ASUSは、スマホとしてもタブレットとしても使える『PadFone』シリーズの最新モデル『PadFone Infinity』と、電話機能を搭載した7インチタブレット『Fonepad』の2機種をMWCで発表した(関連記事)。発表会場で、実際にそれぞれの製品に触れることができたので、ファーストインプレッションをお届けする。
PadFone Infinity
まず、PadFone最新モデル、PadFone Infinityから。スマホ本体とタブレットのドッキング構造は、従来モデルのPadfonne2と同じで、タブレット後方の専用スロットにスマホ本体を上からスライドさせてドッキングさせる。ドッキング時のスマホとタブレットの表示切り替えは約1秒ほどと、従来モデルと同じだ。また、ドッキング時の起動アプリの挙動も、ほぼ同じようで設定メニューでドッキング時にアプリを終了させるか、継続利用するか設定できるようになっていた。
スペックは、プロセッサ-がQualcommのクアッドコア、Snapdragon 600(1.7GHz)、RAMが2GBとハイスペック仕様で、動作は極めて軽快だ。スマホ、タブレットとも表示解像度がフルHDに向上しているが、もたつくこともなく、ストレスなく利用できた。また、従来モデルより向上したと感じるのがデザイン。シンプルなのは変わりないが、アルミボディーかつヘアライン加工された背面、液晶面の角のダイヤモンドエッジ加工など、ボディーから高級感が感じられる。ただ、重量はスマホ単体で141g、タブレットドックが530g、合計で671gと、結構重たい。
液晶は、スマホが5インチフルHD、タブレットが10.1インチ1920×1200ドットと、従来モデルから一気に高精細化され、文字や映像の緻密さはハンパない。パネルはIPSなので視野角が広く、発色も良好だ。
おもしろいのは本体裏面の「PadFone」ロゴが、NFCのアンテナになっているというところ。本体がアルミのため、アンテナの置き場に困り、このような仕様にしたものと思われるが、なかなかナイスなアイデアではなかろうか。
PadFoneシリーズも3代目となり、かなり完成度が上がってきたという印象。ただし、ヨーロッパで999ユーロという価格は、少々高いと感じられなくもない。スペックを考えると妥当なのかもしれないが、日本円で12万円を超える価格は、さすがに厳しいのではないか。日本で発売されなら、なんとか10万切りを願いたいところだ。
↑PadFone Infinityのスマホ本体とタブレットドック。スマホ本体は、持つと結構重量を感じる。 |
↑スマホ本体。5インチフルHD IPS液晶は高精細で発色も鮮やか。ドットがまったく感じられないのがいい。液晶面の角はダイヤモンドエッジ加工で、デザイン性も高い。 |
↑裏面。ボディーはアルミでヘアライン加工が施されており、従来モデルからかなり印象が変わった。 |
↑HTC J Butterflyとの比較。スマホ本体はHTC J Butterflyよりも若干大きい。 |
↑底面にはmicroUSB端子を装備。 |
↑左側面。microSIMカードスロットが見える。 |
↑上部側面。ヘッドホン端子はこちらに用意。 |
↑右側面。電源ボタンとボリュームボタン。右の穴はスピーカーの穴だ。 |
↑こちらはタブレットドック。1920×1200ドット表示対応の10.1インチIPS液晶を搭載。非常に高精細かつ表示品質に優れている。 |
↑裏面にはスマホを取り付けるスロットが。従来モデルのPadFone2とほぼ同等の構造となる。 |
↑このように上部からスライドしてドッキング。 |
↑下部側面から見た図。PadFone2同様、スロット部分が若干盛り上がっている。 |
↑左側面。こちらにはボリュームボタンが。 |
↑上部側面に電源ボタン。持つと結構ずっしりくる。 |
↑右側面にmicroUSB端子。 |
↑着脱時のアプリの動作は、PadFone2とほぼ同じ。設定メニューもほぼ同じとなっている。 |
↑言語メニューで日本語も用意されていた。 |
Fonepad
続いて7インチ液晶搭載『Fonepad』。こちらの第一印象は「まるでNexus7」。実際に並べて比較はできなかったが、本体サイズはNexus7にかなり近い。背面の形状なども似ているし、液晶が800×1280ドット表示対応の7インチIPSという点も、そう感じさせる部分だろう。
また、持った感覚もNexus7に近かった。Nexus7よりは若干増しではあるが、裏面などはプラスチックボディーの質感がダイレクトに感じられ、PadFone Infinityほどの高級感はない。側面の電源ボタンとボリュームボタンは、位置こそ左右異なっているが、Nexus7とほぼ同じ形状。しかも重量340gと、Nexus7とまったく同じだ。とはいえ、価格が249ドル(アジア太平洋地域)とかなり安価に抑えられていることを考えると、満足できるレベルである。
パフォーマンスに関しては、Nexus7のTegra3(1.3GHz)に対し、FonepadはAtom Z2420(1.2GHz)を採用しているため、アプリによって若干体感速度が異なってくるだろう。とくにゲームなど3D描画のアプリを利用する場合には、Nexus7のほうがパフォーマンス的に有利になる。ただ、実際に触った感触では、ゲームをプレーしなければ、速度差は全く感じられない。今回は短時間の試用だったため、使い込んだあとでの印象とは若干異なるかもしれないが、画面のスクロールや拡大、縮小など、ストレスを感じる場面はなく、十分快適に利用できた。
カメラは、展示されていたのが裏面カメラが省かれたヨーロッパ向けモデルだったため、試すことはできなかった。ただ、裏面カメラの搭載によって、Nexus7よりも活用の幅が広がることは間違いないだろう。
ところで、7インチタブレットで電話をする時の本体の持ち方だが、男性の大きな手であれば、十分本体をわしづかみできるだろうが、女性の小さな手ではどのように持てばいいか、ちょっと戸惑うかもしれない。また、7インチタブレットを耳に当てて通話するというシーンは、さすがに目立って好まれないかも。もちろん、他人とは違うスマホを持ちたいなら、これ以上ない存在になる。
↑7インチタブレットに3Gデータ通信および通話機能を備えるFonepad。正面からの見た目はNexus7にかなり近く、サイズや重量もNexus7と大きく変わらない。液晶の表示品質もほぼ同等。 |
↑iPad mini(写真右奥)との比較。iPad miniよりわずかに小さい。 |
↑iPad mini(写真上)のほうが薄い。 |
↑下部側面。ヘッドホン端子とmicroUSB端子がある。 |
↑左側面。電源ボタンとボリュームボタンが。裏面のラウンド形状は、まさにNexus7そのものといった雰囲気。 |
↑上部側面。高さは10.4mmと、こちらもNexus7とほぼ同等。 |
↑左側面。さほど高級感は感じられない。 |
↑裏面。Nexus7のようなラバーコーティングはなく、見た目はシンプル。 |
↑プロセッサーはAtom Z2420を搭載。裏面にintel insideロゴが記載されている。 |
↑裏面上部はフタが外れるようになっており、microSIMスロットやmicroSDスロットが現われる。 |
↑通話機能が搭載されている点が大きな特徴。7インチタブレットを耳に当てて通話していると、かなり目立ちそう。 |
↑言語設定には日本語も用意されていた。 |
↑OSはAndroid 4.1.2。 |
●関連サイト
ASUS(英語)
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