アドビシステムズが、写真編集ソフトの次期バージョン『Lightroom 5』、パブリックベータ版(無料で60日間使用可)を公開した。1年ぶりのバージョンアップとなり、撮影した写真のゴミなどを取り除き、より美しく現像したいといったプロユースのみならず、ちょっと失敗した写真を簡単・きれいに修復できる機能が追加されている。
新機能をいくつか紹介しよう。
■進化した‟スポット修正”
↑スラッシュキーを押すと、もってくる背景の位置を自由に決められる。 |
人物写真のシミやシワ、傷痕などを自然なカタチで修正したり、偶然風景に入り込んでしまった余計な物体を消す際などに使われる‟スポット修正”機能だが、以前は円形でしか選択できなかったエリア指定が、物のカタチに沿ってとれるようになった。
↑現像メニューからスポット修正のボタンを選ぶと“スポットを可視化”のチェックボックスが出現。レンズのホコリやゴミなどを簡単に取り除ける。 |
また、“スポットを可視化”にチェックを入れるとモノクロ2階調で表示され、目視しにくいホコリなどを浮き立たせて表示。これにより、写真のゴミを取り除く作業が格段にしやすくなっている。
■被写体のゆがみを瞬時に補正
↑斜めになってしまったバーを、違和感なく補正できる。 |
レンズのゆがみや構図のとりかたで被写体が斜めになってしまった写真を、ワンボタンで真っ直ぐ補正できるようになった。写真として自然なカタチで補正に導く“自動補正”、水平補正をかける“レベル”、垂直補正をかける“垂直方向”、垂直・水平を強引に合わせる“フル”、かけた補正をいったん取り除く“オフ”の5つボタンを搭載した。もちろん、以前からある“レンズ補正”も残されているので、より細かい調整も可能だ。
■光量の位置を調整できる
↑任意の場所を中心として、周辺を暗く落としたり、明るく飛ばしたりできる。 |
任意の場所を中心として周辺の光量を調節できる機能は現バージョンでも存在していたが、写真の端に向かって光量を落とすため、際立たせたい被写体が中央に写っていないとあまり意味のない機能だった。Lightroom 5では中心とする場所を自分で指定でき、その周辺の光量を変えられるようになっている。人物のまわりに色が多く、悪目立ちしているような場合は、人物を中心として周辺の光量を落とすことで、視点を人物に集めるといった効果が期待できる。
■外部ストレージを外した状態でも現像処理が可能に
↑“スマートプレビューを生成”機能があれば常に外付けのストレージを持ち運ばなくてもいい。 |
撮影した写真をいったん外付けのHDDやSSDに保存し、現像時に読み込んで作業するというユーザーは非常に多い。外部ストレージを外してしまうと、サムネイルだけPCに残った状態になって現像作業ができなかったのだが、今後は“スマートプレビューを生成”しておくことで、外付けストレージを外しても(オリジナル画像がPCにない状態でも)、モバイルでの現像処理が可能になる。スマートプレビューで現像作業したデータは、再度外部ストレージを接続した際に反映される仕組みだ。
■細かいユーザーの要望を反映
そのほか、Fキーで全画面表示の切り替えができたり、スライドショー作成時に動画も差し込めるようになるなど、ユーザーからの細かい要望を反映しているとのこと。
また、Lightroom 5ベータ版公開を記念し、Twitterの連動プレゼントキャンペーンを開始。公式アカウント @AdobeCS_jp をフォローし、ハッシュタグ“#LR5beta”と短縮URL“http://adobe.ly/LR5bjp”を入れ、触ってみて感じた5のイチ推し機能をツイートした人の中から、抽選で5名に新製品版(パッケージ版)がもらえるとのこと。応募期間は2013年6月30日(日)23:59まで。
製品版の発売日は価格等も含め未定だが、ベータ版の使用期限が6月末ということを考えると、製品版の発売もそのあたりを予想していいだろう。パブリックベータ版は無料でダウンロードできるため、気になるユーザーは試してみよう。
■関連サイト
Adobe Photoshop Lightroom 5 パブリックベータ版DLページ
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