CeBITでは、PCの自作系とスマホ関連グッズもいくつか展示されていました。今回は握力充電バッテリーなど、ちょっと気になったグッズをご紹介します。
見た目はほとんどSurface Proそのものの、8タブレットPC
中国のHKCという液晶ディスプレーやタブレットのOEM業者が、新型のWindows8タブレットPC『HR116』を展示していました。
形状を見ると、どうもどこかで見たような雰囲気がそこはかとなく感じられます。直線的なデザインで、側面は斜めに切り取られていて、背面にはパタパタと開閉できる板状のスタンドを用意。
そう、Microsoftの『Surface』ソックリなのです。正確にはRT機ではなくWindows8タブレットなので、『Surface Pro』ソックリと言ったほうが正しいでしょう。どちらにしても、見た目は同じと言っていいほど似ています。
↑中国HKCの8タブレット『HR116』。正面から見ると普通の8タブレットのようですが……。 |
↑背面には、どこかで見たようなスタンドが用意されていて、自立できるようになっています。 |
↑後ろから見た様子。あのWindows8タブレットそのものといった雰囲気です。 |
↑スタンド部は開閉可能。閉じるとこのような感じになります。 |
↑スタンドを開けた内部には、このような表記が。これも、どこかで見たことがあるような……。 |
性能的にも『Surface Pro』にかなりソックリ。CPUはCore i3またはCore i5が搭載でき、メモリーは最大4GB、SSDは最大128GB搭載可能。
ただ、違う部分もいくつかあります。本家Surface Proは10.1インチのフルHD解像度液晶を搭載しますが、『HR116』は11.6インチと本家よりも大型。ただし、解像度は1366×768ドットと低くなっています。
3G機能も搭載可能なようで、本体にはSIMカードスロットも用意されていました。側面には、USB2.0ポートが2個と、マイクロHDMI出力も用意されます。
↑側面は本家Surface同様に斜めに切り取られています。左側面にはボリュームボタンが。 |
↑右側面には、USB2.0×2、マイクロHDMI、イヤホン、マイクジャックと電源コネクター。電源コネクターは一般的な丸形。 |
↑上部側面には電源ボタンとマイクロSDカードスロット、SIMカードスロットがあります。 |
ただし、本体は樹脂製のようで、手に持ってみてもややペコペコとした感触もあって、品質的には本家にかなり劣っています。
下部側面には何らかの接続端子のようなものが用意されていますが、説明員に聞いても、それが何なのわからないという返答しか帰ってきません。
右側面にACアダプターを接続するコネクターがあったので、充電用とは思えませんし、キーボードが取り付けられるということでもなさそうです。
ちなみに、展示機材は電源が入らず、ブースに置いてあった説明のポップも手書きと、何から何まで非常に怪しげ。発売時期や価格は未定だそうです。
↑下部側面の中央付近には接点らしき端子が5個見えます。しかし、説明員もに聞いても用途は不明。 |
↑仕様が書かれたポップはなんと手書きでした。とにかく怪しさ満点です。 |
SilverstoneのファンレスNUCケース
アルミ素材のPCケースでおなじみのSilverstoneは、インテルの超小型PCプラットフォーム『NUC(Next Unit of Computin)』に対応する超小型ケース『PT14』を展示。
PT14の特徴は、なんといってもNUCマザーボードのファンレス運用に対応しているという点。ケースには、CPUとチップセットの発熱をケースに伝えるヒートパイプが取り付けられており、ケースの外面はヒートシンクのような形状。
これにより、ファンレスでも安定した運用が可能としています。しかも、サイズは106(W)×122(D)×37(H)ミリと、IntelのNUCキットに付属するケースよりもコンパクトとなっています。
↑SilverstoneのNUC対応ケース『PT14』。Intel純正NUCキットのケースよりもコンパクト。 |
↑ケースには、ヒートシンクのような細かなヒダがあり、これでCPUの熱を放出し、ファンレス運用を可能としています。 |
↑CPUやチップセットの熱は、ヒートパイプでケース本体に逃がすようになっています。 |
ただ、実際にファンレス運用する場合には、ケースの温度が60度以上になるそうです。説明員によると、それでも動作には全く問題がないそうですが、さすがに触ると熱いので、液晶の背面などの手の届かないところに置いて使うほうがいいと言っていました。
ちなみに、PT14には60ミリの薄型ファンも搭載されているので、温度が気になるならファンを動作させればいい、ということのようです。
↑実は60ミリファンも搭載。もちろん、ファンレスでも動作は問題ないようですが、ケースの温度が60度を超えるようなので動作させてもオーケー。 |
対応するマザーボードは、ギガビットイーサネット搭載の『BLKD33217GKE』となっています。バックパネルはケース側面と一体型で交換できないため、Thunderbolt搭載の『BLKD33217CK』は利用できません。こちらは、対応版の登場待ちになりそうです。
販売価格はまだ未定のようですが、今月末から来月上旬に発売する予定で、日本でも発売されるそうです。
↑バックパネル部は交換不可なので、ギガビットイーサネット搭載の『BLKD33217GKE』にのみに対応。 |
Silverstoneブースには、Mini-ITX仕様の新型ケースも2製品展示されていました。
ひとつは、超薄型のMini-ITXケース『PT13』。186(W)×181(D)×42.5(H)ミリと、Mini-ITXケースとしては極限に近い薄さ。
ただし、利用できるマザーボードはバックパネルの高さの低い、“Thin Mini-ITX”規格に対応するもののみ。また、ドライブベイも2.5インチシャドウベイがひとつのみで、電源は搭載できないため、ACアダプター駆動対応マザーボードの利用が必須となります。
本体は縦置き、横置きどちらにも対応し、VESAマウント規格に対応するマウンターも付属します。
↑Thin Mini-ITXマザーボード対応の超薄型ケース『PT13』。高さ42.5ミリと、Mini-ITXケースとして極限級の薄さ。 |
↑対応するマザーボードは、ACアダプター駆動に対応し、バックパネルの低いThin Mini-ITX仕様準拠のもののみ。 |
↑ドライブベイは2.5インチシャドウベイ×1。 |
↑縦置きや、液晶背面のVESAマウントに取り付けることも可能。 |
もうひとつは、コンパクトながら内部の拡張性に優れるMini-ITXケース『ML05』。前面が鏡のようになっていて、AV機器のような横置きのデザインとなっています。
サイズは350(W)×204(D)×99(H)ミリと、極端に小さいというわけではありませんが、AVラックにも余裕で設置できるサイズで、Mini-ITX仕様のPCケースとしては十分小型の部類でしょう。
小型とはいっても、内部にSFX電源が搭載でき、ロープロファイルの拡張カードスロットも用意されています。また、フルサイズのブラケットも取り付け可能で、追加の接続端子なども取り付けられます。
さらに、ドライブベイは2.5インチシャドウベイ×3、スリム光学ドライブスロット(スロットインタイプに対応)がひとつ用意されています。
スリム光学ドライブを搭載しない場合には、2.5インチドライブを2台、または3.5インチドライブを1台搭載できるそうです。コンパクトなサイズを考えると、拡張性はかなり高いです。
↑横置き型Mini-ITXケース『ML05』。Mini-ITXケースとしては十分小型の部類。AVPCなどに最適なデザイン。 |
↑内部にはSFX電源が内蔵でき、その横には2.5インチシャドウベイを3つ用意。 |
↑マザーボード上部には、スロットインタイプのスリム光学ドライブを搭載可能。CPUクーラーに干渉しなければ、3.5インチHDDも搭載できる。 |
↑小型だが、Low Profileの拡張カードも利用できます。フルサイズのブラケット取り付けスペースがあるのもナイス。 |
容量2TBの2.5インチSSD
Solidata TechnologyというSSDメーカーが、2.5インチサイズで2TBを実現した大容量SSD『K8-1920E』を展示していました。
見た目はごく一般的な2.5インチSSDそのものといった雰囲気ですが、容量は2TBと大容量。SandForce製のコントローラと、Micron製のMLC NANDフラッシュメモリーを採用しているそうです。
ただし、インターフェースはSATA2対応で、データ転送速度もシーケンシャルリード230MB/毎秒、シーケンシャルライト200MB/毎秒、ランダムIOPSもリード最大6000IOPS、ライト最大3500IOPSと、イマドキのSSDとしてはかなり遅いのが残念。価格は4000ドルとかなり高価です。
ちなみに同社のロードマップでは、今年中に2.5インチサイズで4TB(!)とさらに大容量なSSDの製品化を予定しているそうです。ただし、そちらもSATA2ベースになるようです。もちろん価格もかなり高くなるはずで、一般ユーザー向けとは言えないでしょう。
同社ではSATA3対応SSDも製品化しているそうですが、そちらの大容量化も今後検討するそうです。
↑大容量2TBを実現する2.5インチSSD『K8-1920E』。見た目は一般的なSSDそのものですが、容量は圧倒的。 |
↑インターフェースはSATA2で、速度もイマドキのSATA3対応SSDに比べかなり遅くなっているのが残念。 |
↑ロードマップでは、今年中に4TBの2.5インチSSDを製品化するようです。 |
スマホでスイッチをオンオフできる電源タップ
台湾のAhoku Electronicブースでは、ちょっと変わった電源タップが展示されていました。
コネクターはヨーロッパ向けですが、見た目はフツーの電源タップ。しかし、この電源タップにはBluetoothが内蔵され、6個ある電源コネクターのうち4個を、AndroidスマホやiPhoneからオンオフできるようになっています。
専用アプリを起動してBluetoothで電源タップと接続されると、アプリの画面にあるスイッチを操作することで、電源タップにつながっている家電製品の電源を入れたり切ったりできるというわけです。
スマホ側では、接続するコネクターごとに接続している家電製品の名前も登録できるので、間違えることなく電源を入れたり切ったりできます。
↑Bluetooth内蔵でスマホと連携できる電源タップ。AndroidスマホとiPhoneに対応。 |
↑6個あるコネクターのうち、左側の4つがBluetooth経由でオンオフ制御が可能。右の2つは常時供給。 |
説明員は、寝室にいってベッドに入った後にリビングのテレビを切り忘れたときでも、これがあればリビングに行かずにテレビを消せる、と説明していました。
たしかにそういう使い方はできそうですが、主電源ごと落ちてしまいますので、接続する機器はちょっと考える必要がありそうです。
↑AndroidとiPhone用アプリが用意され、画面のスイッチで接続された家電機器の電源をオンオフできる。 |
タップにスイッチが付いたエコ電源タップも多くありますが、この製品はBluetooth接続で利用するために、必然的にタップ自身が待機電力を消費します。
そういった意味では、エコ向きというわけでもなさそうです。とはいえ、ちょっとおもしろいグッズですよね。
展示されていたのはサンプルで、発売時期などは未定。6月のCOMPUTEX TAIPEIでも展示予定なので、今年のCOMPUTEX取材時に再度突撃してみたいです。
握力トレーニングもできるポータブルバッテリー
会場では、スマホ向けのポータブルバッテリーも多数展示されていました。
大容量バッテリーを内蔵するものや、無線LAN内蔵などさまざまな製品がありましたが、その中でも特に異色だったのが、韓国のLightorsの『Lightors Pack』という製品。
2400mAhのバッテリーを内蔵するポータブルバッテリーですが、内蔵バッテリーを手動で充電する機能を備えています。
緊急時用に、ハンドルを回して充電できるグッズはいろいろありますが、この製品は手で握るグリップのようになっていて、ぐいぐい握ることで内蔵バッテリーを充電しながら握力が鍛えられるという、トレーニンググッズとしても活用できるのが特徴です。
グリップの強度は結構強く、1~2分もニギニギしていると筋肉がかなりつらくなります。1回握るごとに、本体のLEDが光るので、充電しているっぽい感じが目で見えるのもおもしろいです。もちろん、自力で充電できるのでエコにも役立ちます。
↑グリップのように握ることで充電が可能なポータブルバッテリー『Lightors Pack』。バッテリー容量は2400mAh。 |
↑ぐいぐいと握ることで、内蔵バッテリーの充電が可能。握るたびに中央部のLEDが点滅します。 |
↑USBポートからは5V1Aの電力が供給されます。一般的なスマホなら問題なく充電できるでしょう。 |
ポータブルバッテリー以外にも、LEDライト、防犯ブザー、蚊などの昆虫を寄せ付けなくする超音波を発生する機能が搭載されています。つまり、1台5役の製品というわけです。
↑LEDライトや防犯ブザーなど、1台5役の優れものです。 |
ちなみに、20分間ニギニギすると、2分ほどの通話が行なえるだけの充電が可能だそうです。なんだか、労力の割にかなり少ない気がします。LEDを光らせているからでしょうか。
係員に、フル充電するにはどれぐらいニギニギすればいいのか聞いてみたところ、「かなり腕が鍛えられるよ(笑)」とごまかされてしまいました。おそらく、1日ニギニギしてもフル充電できないような気がします。
今回サンプルをひとつ購入してみましたので、帰国後に編集部の誰かに試してもらおうと思います!
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