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iTunes Storeで週末に観たい映画「感動するスポーツ映画」編|Mac

2013年03月09日 20時00分更新

 MacPeople編集部がお勧めする、iTunesで購入/レンタルできる映画を紹介。今週のテーマは「スポーツ」。iTunes Storeには「スポーツ」というジャンルはないので、どこまでをスポーツとするのか、スポーツと映画をどうつなげるのかは各編集者の自由。スポ根あり、ドキュメンタリーありとバラエティーに富んだセレクトになりました。

ザ・ハリケーン(字幕版)
iTunesMovie2

 まず、iTunesの検索欄に「スポーツ」と入力してみた。しかし、リストアップされたのは「マキタスポーツの上京物語」のみ。マキタスポーツは、最近はテレビでもちらほら見かけるお笑い芸人。コード進行はバッハのカノンが元になっている、翼や奇跡、扉などの歌詞が使われているなど「ヒット曲の法則」をバラエティー番組などで披露することでも有名だ。スポーツつながりといえないこともないが、これは視聴候補から除外。あと頭に思い浮かぶのは、綾瀬はるか主演の「おっぱいバレー」のみ。しかし、残念ながらこの作品はiTunes Storeでレンタルできなかった。っで、たどり着いたのが「ザ・ハリケーン」。

 この映画は「ルービン・カーター事件」という実話が元になっている。1963年にプロボクシングの世界ミドル級チャンピオンだったエミール・グリフィスを倒した、ルービン・”ハリケーン”・カーターの物語。黒人差別が渦巻く街で冤罪によって合計30年間も刑務所での生活を余儀なくされ、最後に無罪判決を勝ち取るというストーリーだ。ルービン・・カーター役のデンゼル・ワシントンの演技は言うまでもなく、カーターを支援する友人となるレズラ・マーティン役の黒人俳優の表情が、ものすごくピュアで誠実だったので、いっそう物語に引き込まれた。よくぞ配役したという感じだ。

 見終わって感じたのは、信じることの大切さと信頼できる友人の存在の大きさ。ベタな感想ですみません。将来に絶望した人間にとっては、救いの手すらも心が折れる原因になってしまうのかと、やりきれない気持ちにもなった。また一方で、どういう境遇にあっても自分の意見をきちんと通さないと道は開けないもんだと。人や組織の評価はどうであれ、自分の信念に基づいて行動することの大切さを改めて気づかされた。ちなみに、主人公は刑務所に入ってるシーンが多く、薄明かりのなかでほとんど動きません(笑)。これはこれで演技が大変だなと。


 さて、先週紹介した「桐島、部活やめるってよ」は、日本アカデミー賞で作品賞と監督賞を含む三部門を受賞しました。おめでとうごさいます!!(よしだ

ザ・ハリケーン(字幕版)」をiTunes Storeで観る
(HD版レンタル:500円、SD版レンタル:400円)

マキタスポーツの上京物語」をiTunes Storeで観る
(SD版レンタル:200円、SD版購入:1500円)

桐島、部活やめるってよ」をiTunes Storeで見る
(HD版レンタル:500円、SD版レンタル:400円)

127時間(字幕版)
iTunesMovie2

 趣味のロッククライミング中に落石に右腕を挟まれ、巨岩の割れ目で身動きが取れなくなった青年があの手この手で脱出を試みる5日間、127時間を描いています。ほとんど誰も通らない大自然に、ほとんど動けない主人公という組み合わせなので、おのずと映像はほとんど主人公のみ。「それで本当におもしろいの?」と思われるかもしれませんが、ちゃんとおもしろかったです。

 いかにも感動系ではないですし、奇跡の脱出劇というのともひと味違います。ドラマティックな演出なしに、残り少ない水と限られた道具でどうやって助かるか、冷静に知恵を絞る姿がリアルです。

 シチュエーションはだいぶ違いますけど、仕事などで「やばい!」と青ざめたとき、最初は焦って慌て、次にむしろ頭が冴えてきて「考えろ……!」となるときの感じに似てるなぁって。まあ、そこまでやばいことになる前に対処できないのが悪いんですけど。

 実はこの映画、実話がベース。文章で結末を読んでしまうと「いかにもありそうな壮絶な話」に思えるかもしれません。そして「きっとこんな風に描くんだろう」と想像がつくと思います。が、実際の映像は想像以上に静かで淡々としており、とても趣味のいいものでした。特に音が印象的です。最終的にどのように脱出したかはもちろん、極限状態の人間の精神の推移を、ぜひ観てください(山口)。

127時間(字幕版)」をiTunes Storeで観る
(HD版:2000円、SD版:1500円)

ローラーガールズ・ダイアリー(字幕版)
iTunesMovie2

 タイトルやジャケットだけを見て、どうせ女子向けのおしゃれ映画でしょ、なんて侮ってはいけません。本作はローラーゲームをテーマにした、れっきとしたスポ根映画です!

 女同士がぶつかる、殴る、蹴る、ときには血をたらしてまで戦う試合シーンは、男性の殴り合いとは違う、見てはいけないものを見てしまったような不思議な爽快感を味わえます。

 また、主役である女子高生のブリスが入団する「ハール・スカウツ」の仲間たちがとってもいいんです。シングルマザーのマギー、「ブラディー」(血まみれ)のチームネームを持つホリー、Mっ気のある婚約者を持つ暴力女スマッシュなど、30歳そこそこと決して若くはないお姉様たちの乱闘シーンを見ていると、いくつになってもこんなに自由気ままに生きていけたら、と元気をもらえます。

 この映画には、年頃の女の子のロマンスや友情、家族との絆といった要素もありますが、やっぱりハール・スカウツのみんながリンクや打ち上げなどで暴れ回っているシーンが最高! 音楽もかっこよく、「アメリカン・グラフィティ」「ロックンロール・ハイスクール」
「ワンダラーズ」といった音楽×青春ムービーが好きな方なら、絶対に気に入ってもらえると思います(藤村)。

ローラーガールズ・ダイアリー(字幕版)」をiTunes Storeで観る
(HD版レンタル:500円、SD版レンタル:400円)

ザ・ファイター(字幕版)
iTunesMovie2

 スポーツ映画は単純だ。基本的に「栄光と挫折」か「努力と勝利」の2パターンしかないからだ(ドキュメンタリーは別だが)。だが単純ゆえに、役者や監督の腕がもろに出る。そういう意味では、本作はアカデミー賞の助演男優賞を獲ったクリスチャン・ベール(通称:チャンベール)の突出した演技力を十分に堪能できる1本だ。

 最近のチャンベールは、「バットマン」シリーズや「ターミネーター4」の主人公など、生真面目な役柄を演じることが多い。その彼が、本作ではヘラヘラしたジャンキー野郎を演じている。マーク・ウォルバーグが演じる主人公の兄という役どころなのだが、僕らが知っているチャンベールのイメージは一切ない。まさに怪演と言うべき別人ぶりなのだ。

 エンディングで、チャンベールが演じた人物の「本人」が登場する。それを見たら、誰もが度肝を抜かれるはずだ。容姿はあまり似ていない。だが、仕草、雰囲気、しゃべり方はほとんどコピーと言えるくらい似ている。いや似ているというレベルではない。恐いくらいにそのままなのである。やや淡泊すぎるきらいもあるが、ストーリーはテンポよく進むし、「努力と勝利」の黄金パターンなので最後まで楽しめる。が、僕にはエンディングの実録映像が一番衝撃的だった。しかも、それは本編を見てからしか味わえないサプライズなのだ。マジやられた感あり(諸富)

ザ・ファイター(字幕版)」をiTunes Storeで観る
(HD版レンタル:500円、SD版レンタル:400円)

グラン・ブルー完全版 -デジタル・レストア・バージョン-(字幕版)
iTunesMovie2

 1988年公開のダイビング映画。2010年に角川映画配給で公開されたのが、このデジタルバージョンだ。

“息詰まる展開”というのがピッタリの、観ているだけで酸欠になりそうな作品。まず、出だしで主人公ジャック・マイヨールの父親が潜水事故に遭うのだが、どんどん沈んで水中に空気がガバガバ出てくるあたりで、こっちも苦しい。YouTubeでダイバーが海底に沈んでしまう有名な事故動画を観たことがあるだろうか(外部リンク)? これに通ずる怖さ。

 で、成長したジャックが、アンデスで氷湖に穴あけて沈んだ車の調査をするんだけど、異常にシーンが長くて苦しい。しかも海面に上がってくると表面に氷が張ってるから、すぐに空気を吸うことができない演出つき。

 その後、幼なじみのエンゾとフリーダイビングで競い合うのだが、この競技はどんだけ深く潜れるかという恐怖のスポーツで、錘をつかんで海底に一直線で消えていく。帰りは酸素バルーンにつかまって戻れるんだけど、後半はみんな記録に挑戦するから途中で息が尽きて、ジャックとエンゾ以外、ダイバーに抱えられて水面に戻される展開に。こんな調子で2時間48分、もう全編通して酸欠状態を擬似体験できる名作だ。

 息が続かない映画が大好きなので、VHS時代からBDまで何回買ったか覚えてないくらい観ている。ちなみに、そのほかの思い出に残る息苦しい映画は……。

エイリアン4iTunes Storeで観る
別の場所に行くため、水没したかなりの区間を息止めて一行が泳ぐシーン。うしろからエイリアンが追っかけてきたときの、息ガバ出し具合だけで500円くらいの価値があった。しかもたどり着いたらエイリアンが膜張ってて、全員水面に出られないサービスっぷりもうれしい。

アビス
海底油田が舞台だから全編的に苦しいが、海溝に潜るため酸素を溶かした液体を肺に入れるところは、死んだほうがよくない? というくらい格別だ。全身が痙攣する演技、またそれを大量に吐き出すシーンも併せて堪能したい。

ライジング・サン
「ジュラシック・パーク」のマイケル・クライトン原作の映画で、ショーン・コネリーが主演。首絞めながらナニかすると倍付けで気持ちいいみたい。

 そんな好きなら自分で息ガバしてみれば? という意見もあろうかと、エンゾが劇中で着けている時計(シチズン プロマスター アクアランド MARINE、監督のリュック・ベッソン私物)を買って素潜りしたことがある。この時計、深度がわかるんだけど、息の限界まで潜って海面を見上げたとき、7mあって、「あれ、これダメじゃね?」って諦めかけたことがある。やっぱり、映画で擬似体験あたりがよいようです(三宅)。

グラン・ブルー完全版 -デジタル・レストア・バージョン-(字幕版)」をiTunes Storeで観る
(HD版レンタル:300円、SD版レンタル:200円)

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