2月25日から28日まで、モバイル業界の最大の展示会『Mobile World Congress 2013』がスペイン・バルセロナにて開催されました。例年にも増してスリなどの被害が多かったと言われる2013年ですが、幸いにも筆者は被害に遭わず、無事にドイツへ移動することができました。
↑今回の新会場、Fira Barcelona Gran Via。例年よりやや西に移動した。 |
さて、今回のMWCにおける大きなテーマのひとつがNFCです。NFCバッジによる入場や、さまざまな体験イベントを組み合わせた“NFC Experience”など、多くの試みが行なわれています。
そこでノキアの『Lumia 920』や『Lumia 820』、『HTC Windows Phone 8X』など、NFC対応のWindows Phone 8端末を持っていけば、なにかといいことがありそうです。さっそく会場へ向かってみまししょう。
■NFC対応Windows Phone 8端末を持って会場へ
今回のMWCは例年にも増して巨大な会場のため、複数のエントランスがあります。今回は、最寄り駅に近いホール1の入り口から入ってみます。会場に入ると、まずはインフォメーション、そして奥にゲートが見えます。
↑会場前には、まとめ記事でもお伝えしたWindows Phoneのトラックが。最終日までこの位置でがんばっていた。
↑MWC2013会場のエントランスのひとつ。ゲートを通過するにはバッジが必要。 |
昨年までのMWCでは、会場に入るには“MWCのバッジ”と“顔写真付きの身分証明書”が必要でした。外国人である日本人の場合、会場に入るたびにパスポートによる本人確認が必要だったのです。
しかし今回から新たに“NFCバッジ”というシステムが導入されました。これはNFC対応のスマートフォンを入場用のバッジとして使えるというもの。通常のバッジとは異なり、顔写真を登録することで本人確認を兼ねているため、ゲートでのパスポート確認が不要となります。
NFCバッジで入場するには、あらかじめ登録が必要です。まずNFCに対応したスマートフォンを用意。今回はAndroidまたはWindows Phone 8に対応しています。次に専用アプリをインストールし、顔写真を登録します。最後に、MWC会場に設けられたNFCバッジ登録用のカウンターで本人確認を行ない、バッジをアクティブ化します。これで準備完了。
↑こちらが今回から新たに設けられたNFCバッジ専用のゲート。セットアップ済みのスマートフォンが必要となる。 |
↑HTC Windows Phone 8Xの場合、“tap+send”機能を有効に。これでNFCが有効状態となる。 |
↑MWC公式の『NFC Badge』アプリをダウンロード。アカウント登録を済ませておく。 |
↑アクティブな状態になったバッジを持ってゲートへ。入場チェックが厳しいMWC会場に、これだけで入れるのかちょっと不安。 |
入場ゲートは、通常のバッジ用とNFCバッジ用に分かれています。今年は初めての導入ということもあってか、まだまだ通常のバッジで入場する人が多かったと言えます。しかしそこはモバイル業界最大の展示会。NFCバッジで通過する人もちらほら見かけました。
↑NFCバッジ用ゲート。読み取り機とディスプレーで構成されている。1台のディスプレーで2つのゲートを管理できる。 |
↑セットアップ済みのHTC Windows Phone 8Xを置く。するとバッジに登録した顔写真が読み込まれ、ディスプレーに現われる。 |
このようにHTC Windows Phone 8Xを置くと、1~2秒経ってからディスプレーに顔写真が表示されます。この顔写真がゲートを通過しようとしている本人かどうか、係員が目視で確認し、入場が許可されます。
↑パスポートを取り出す必要なく、会場に入ることができた。 |
■Windows Phone 8でさらにNFCを体験
さて、Windows Phone 8でNFCを体験できるところは入場用のバッジだけではありません。今回のMWCでは“NFC Experience”と題して、様々なNFC体験ができるイベントが用意されています。
そのひとつが、会場に設けられた案内用のボードです。このボードには多数のNFCタグが埋め込まれています。これをNFC対応のスマートフォンで読み取ることにより、URLや電話番号をゲットできるようになっています。
さっそくNFC対応のWindows Phone 8で試してみましょう。
↑会場のあちこちに設けられた、NFC体験ができる案内板。 |
↑イベント情報、マップ、レストラン情報などがNFCタグとして埋め込まれている。 |
↑HTC Windows Phone 8Xの“tap+send”を有効にして、NFCを有効にしておく。 |
↑このアイコンに端末をペタっと密着させる。 |
↑すると“このコンテンツを受け取りますか?”という確認ダイアログが現われる。 |
↑URLを開くと、近隣にあるレストランの情報が表示された。 |
このように、NFCタグを読み取る場合には、特にアプリなどをインストールすることなく、Windows Phone 8標準の機能だけで読み取れることがわかりました。
↑NFC対応端末を表示するというNFCタグも。スペイン風のユーモア? |
■日本でもNFCの普及に期待
日本では、KDDIが3月4日にモバイルNFCサービスについての発表を行ないました。これにより、今後は日本でもNFCを用いたサービスや対応端末の増加が期待できそうです。
ただ、気になるのはWindows Phone 8です。現在、日本ではWindows Phone 8端末が発売されていないため、NFC対応サービスの提供者としても、Windows Phone 8に積極的に対応する理由はないはず。このままでは、Windows Phone 8に対応しないNFCサービスが増えてしまうのではないでしょうか。
もちろん、現在ではiPhoneがNFCに対応していないなど、課題も少なくありません。そのため、NFCが本格的に普及するにはまだ時間がかかると見られます。その間に、日本でもWindows Phone 8端末の発売を期待したいところです。
山口健太さんのオフィシャルサイト
ななふぉ
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります