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国内初のSquare導入セミナーで集まったQ&Aまとめ

2013年05月31日 14時00分更新

 iPhoneやiPad、Android端末でクレジットカード決済を可能にするサービス“Square”の使い方やビジネス運営を学べるセミナー“iPhoneやiPad上でSquare製品を利用した新しいビジネス運営の仕方を学ぼう”が、2013年5月29日にアップルストア銀座店で行なわれた。

 この日は、サービスに興味ある個人から導入を検討する飲食店業者、システム導入業者、家族が個人で行なうレッスンの会費徴収に使いたい一般の人などがセミナーに訪れていた。

Squareセミナー

 “Square”を着想した発端として、Twitterの共同創業者であるジャック・ドーシーCEOの友人の逸話が有名だ。ガラスの工芸職人であったこの友人が2000ドルの工芸品を売り出したところ、購入希望者がクレジットカード決済ができないことを理由に購入を断念した。このビジネス機会損失について相談を受けたとことから、個人間でも、誰でも使えるクレジットカード決済のシステムを着想し、わずか1ヵ月でプロトタイプを作ったという。

 Squareのミッションはビジネスをカンタンにすること。個人事業主が自分の事業に専念できるよう、カンタンにクレジットカードを導入できるようにすることを目的とする。特に日本のPOSレジシステムは複雑で、狭い売り場に大きく複雑なレジスターが必要。その初期投資を少しでも解消できるようにしたいという。先週の会見から、数1000件の申し込みがあるという。

 セミナーではSquareの基本的な使い方やサービスまわりの話を展開。スマートフォンでクレジットカードの決済ができる利便性には可能性を感じるものの、業者やユーザーとしての利用者としてはやはりセキュリティー面や信頼度など不安な部分も大きいようで、セミナー後のQ&Aではそのあたりに質問が集まった。
 セミナーで行われた主要な質疑応答は以下のとおりだ。

Squareセミナー

Q 米国では『Business In A Box』として、リーダーだけではなく、iPadのスタンドやレジスターやドロワーなどのキットが販売されているが、このような周辺機器について日本の導入もあるのか?

A コマースをカンタンにするアプリやリーダーの提供だけでなく、将来的にはスタンド全体をお店のオーナーさんは臨むのではないかと思います。米国では先駆けて、箱ごとセットアップできる『Business In A Box』を300ドル前後で販売しています。すでに日本でも販売できる準備体制には入ってきており、一部、機器をそろえるのに時間は掛かりましたが、代理店もそろえましたので、日本でも展開できます。

Q 1店舗で複数の端末を使ったり、商品データのインポート、販売データのエクスポートがしたい。APIの公開などはあるか?

A ほとんどのユーザーさんが1端末、ひとつのレジで使っています。確かに北米でもひとつの店舗で従業員の数が5人、5台置いていただいて、それで読み込んでいます。それはソリューションではないので、ロードマップ的には次のリリースの中には複数店舗、店内で端末が複数台あった場合に情報が全部集計され、管理できるような仕組みは出ています。いつ出るかは発表させていただいていません。

 データのエクスポートは、PCのダッシュボードでほとんどの売り上げデータは出せ、CSVファイルなので加工もできます。商品の取り込みはニーズやリクエストが非常に多いので、今後対応していく予定。APIの公開になるのか、バーコードスキャナーで取り込むなどやり方はあると思いますが、改善の余地を考えています。

Q 導入する側は知識があるが、実際にiPhoneに自分のクレジットカードをとおすのは利用者側は恐怖心があると思う。米国の利用者の恐怖心をどう取り除いたか?

A 米国と日本市場は非常に比較しづらいところがあります。米国はカードになじみがあるのであまり違和感がないという前提があり、またローンチ前の段階でジャック・ドーシー自体がTwitterを抜けていない状態で新しい決済ビジネスに挑んでいるという話が広がっていた。日本に関してはクレジットカードの普及は多いものの、利用率はまだ低いので弊社としてはポテンシャルはあるとみています。

 使う違和感に関しては、ブランドとして安心して頂く必要性があると感じています。Square自体は決済業界の中では、創業から3、4年と若いほうです。ただ米国のパートナーシップを見ていただければ、VISAからの出資、JCBの支援を受けてやってきました。日本でも同じようなかたちで、不安や恐怖心を取り除くために、信頼あるパートナーさんと組むミッションがあり、最終的には三井住友カードとアライアンスを組むということになりました。Squareのブランドだけでなく、いっしょにビジネスを展開していくパートナーに頼るところはあります。

Squareセミナー

Q 女性はカードを持っていても、あまり使わない。使ってもらう具体的な策を教えてほしい。

A まだ発表していないパートナーシップもいくつかあります。加盟店のほうに利便性が高いシステムはこのビジネスの半分です。もう半分は今までカードを使わなかった、カードホルダーさんにカードを使えるような環境を整える必要があります。カード会社と今後キャンペーンや女性向けサービスなどとも利用促進を図っていくことを考えたい。

 また米国ではスターバックスがある意味アライアンスです。日常生活の中にあるお店で使っていただけるのは安心感が増す。日本はスターバックスさんかはわかりませんが、日本でも同じようなかたちで日本人が愛用する安心できるブランドがあるので、そういった企業と交渉を進めながら、ぜひSquareのシステムを活用していただいて、お店のお客様に女性が多いようなところを考えながら促進していって、日常生活の中でも違和感なくカードが使えるようにしていきたい。

Q 地元のスーパーなどポイントを集めているので、うまく連携の検討をしてほしい。

A そこは米国との大きな違い。米国でもロイヤリティプログラムは昔からありますが、いまSquareで対応させていただいている機能は来店頻度を計算して、来店が10回になったら次の会計が無料になったり、10%引きなどの設定ができます。日本市場はポイントシステムが非常に進化しています。各社、クレジットカード自身もポイントがあります。ポイントがためられるようなもの、将来的にはポイントも現金のように使えるようにするのは、Squareだけでなく業界全体が望んでいる進展だと思います。我々も色々な業者さんとシステム開発には何が必要なのか、検証をしていただいています。

Q 白くてシンプルな本体だが、ペイントしても良いのか?

A 白でまとめているのはデザイン性を重視しているからです。簡単で目につくので白としています。米国ではプロトタイプとしてブランドに合わせた色のリーダーは存在しています。ただ大量につくるビジネスモデルは弊社にはありません。これだけ注目を浴びることができましたが、まだ創業3、4年なのでパートナーごとに細かいデザインを変えるまでにはいたっていません。クライアントからこういうデザインがほしいという声はあがってきています。(ペイントは)NGではないです。

Q ネットワークの通信障害があった場合は使えないのか?

A 日本では非常にバックボーンが優れています。米国ではLTEや4Gはまだ普及し切れていない環境の中で、Squareはここまで普及することができました。ただシステムダウンというのは、ありえることだと思います。現状キャリアのネットワーク以外に、WiFiをとおしてやる方法があります。ネットワークがつながらない状態でも決済できるようにする手段は持っていますが、ビジネス的な話になってしまいますが、オフラインで使わせるのは色々とリスクを伴いますので、それを本当にやるべきかという経営判断には至っていません。

Q 情報漏洩、不正利用などについては?

A 基本的には、完全に把握はできていませんが、Squareの端末を使って頂いた場合、情報の管理は弊社の管轄になります。基本的にはセキュリティー基準には準拠しています。端末自身にはカード番号、個人情報はいっさい残らないように開発をしています。それなりの情報を取り扱っておりますので、VISAやMasterCardといったブランド、三井住友カードのセキュリティーの基準を満たしたシステムを構築しています。加盟店さんのほうはこのシステムで問題は発生しないはずです。不正利用は、保険だったり加盟店さんに影響が出ないようにしています。モバイル決済だからと、今までのルールが変わることはありません。

Q 毎日の売り上げデータをエクスポートするのはめんどう。システム間連携はできないのか?

A バックエンドで集計されるデータは、最終的にはトランザクションベースで管理することができます。日時でデータをはきだしたい場合と、まとめて1週間ぶん、といったことがPCの画面上で指定が可能です。現状、小さな加盟店の場合にはマニュアルの作業で十分間に合っているところもあれば、スターバックスのように7000店舗抱えているところはバックエンドでつなげさせていただいてできるところもあります。

Q 他社のリーダーから乗り換えを検討している。日本向けのキャンペーン、店舗に向けてメリットがあることは?

A 基本的には業界のなかで先行している業者さんのリーダーとハードウェアを差し込むと言うところまでは似ています。それ以外の部分、報告周りの機能、データの分析機能は他社ではあまり強化されていません。ましてやセキュリティーは最先端のものを使っております。モバイルの端末ID、ジオロケーション、カードが使われた日時もすべて把握しております。使う側も使われた側も非常に安心して利用できます。

 いちばん重要なのは加盟店自身のメリット、リーダーを980円でアップルストアにて販売させていただいています。購入していただき、サインオンしていただいたお客様にはボーナスで1000円バックしておりますので、負担はありません。あとは手数料、業界のなかでは3%後半~4%台が多く、Squareは3.25%です。モバイル端末機器の中ではいちばん安い利率で提供させていただいております。価格の中では通信費用をのぞき、月額コスト、カードリーダーのコストなどを合算したとき、ワンプライス3.25%だけです。

 あとは銀行によっては本日の売り上げが翌営業日には振り込まれます。これは非常に画期的です。スモールビジネスですと、2週間に1回の振り込みか月に1回しか振り込まれませんので、現金(決済)を望んでしまうのはわかりやすいです。現金がなければ商材も買えませんし、モノも売れません。Squareではこれをできるだけ、マーチャントの味方になるため、対応銀行に関しては翌日振り込みさせていただく。ここが非常に大きなところだと思います。

■関連サイト
Square
アップルストア銀座

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