデルナンバーA1145)。外装と電源さえあればいいので、ほかのモデルでも構わない。

 ただし、外見が同じようなモデルでも、モデルナンバーによっては内部構造が違っているケースがあり、その場合は分解手順も異なる。細かな作業内容については、米国のパソコン修理サービスiFixit(外部サイト)で機種名やモデルナンバー名で検索すれば、各種パーツの交換手順が写真付きで解説されているので、参考にするといい。

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■工程1:ボディーを分解して内部パーツを外す

 とにもかくにも、まずはとにかく「全バラシ」だ。大まかな分解手順は、(1)本体底面にあるネジをすべて外す→(2)ボディー前面を取り外す→(3)液晶パネルを取り外す→(4)内部パーツや基板をすべて外す→(5)スタンドを外す→(6)内部フレームを外す→(7)シールドを外す……となる。

 なぜスタンドまで外す必要があるのかと言えば、iMacの骨格に相当する内部フレームや、シールドフィルム(銀色の覆い)を外すため。「外装とスタンド」だけの状態を作り出すために、必然的に一度全バラシが必要となるわけだ。今回は、iMacの電源パーツをLEDライトの電源として流用している。

 分解の際、「本体底面」「内部フレームの固定」「電源パーツの固定」「インレット(電源コネクター)の固定」……に使われているネジは、位置と種類をメモしておこう。各ネジの長さや太さが異なるので、再度組み立てる際に役立つ。

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前面パネルを外した状態
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すべてのパーツを取り外した、いわゆる「全バラシ」の状態

 

■工程2:ボディー内部の加工

 ここからが改造の本番だ。ボディーの背面パネルから6カ所、プラスチック製の突起が出ている(※ネジ留め用の穴ではないので注意)。これらをニッパーで切り取り、紙ヤスリで削って滑らかにする。続いて、内部フレームの突起も削除する。こちらはネジ留め用の3本の筒だ。金属用ノコギリで切り取ったら、金属ヤスリで滑らかにする。

 今回は、見栄えのために内部フレームを白色でペイントしている。塗料の乗りをよくするために、フレーム表面に全体的にヤスリを掛けている。金属に対応したスプレー塗料でフレーム全体を塗装しよう。

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背面パネルから出ている突起を切り取り、紙やすりできれいに削る
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内部フレームから出ている筒状のネジ穴も削除。金ノコで切除した後、金属ヤスリで滑らかに仕上げる
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塗装の乗りをよくするため、内部フレームの表面全体にヤスリをかける


 iMacの背面パネルにインレットを装着する。これは元々iMacに付いていたパーツだ。先にインレットをネジ留めした後、インレットのケーブルを下に敷くかたちで内部フレームを元の位置にネジ留めする。その後、インレットのアース線をフレームにネジ留めする……という順番だ。

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インレットをネジ留めする。装着時の上下の向きに注意
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内部フレームを元の位置に固定。インレットのケーブルはフレームの下に通す
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インレットから出ている緑色のアース線を、内部フレームの所定の位置に固定する


 iMacの電源パーツを元の位置に取り付ける。続いて、電圧を安定させるためのレギュレーターを覆っている黒いフィルムを取り払い、レギュレーターの基板にハンダ付けされているコネクターをケーブルの根元からカットする。このコネクターは、LEDライトと電源ユニットの接続に利用する。

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電源パーツを元の位置にネジ留めする。このネジは六角の星形をしたトルクスネジだ
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レギュレーターのフィルムを剥がし、コネクターがつながっているケーブルをニッパーで切り取る
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切り取った状態。5本のケーブルのうち、黒と茶を2本ずつ使用する。グレーのケーブルは使用しないので根元から切る


 スタンドを装着する。まずは内側のヒンジパーツを元の位置にネジ留めする。次に裏側からスタンドを差し込み、ネジでヒンジに固定しよう。ヒンジとスタンドは本体を支える重要な部分なのですべてのネジをしっかりと締めよう。

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ヒンジパーツの四隅をネジで固定する。このネジもトルクスタイプだ
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裏側からスタンドを差し込み、6本のネジでヒンジと固定する
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スタンドの固定完了。もちろんヒンジの角度調節も可能だ


 市販のテープLED(白色)を用意する。複数のテープLEDの連結はケーブルのハンダ付けでも可能だが、専用ソケットがあると便利だ。iMacのボディーの内側にテープLEDを貼り付けていく。上面と両側面に貼り付け、各テープを直列に連結して1本のラインにしていく。先端と終端にはそれぞれソケットを付け、このソケットが電源パーツの近く(本体の左上隅)に来るように配置しよう。

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テープLEDと、接続のための専用ソケット
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本体の内側にテープLEDを張り付け、各テープを連結して1本のラインにする


 先端と終端のソケットから出ている2組みのケーブルを、先ほどレギュレーターから切り取ったコネクターケーブルつなぐ。ケーブルの端の被覆を剥がし、ハンダ付けしよう。つないだ部分は熱収縮チューブで被覆するといい。これで電源周りの工程は終了だ。電源ケーブルをつないで点灯チェックしよう。なお、通電時に電源パーツに触れると感電するので、絶対に触らないこと。点灯を確認したら電源ケーブルを抜き、ケーブルを結束バンドで束ねよう。

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1本のラインになったテープLEDの先端と終端が電源パーツの近くになるよう配置する
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先端と終端の2組みのケーブルとコネクターケーブルとハンダ付けする
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■工程3:ポットと前面ドアの制作

 植木鉢となるポットと、前面のドアを透明アクリル板で作成する。ここではCNCと呼ばれる専用の機械で加工しているが、アクリルを加工してくれるショップに依頼するといい。ネットで探してもいいし、東急ハンズなどの一部店舗では購入したアクリル板の切り出しをしてくれるので、本体の内部のサイズを採寸してからオーダーするといいだろう。

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アクリル板の加工は難しいので、設計図を描いて業者に頼むほうが確実だ
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ポット完成(天地を逆に置いている)。左右の凹みはiMacの曲面に合わせたもの
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前面のドアは外側から蝶番で固定し、開閉可能にした
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これで開閉式のドアの完成。ドアのサイズはモニター部分とピッタリ同じだ

 

■工程4:最終組み立て

 ポットに土と植物を入れ、iMacにはめ込む。なお、ここでは電源が入った状態で作業しているが、感電防止のために電源はオフにして作業しよう。後は前面パネルを被せれば完成だ。なお、このイメージではある程度育った植物を入れているが、種や苗から育てることにも挑戦したいところだ。

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