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CeBITでIntel 8シリーズマザーが展示まもなくHaswell登場か

2013年03月06日 14時30分更新

 ドイツのハノーバーで3月5日(現地時間)に始まった、欧州最大の家電見本市『CeBIT』。そのCeBIT展示会場で、一部のマザーボードメーカーが、インテルの次世代Coreプロセッサー『Haswell』に対応するチップセット『Intel 8シリーズチップセット』を搭載するとしたマザーボードを公開しました。Intelは、次世代Core iシリーズ(コードネーム:Haswell)や、Haswell対応チップセットについての発表は行なっていませんので、詳しい仕様などは不明です。しかし、一部マザーボードメーカーでの展示は、すでに販売されているマザーボードと並べて、詳しい仕様表も付けて展示していましたので、そこからIntel 8シリーズチップセットがどういった仕様なのかが透けて見えてきます。

 とはいえ、それが本当にIntel 8シリーズチップセットで実現される機能なのかどうか、また、Intel 8シリーズチップセットという名称や、仕様表に記載されていた型番についても、Intelが正式に発表するまではわかりません。

 今回、Intel 8シリーズ搭載マザーボードを公開したのは、ASRock、BIOSTAR、MSIの3社です。そして、ASRockとBIOSTARは複数のマザーボードを用意していました。そこで、各メーカーが展示していた、Intel 8シリーズチップセット搭載マザーボードを一気に紹介しましょう。

●ASRock

 ASRockは、『Intel Z87チップセット』を搭載するとしたマザーボードを2製品、『Intel H87チップセット』を採用するとしたマザーボードを1製品、合計3製品を展示していました。

 まずひとつめは、『Z87 Extreme6』です。ATX仕様のマザーボードで、“Extreme6”という型番から、ミドルレンジ向けの製品と言っていいでしょう。

Z87 Extreme6
CeBIT2013
↑Intel Z87チップセットを搭載するという『Z87 Extreme6』。ミドルレンジ向けのIntel 8シリーズマザーボードと思われます。
CeBIT2013
↑チップセットにはヒートシンクが取り付けられていませんでした。仕様表を信じれば、これがIntel Z87チップセットということになりますが、はたして。

 CPUソケットは外から見た形状では、LGA1155用と見分けが付きませんでした。ただ、展示されていた製品では、CPUソケット周辺の電源回路部分のヒートシンクが外されていましたので、実際に製品として登場する場合の見た目は、大きく変わることになるはず。電源は16フェーズで、デジタルVRM“DigiPower”を採用しています。

CeBIT2013
↑CPUソケットの見た目はLGA1155とほとんど変わりません。電源フェーズは16フェーズで、デジタルVRMを採用。

 メモリースロットは4本用意されていて、DDR3 1600を最大32GBまで搭載できるようです。ただし、マザーボードには“DDR3 2800+”と印刷されていますので、オーバークロックメモリーにも対応するようです。

CeBIT2013
↑メモリースロットは4本で、DDR3 1600を最大32GBまで搭載可能。横に“DDR3 2800+”と印刷されているので、オーバークロックメモリもいけそう?

 拡張スロットは、PCI Express 3.0 x16が2本、PCI Express 2.0 x16が1本、PCI Express 2.0 x1が1本、PCIが2本用意されています。また、NVIDIA Quad SLI、AMD 3-Way CrossFireにも対応するようです。

CeBIT2013
↑拡張スロットは、特に変わった部分はありません。PCIが2本用意されている点は、喜ぶユーザーが多いかもしれませんね。

 SATAは8ポート用意され、すべてSATA3(6Gbps)に対応するようです。USB3.0はリア4、フロント2の6ポート、USB2.0は8ポート(リア2、フロント6)。そのほかに、ギガビットLANポート、7.1Chオーディオ機能などが搭載されます。また、CPU内蔵グラフィックス機能にも対応し、リアにはDVI、HDMI、DisplayPort、D-Sub15ピンの映像出力端子が用意されています。

CeBIT2013
↑SATAポートは8ポート用意され、すべてSATA3対応とされています。ようやく全ポートSATA3対応となるのでしょうか。
CeBIT2013
↑リアパネルには、DVI、HDMI、DisplayPort、D-Sub15ピンの各映像出力端子、USB3.0×4、USB2.0×2、eSATA、ギガビットLANポート、サウンド出力などが見えます。

 次に、同じくIntel Z87チップセットを搭載する『Z87 Pro4-M』。こちらは、マイクロATX仕様のマザーボードとなっています。電源フェーズ数は6フェーズで、エントリーからミドルレンジ向けの製品と言えるでしょう。対応メモリーや最大容量は、Z87 Extreme6同様、DDR3 1600を最大32GBまで搭載できます。拡張スロットは、PCI Express 3.0 x16を1本、PCI Express 2.0 x4を1本、PCI Express 2.0 x1を2本用意。SATAはSTATA3が6ポートとなります。

Z87 Pro4-M
CeBIT2013
↑マイクロATX仕様のIntel Z87チップセット搭載マザーボード『Z87 Pro4-M』。
CeBIT2013
↑SATAは6ポート用意され、すべてSATA3対応となっています。

 リアパネルには、、DVI、HDMI、D-Sub15ピンの各映像出力端子と、USB3.0×4、USB2.0×2、ギガビットLANポート、サウンド出力などがあります。Z87 Extreme6に比べると、やや端子数が少なくなっています。

CeBIT2013
↑リアパネル。Z87 Extreme6と違い、DisplayPortやeSATAがありません。

 最後に、Intel H87チップセットを搭載するという、『H87 Pro4』です。こちらはATX仕様ですが、奥行きの短い基板を採用しています。こちらも、どちらかというとエントリー向けの製品でしょう。メモリースロットは4本で、Intel Z87チップセット搭載マザーボード同様、DDR3 1600を最大32GBまで搭載できます。

H87 Pro4
CeBIT2013
↑Intel H87チップセットを搭載する『H87 Pro4』。奥行きの短い基板を利用する点が特徴。拡張スロットの種類などからも、エントリー向けと思われます。

 こちらも、6ポートあるSATAはすべてSATA3に対応。また、リアパネルの端子は、Z87 Pro4-Mに近いですが、DVI出力が省かれていますね。

CeBIT2013
↑SATAは6ポートあり、すべてSATA3対応。コネクターは垂直タイプです。
CeBIT2013
↑リアパネルには、HDMI、D-Sub15ピンの各映像出力端子と、USB3.0×4、USB2.0×2、ギガビットLANポート、サウンド出力ほか。

●BIOSTAR

 次にBIOSTARです。BIOSTARは、Intel 8シリーズチップセット搭載マザーボードを5製品展示していました。こちらでは、CPUソケットの形状が『LGA 1150』と記載されていました。HaswellではCPUソケットの形状が変わるというウワサがありますが、どうやらそのようですね。

 展示されていたマザーボードのうち、最上位と思われるのが、『TZ87XE6』という製品です。搭載チップセットは『Z87』とされています。また、展示されていたIntel 8シリーズチップセット搭載マザーボードの中で、唯一Thunderboltポートを備えています。同社のマザーボードで採用されている“Puro Hi-Fi”機能も搭載。形状はATX仕様です。

TZ87XE6
CeBIT2013
↑Z87チップセット搭載の『TZ87XE6』。Thunderboltポートを備え、電源も16フェーズとなってることから、最上位の製品と思われます。

 拡張スロットは、仕様表では、PCI Express 3.0 x16が3本、PCI Express 2.0 x1が3本となっています。また、拡張スロット部分にはmSATA(ミニPCI-E)スロットも見えます。SATAは全部で8ポートあり、すべてSATA3に対応。リアパネルには、HDMI、DVI、D-Sub15ピンの各映像出力、Thunderbolt/Mini DisplayPort、USB3.0×4、USB2.0×2などがあります。

CeBIT2013
↑拡張スロットは、PCI Express 3.0 x16が3本、PCI Express 2.0 x1が3本で、mSATA(ミニPCI-E)スロットもあります。
CeBIT2013
↑8つのSATAポートは、すべてSATA3対応です。
CeBIT2013
↑リアパネル部分。Thunderbolt(ミニDisplayPortとしても動作)ポートが見えます。

 『Hi-Fi Z87X 3D』も、Z87チップセットを搭載するATX仕様のマザーボードです。3Dオーディオ機能や、Pure Hi-Fi機能対応など、サウンド機能が充実している製品のようです。TZ87XE6と比べると、Thunderboltがなかったり、拡張スロットの種類がじゃっかん異なったり(3本あるPCI Express x16のうち1本はPCI Express 2.0対応)、mSATAスロットがないなどの違いがあります。また、SATAも6ポートと少ないですが、すべてSATA3対応です。

Hi-Fi Z87X 3D
CeBIT2013
↑Z87チップセット搭載の『Hi-Fi Z87X 3D』。TZ87XE6よりもメインストリーム寄りの製品と言えるでしょう。
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↑CPUソケットのカバーには、『LGA115X』の文字が見えます。仕様表には、CPUソケットは『LGA1150』と記載されています。電源は8フェーズとなっています。
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↑SATAは6ポートで、こちらもすべてSATA3に対応。
CeBIT2013
↑リアパネルは、DVI、HDMI、D-Sub15ピンの各映像出力端子と、USB3.0×2、USB2.0×4、ギガビットLANポート、サウンド出力など。

 次に、『Hi-Fi Z87W』です。こちらもZ87チップセット搭載のATX仕様マザーボードですが、拡張スロットはPCI Express 3.0 x16が2本、PCI Express 2.0 x1が2本、PCIが2本と、PCIを備える点が特徴です。Puro Hi-Fiはこちらも対応しています。SATAはSATA3ポートが6つ、リアパネルのポートはHi-Fi Z87X 3Dと同様です。

Hi-Fi Z87W
CeBIT2013
↑Z87チップセット搭載の『Hi-Fi Z87W』。メインストリーム向けの製品と思われます。
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↑拡張スロットは、PCI Express 3.0 x16が2本、PCI Express 2.0 x1が2本に加えて、PCIスロットが2本用意されています。
CeBIT2013
↑SATA3が6ポートあります。
CeBIT2013
↑リアパネルは、DVI、HDMI、D-Sub15ピンの各映像出力端子と、USB3.0×2、USB2.0×4、ギガビットLANポート、サウンド出力などと、Hi-Fi Z87X 3Dと同じです。

 次に、『H87』チップセットを搭載する『Hi-Fi H87S3』という製品。こちらは、マイクロATX仕様のマザーボードです。拡張スロットはPCI Express 3.0 x16が1本、PCI Express 2.0 x1が2本、PCIが1本。SATAポートは6つで、もちろんすべてSATA3対応。リアパネルは、DVI、HDMI、D-Sub15ピンの各映像出力端子と、USB3.0×4、ギガビットLANポート、サウンド出力など。

Hi-Fi H87S3
CeBIT2013
↑H87チップセットを搭載する、マイクロATX仕様マザーボード『Hi-Fi H87S3』。拡張スロットは、PCI Express 3.0 x16が1本、PCI Express 2.0 x1が2本、PCIが1本の計4本となります。
CeBIT2013
↑SATAポートは6つで、すべてSATA3対応。
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↑リアパネルはDVI、HDMI、D-SUb15ピン、USB3.0×4、ギガビットLANポート、サウンド出力などを用意。PS/2ポートを2ポート備えるのは、いまどきのマザーとしては珍しいですね。

 最後に、『B85』チップセットを搭載するという『Hi-Fi B85S3』。形状はマイクロATX仕様となります。これまでのIntelのチップセットの型番の法則から考えると、チップセットの“B”という型番からビジネス向けの製品と思われます。奥行きの短い基板を採用し、メモリースロットが2本となっていたり、6つのSATAポートのうち、SATA3対応は4つのみで、残り2つはSATA2対応となっているなど、機能面はやや抑えられている感じです。

 拡張スロットは、PCI Express 3.0 x16が1本、PCI Express 2.0 x16が1本、PCI Express 2.0 x1が1本と3本を用意。また、リアパネルも、DVIが省かれ、USB3.0が2ポートのみとシンプルです。

Hi-Fi B85S3
CeBIT2013
↑『B85』チップセットを搭載する『Hi-Fi B85S3』。マイクロATX仕様で、ビジネス向けの製品と思われます。
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↑SATAポートは6つ。このうちSATA3対応は4つのみで、残り2つはSATA2対応となります。
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↑リアパネルはDVIがなくUSB3.0が少ないというように、メインストリーム向けと比べると機能はだいぶ絞られているようです。

●MSI

 最後にMSIです。こちらは、Haswell対応マザーボードとして見せてもらえましたが、製品名やチップセットの型番などは非公開となっていました。詳しい仕様は不明ですが、8つあるSATAポートはすべてSATA3対応で、PCI ExpressポートもすべてPCI Express 3.0対応となっているそうです。電源フェーズ数は、基板を見る限り16フェーズと思われます。また、リアパネルには、HDMI×2、DisplayPort、USB3.0×6、USB2.0×2、有線LANポート、サウンド出力などが用意されています。

CeBIT2013
↑MSIのHaswell対応マザーボード。製品名、搭載チップセットなどは非公開となっています。
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↑CPUソケットのカバーには、『LGA115X』の文字が見えます。電源フェーズ数は16フェーズのようです。また、電源は8ピンコネクターを2本接続するようです。
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↑メモリースロットは4本用意されています。
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↑拡張スロットは、すべてPCI Express 3.0対応のようです。
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↑しつこいようですが、8つあるSATAポートはすべてSATA3対応です。
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↑リアパネルのポートは、比較的豊富に用意されています。

■関連サイト
CeBIT

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