鉄道好きやシミュレーター好きの、私のような人にオススメしたいのが、アイマジックのWindows用ソフト『鉄道模型シミュレーター』シリーズ!
“鉄道シミュレーター”と言うと『A列車で行こう』を思い出す人が多そうですが、あちらは路線に列車を走らせて街を発展させる都市計画シミュレーションゲーム。『鉄道模型シミュレーター』は、線路を敷いて、純粋に列車を運転することに特化したシミュレーターソフトなんです。
『鉄道模型シミュレーター』は、現在Ver5シリーズが発売中。パッケージ数はなんと13個あり、各パッケージに6種類前後の列車が収録されています。なんでもかんでも、ではなく、自分好みの列車をピックアップして買うスタイルですね。これから始めるなら『「0+」スターターパッケージ』もしくは『第6号 サンダーバード、基本セット2』や『第9A号 新基本パーツ多数収録』あたりがオススメです。
■車輌のモデリングが超リアルで大興奮!!
鉄道好きがこだわるのは、なんといっても車輌のディテール。『鉄道模型シミュレーター』は、新幹線や特急列車、通勤列車、寝台特急、蒸気機関車など多くの車両を本格的に再現してくれています。なかでも形状が複雑で車体にパイプの配線が多い蒸気機関車などは、3Dモデリングでの再現が難しいものの筆頭なんですが……
C57型蒸気機関車の側面ディテールもこの通り(是非、画像をクリックで拡大表示を)! 動輪はやや3D特有の角のある形状ですが、ボイラーに配線されたパイプも省略することなくモデリング。なんと、実物の図面からモデルを制作しているとのこと。
■フル編成の寝台特急が再現できてしまう
鉄道模型は、実物と同じ編成の列車を再現して走らせることが楽しいわけです。多くの鉄道系シミュレーターでは、ゲーム性を重視するためにこの部分が省略されがちですが、1編成で最大40輌まで組むことができるため、新幹線のフル編成や長編成の貨物列車など、マニアックな列車編成すら再現できます。
例えば『鉄道模型シミュレーター5第6号』に収録されている20系寝台特急を使えば、1958年に登場した日本最初のブルートレイン『あさかぜ』の15輌編成をそのまま再現することもできるんですよ! ちなみに『鉄道模型シミュレーター5第5号』には、『北斗星』や『カシオペア』など人気の列車をフル編成で組むことができる車輌が収録されています。
■マニアックな列車もコレクションできる
また、蒸気機関車のD51や寝台電車の583系などは、車輌だけ単体のアドオンパッケージとして購入できます。また、日本の電車だけではなく、ドイツ鉄道の振り子式超高速列車『ICE-T 411』など外国型や森林鉄道の機関車『酒井A型5t機』なども購入可能です。
D51が直販価格2900円、583系が3400円と、ソフトウェアのアドオンパッケージとしてはやや高価ですが、実際の鉄道模型なら1万円~2万円前後しますし、このモデリングの出来の良さからすれば納得できる価格です。
■広大で複雑なジオラマを自由に動かせる幸福
一般的に普及している鉄道模型Nゲージを使って1周する線路プランだけでも、最小で事務机ほどの広さ、標準的にはタタミ一畳ほどが必要です。しかも線路を複雑にすればするほど、それだけ広いスペースが必要となってくるというもの。
しかし、『鉄道模型シミュレーター』のPC内の仮想空間であれば最大20メーター四方の広いスペースが作れます。最初に広さを自分で設定できます。立体交差や待避線のある駅、複数の列車が留置できるヤード線など様々なものが作れます。
また、線路のカーブ半径や長さなどの規格はアイマジック独自のものと、鉄道模型メーカー『TOMIX』の販売する線路の規格に準じたものがあるため、実際に鉄道模型のジオラマを組むときの設計用ツールとしても使うことができます。
また、手持ちのパーツであれば、同じ種類を何個でも自由に使うことができるので、線路を増やしてもその分の予算は不要です。ただし、線路の種類を増やすためには、車輌と同じように複数のパッケージの購入が必要です。
■製作したジオラマ列車を自由に運転!
制作したジオラマに設置した車輌は自分で運転できます。複数の列車がある場合には、他の列車を自動運転にしておくこともできるので、運転しながら他の列車とすれ違ったり、待避線で列車をやり過ごしたりといった遊び方も可能です。既に引退した東海道山陽新幹線の0系をジオラマの中だけでも復活させて運転する……なんてこともできるんです。
さらにジオラマの任意の場所にカメラを設置できるので、自分の作ったジオラマに列車を走らせながらゆっくりと眺めることもできます。
YouTubeでは、ユーザーさんが撮影した動画をチェックできますよ。
↑鉄道模型シミュレーターでここまで複雑な地形が作れて、しかも車内アナウンスや駅の停車まで自動でできるのかと驚かされる動画です。
↑情景の出来の良さもさることながら、本物でありそうな微妙な手ブレを再現しているなど、カメラワークが非常にかっこいい動画です。
↑国鉄型ディーゼル機関車『DE10』がチョコチョコと行ったり来たりして駅構内で入れ替えをする様子が面白いです。なぜかターンテーブルに乗ったり、客車を徐行で連結する動きがリアルで必見。
↑1970年代どこかの駅のホームから上野駅に出入りする列車の1日を追ったもの。今はもう廃止になった20系の寝台特急『北星』や新幹線に代替わりする前の『やまびこ』など昔の列車が多く登場。ヘッドマークがきちんと再現さているのがナイス。
使用するパーツ点数にも依存しますが、DirectX 9.0cに対応していれば、ノートPCの内蔵グラフィック(例えば『Intel HD Graphics 4000』など)でも十分に楽しめるソフトです。実際にCore i7-3517U(1.9GHz)搭載の『IdeaPad Yoga 13(21912BJ)』で試してみたところ、サンプル用のマップで常に秒間28コマ前後フレームレートを出すことができました。普通のテレビや動きの激しいゲームでは秒間30コマないとコマ落ちしているように見えますが、本ソフトでは秒間28コマ前後でも列車がスムーズに動いて見えます。
『鉄道模型シミュレーター』は、あくまでシミュレーターですので、ゲームのようにエンディングや目標はありません。鉄道模型を楽しむように、くつろぎの時間にゆっくりと自分のジオラマを作り込むソフトです。「鉄道模型をやりたいけど、お金も場所もないなぁ……」という方にぜひオススメです。
オンラインバージョンもあり、ユーザー登録することで体験版の試用も可能です。操作にやや癖があるので、オンラインバージョンで操作を覚えてから、でもいいと思いますよ。
必要スペック
対応OS : Windows8/7/VISTA(各32/64bit対応)、Windows XP 32bit
CPU : Intel Core2シリーズ以上
メモリー : 1GB以上
グラフィック : DirectX 9.0c以上の3Dグラフィック(Shader Model 3.0以上で影などを表示)
サウンド : 音源必須(3D対応音源)
※週刊アスキー5月21日号(929号)、特集『リアルのりものマップ7』では、飛行機や電車の現在位置を、ほぼリアルタイムで示す最新マップや、無料で月探査できるマップ、鉄道シミュレーターなどを紹介しています。ぜひそちらもお楽しみください。
■関連サイト
アイマジック 鉄道模型シミュレーター
アイマジック 鉄道模型シミュレーターオンライン版
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