Apple製品といえば、米国や韓国、台湾などで部品を調達し、中国で組み立てられている、というイメージを持っている人も多いだろう。特に中国の組み立て工場については、作業員の労働環境に関するニュースなどで耳にした人も多いはずだ。ところで、実は日本も、部品の調達先として相当なシェアを持っていることをご存じだろうか?
(C) David M. Barreda |
■国内だけで約40社150拠点
Appleは自社製品に使用している部品・部材の調達先を、「サプライヤーリスト」として公開している。このリストには、世界の200社、約800カ所の拠点が記載されている。このうち、日本国内に本社や生産拠点を持つ企業(=サプライヤー)は約40社にのぼる。つまり、アップルサプライヤーの実に20%近くが日本企業ということだ。
■なぜ日本企業が利用されるのか
このリストの中には、シャープやパナソニック、ソニー、東芝といった日本を代表する大手から、一般ユーザーにはなじみの薄い企業までさまざま。どのサプライヤーがどんな部品を、どれだけ供給しているのかといった情報までは明らかにされていないが、重要なパーツの生産を任されている企業も少なくない。
内蔵ストレージなどの半製品をはじめ、半導体製品、ケーブル、コネクター類といった細かなパーツ、製品の外装に用いられる部材まで、実にさまざまな国産製品がMacやiOSデバイス、周辺機器などに使用されているのだ。外装材の例としては、iPodシリーズの鏡面仕上げのステンレスケースが以前話題となった。このステンレスを研磨していたのが新潟県燕市にある工場で、金属の表面を歪みなくピカピカに磨き上げる職人の技術が生かされている。
■サプライヤーを知るメリット
一般ユーザーが、こうしたパーツ類の出どころを意識することはあまりないだろう。しかし実は、これらは意外と侮れない情報なのだ。アップルは基本的に、同じパーツでも複数のサプライヤーから調達している。例えば内蔵ハードディスクでも、同一スペックの製品を複数の企業から購入して、同じ型番のモデルに搭載している。ところが、カタログスペックは同じでも、実際の性能では製造元によって差が出ることがあるのだ。
機種によっては、こうしたサプライヤーの違いによる「当たり外れ」が話題になることもある。もちろん実際には、パーツの製造元まで指定してマシンを購入することはできない。しかし、特定サプライヤーの部品を搭載したモデルのみに不具合が見つかり、修理対象となるケースもある。マシントラブルの原因を特定する手段のひとつとして有効な情報なのだ。
国内のサプライヤーについての詳細は、MacPeople5月号(3月29日発売)の第2特集「アップルを支える日本のサプライヤー企業」で確認してほしい。過去の実績や実機を分解した結果から、各サプライヤーがどんなパーツをアップルに供給しているかがつかめるはずだ。
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