週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

性能2倍で描画3倍 インテルが新Atom SoCを発表:MWC2013

2013年02月25日 21時00分更新

0225mwcitatom

 インテルは2月25日、MWC2013においてデュアルコア版Atom(SoC)、同社初のマルチモード/マルチバンドLTEソリューションなど複数製品を発表しました。

 発表されたのは、スマートフォンおよびタブレット向けの新デュアルコア版Atomシステム・オン・チップ(SoC)で、開発コード名は“Clover Trail+”。Android搭載タブレットにも対応するのがトピックですね!

 新Atom SoCはデュアルコアでハイパースレッディングによる4スレッド処理が可能。

 製品は32ナノメートルプロセスで製造され、『Z2580』は2GHz、『Z2560』は1.8GHz、『Z2520』は1.2GHzで動作。ブーストモードで最大533MHzで動作するグラフィックスコアを搭載し、毎秒30フレームのフルHD動画のエンコード、デコードができます。

 以下、プレスリリースの抄訳です。

2013年2月25日
<ご参考資料>
* 2013年2月25日にスペイン バルセロナで発表されたプレスリリースの抄訳です。

インテル、モバイル・コンピューティング市場での事業拡大を加速

ニュース・ハイライト
・インテル(R) Atom(TM)デュアルコア・プロセッサー搭載のプラットフォーム (開発コード名:Clover Trail+)をパフォーマンスおよびメインストリーム・ スマートフォン市場向けに発表。バッテリー駆動時間を損なうことなく、コンピューティング性能を2倍、グラフィックス性能を3倍に向上*1。本製品は、Android*搭載タブレットにも対応

・ 世界最小*2かつ最小消費電力水準のマルチモード/マルチバンドLTEソリューションを発表。現在シングルモードで出荷中の製品を2013年前半からマルチモードで出荷

・ 新興市場におけるインテル(R) Atom(TM) Z2420プロセッサーの確実な進捗状況を説明。新たにエジプトでEtisalat*とスマートフォンに関する提携や、ASUS*によるインテル(R) Atom(TM) Z2420プロセッサー搭載のAndroid*タブレット新機種の製品化を紹介

・ 2013年の年末に登場予定の次世代のクアッドコア版 インテル(R) Atom(TM) システム・オン・チップ(SoC)製品「Bay Trail」(開発コード名)への主要ODMパートナーによるサポートを発表

・ モバイル機器への取り組みをタブレット、続いて携帯電話へと拡充

インテル コーポレーション(本社:米国カリフォルニア州サンタクララ)は本日、スペインのバルセロナで開催中の「Mobile World Congress (MWC) 2013」において、複数の新製品と新たなエコシステムを発表しました。加えて、モバイル分野における事業拡大をさらに加速させ、Intel Inside(R)における多様な新製品と一層充実したモバイル体験を実現させるための新たな取り組みも発表しました。

 本日の発表にはスマートフォンおよびAndroid* タブレット向けの新しいデュアルコア版インテル(R) Atom(TM) システム・オン・チップ (SoC) (開発コード名:Clover Trail+)プラットフォームのほか、今年前半に出荷開始予定のインテル初のマルチモード/マルチバンドLTEソリューションが含まれます。さらに「Bay Trail」(開発コード名)の着実な進捗状況やモバイル機器への取り組み、新興市場におけるスマートフォン事業拡大に向けたインテル(R) Atom(TM) Z2420プロセッサー搭載プラットフォームも公開しました。

 インテル コーポレーション 副社長 兼 モバイル&コミュニケーション事業本部長のハーマン・ユールは「本日の発表は、モバイル市場の幅広い分野に渡って拡大するインテルのデバイス・ポートフォリオに基づくものです。インテルとお客様との密接な協力を通じて、1年足らずのうちにインテル プロセッサー搭載スマートフォンが製品化され、全世界で20カ国以上で販売されるようになりました。さらにWindows* 8搭載タブレット向けに業界最高水準の省電力ソリューションを実現したインテル(R)Atom(TM) SoCは、すでに主要システムメーカーに出荷しています。こうした基盤をもとに、今後インテルのエコシステムに加わるさまざまなパートナー企業と密接に連携し、あらゆるオペレーティング・システムを通じてインテル製品を搭載した最高のモバイル製品やモバイル体験を消費者に提供していきます」と述べています。

<効率的な新インテル(R) Atom(TM) SoC プラットフォーム>
新しいインテル(R) Atom(TM)プロセッサー・プラットフォーム(開発コード名:Clover Trail+)およびスマートフォン・レファレンス・デザインは、業界最高水準のパフォーマンスを提供しつつ、現在最も人気のあるAndroid* 携帯電話に匹敵する低消費電力性能とバッテリー駆動時間を実現します。この製品には、スムーズなWeb閲覧や途切れのない鮮やかなフルHD動画、Android* アプリケーションの素早い起動や稼働を可能とする高いパフォーマンスなど、従来のインテル製品の長所が結集されています。

32nm(ナノメートル)プロセス技術に基づくデュアルコア版のインテル(R) Atom(TM)プロセッサーZ2580、Z2560、Z2520の動作周波数はそれぞれ2.0GHz、1.60GHz、1.20GHzです。またインテル(R) Atom(TM) プロセッサー Z2580、Z2560、Z2520は、インテル(R) ハイパースレッディング・テクノロジーに対応しており、4つのアプリケーション・スレッドを同時に実行してインテル(R) Atom(TM)コアの全体的な効率をさらに向上させます。

この統合プラットフォームには、ブーストモードで最大533MHzで動作を実現するグラフィックス・コアを備えた、インテル(R) グラフィックス・メディア・アクセラレーター・エンジンが搭載されており、最大3倍のグラフィックス性能1を実現します。それにより、さらにリッチな3次元ビジュアル、リアルなゲーム体験、ハードウェア・アクセラレーションによる30fpsのスムーズなフル1080Pのフル動画のエンコードおよびデコードを実現します。ユールは「この第2世代製品では、競争力の高い低電力性能を維持しつつ、2倍のコンピューティング性能と最大3倍のグラフィックス性能を実現しています1。 今年後半には22nmプロセス技術によるインテル(R) Atom(TM) SoCへの移行にあたり、設計、アーキテクチャー、3Dトライゲート・トランジスター技術、最先端の製造技術など当社の幅広い技術をフルに活かし、当社のポジションをさらに高めていきます」と述べています。

新しいインテル(R) Atom(TM) プラットフォームは、高度なイメージング機能を搭載し、2台のカメラをサポートして、そのうち主となるカメラセンサーは最大16メガピクセルに対応します。さらにパノラマ撮影、15フレーム/秒のバーストモードでの8メガピクセル撮影、リアルタイムの顔検出・認識といった機能も搭載し、ゴースト除去機能付きのモバイルHDR撮影で飛行機内でのよりクリアな撮影も可能です。

また新しいプラットフォームは、インテル(R) アイデンティティー・プロテクション・テクノロジー(インテル(R) IPT)を搭載しており、強力な2要素認証により、リモート・バンキング、電子商取引、オンラインゲーム、ソーシャル・ネットワークといったクラウド・サービスを不正なアクセスから保護します。インテル(R) IPTはチップ・レベルに組み込まれているため、ハードウェアや電話ベースのトークンとは違い、より安全で使いやすいクラウド・アクセス保護を実現します。インテルは、Feitian*、Garanti Bank*、MasterCard*、McAfee*、SecureKey* Technologies Inc.、Symantec*、Vasco Data Security International* Inc.、Visa* Inc.といったパートナー企業のサービスにこのテクノロジーを組み込むべく、協業を行っています。

新しいインテル(R) Atom(TM) プラットフォームは、1900x1200のWUXGAディスプレイをサポートしており、大画面のAndroid*タブレット設計にも対応します。またAndroid* 4.2(開発コード名:Jelly Bean)、インテル(R) ワイヤレス・ディスプレイ (WiDi)、42MbpsのHSPA+にもスリムなモデムソリューションであるインテル(R)XMM 6360で対応します。

Clover Trail+(開発コード名)を採用するスマートフォンやタブレットについては、ASUS*、Lenovo*、ZTE*などから製品化が発表されています。

先月の「International Consumer Electronics Show (CES) 2013」で発表されたLenovo* IdeaPhone K900*にはインテル(R) Atom(TM)プロセッサーZ2580が搭載されており、動画、グラフィックス、Webのリッチコンテンツを高速で提供します。これは6.9mmの薄さを誇るIdeaPhoneは世界で初めて5.5インチフルHDの400ppiを超えるスクリーンを搭載し、テキストや画像をより鮮明に表示します。K900はインテル(R) Atom(TM) プロセッサーZ2580を搭載する初めての製品です。Lenovoはこのスマートフォンを2013年第2四半期に中国で投入し、次いで世界のさまざまな市場で投入していく予定です。

新しいインテル(R) Atom(TM) プロセッサー プラットフォーム(開発コード名:Clover Trail+)に加え、インテルは近々出荷開始予定のスマートフォン向けの22nmプロセス技術に基づく インテル(R) Atom(TM) SoC(開発コード名: Merrifield)についても発表を行いました。この製品はインテルの最先端の22nmプロセス技術および全く新しいインテル(R) Atom(TM) マイクロアーキテクチャーに基づいており、スマートフォンの性能、電力効率、バッテリー寿命を向上させることが可能です。

<ロング・ターム・エボリューション(4G LTE)>
インテルは、複数の周波数帯、モード、地域、デバイスで稼働する低電力の優れたグローバル・モデム・ソリューションの提供を戦略として掲げています。

インテル(R) XMM 7160は世界最小*2クラスのサイズと最低消費電力を誇るマルチモード/マルチバンドのLTEソリューション(LTE/DC-HSPA+/EDGE)で、スマートフォン、タブレット、Ultrabook(TM) などさまざまなデバイスに対応しています。グローバル・モデムであるインテル(R) XMM 7160は、他のソリューションを凌ぐ15種類のLTEバンドに同時に対応します。また、高度な設定が可能なRFアーキテクチャーにより、コスト効率の高いマルチバンド設定やグローバル・ローミングに一つのチップで対応します。

ユールは「インテル(R) XMM 7160はタイムリーで非常に競争力の高い4G LTEソリューションであり、進化する世界の4G市場の拡大しつつあるニーズに対応するものと期待しています。外部のアナリストは当社のソリューションが世界水準であると評価しており、インテルは本製品により新たなマルチコム・ソリューションの実現への扉を開くことができると信じています。LTE接続端末は今後12か月で2倍の1億2000万以上となると予測されており、当社のソリューションは開発者やサービス・プロバイダーには単一の競争力の高い製品を、消費者には最高のグローバル4G体験を提供することができるものと考えています。さらにインテルは今後の高度な4Gネットワーク展開に伴い新機能を提供する取り組みを加速させていきます」と述べています。

インテルは現在、シングルモードの4G LTEデータ・ソリューションを出荷しており、マルチモードの出荷は今年前半に予定されています。また、LTEソリューションをSoCロードマップに合わせて最適化することで、最先端の低電力ソリューションの組み合わせを市場に提供します。

<インテル(R) Atom(TM) プラットフォームZ2420>
インテルはさまざまな地域で存在感を強めており、新興市場の消費者にインテル・ベースのリッチなモバイル体験を提供する大きなチャンスがあると考えています。

新興市場では普及価格帯スマートフォン市場が急速に伸びており、2015年までに5億台に拡大すると予想するアナリストもいます。この成長市場を活かした戦略の一環として、インテルはインテル(R) Atom(TM)プロセッサーZ2420プラットフォーム(開発コード名:Lexington)によりその勢いが持続していることを強調しました。CESでの初めての発表以来、Acer*(タイ、マレーシア)、Lava*(インド)、Safaricom*(ケニア)などのメーカーから新しい携帯電話が発表されています。

エジプト最大の通信企業でアラブ首長国連邦のEtisalatグループUAEの子会社Etisalat Misr*は、本日インテルと共同でIntel Inside(R)のEtisalat E-20Smartphoneの計画を発表しました。4月にエジプトで発売予定のこのインテルベースの携帯電話は、中東・北アフリカ地域ではこれまで初めて、アフリカ全体でも最近のケニアでのSafaricom*の投入に続いて2機種目となります。

ASUS*からも本日、インテル(R) Atom(TM) プロセッサー Z2420搭載Android* タブレットの新機種が発表される予定です。これはさまざまなデバイスや市場セグメントのニーズに対応するインテル(R) Atom(TM) SoC プラットフォームの柔軟性を示しています。

<Intel Inside(R)のタブレット>
インテル初のクアッドコア版 インテル(R) Atom(TM) SoC(開発コード名:Bay Trail)は、インテル(R) Atom(TM)プロセッサーZ2760の市場での勢いや業界最高水準の電力効率を併せ持っています。Bay Trailプラットフォームは、インテルの現行タブレット向け製品の2倍のコンピューティング性能と、革新を可能にする強力なテクノロジー基盤およびフィーチャー・セットのエコシステムを提供する、これまでで最も高性能なインテル(R) Atom(TM) プロセッサーです。2013年後半に投入予定のBay Trailプラットフォームは、すでにWindows*およびAndroid*を稼働できる段階にあり、わずか8mmの薄さで1日中持続するバッテリー駆動と数週間のスタンバイが可能であり、新たなユーザー体験を創出します。

インテルは、現在Bay Trailタブレットの市場投入を加速すべくCompal*、ECS*、 Pegatron*、Quanta*、Wistron*と協業しています。またインテルは、インテル(R)Atom(TM) プロセッサーZ2760搭載タブレットデザインの市場での基盤を強化するため、Acer*、ASUS*、Dell*、富士通*、HP*、Lenovo*、LG Electronics、Samsung*ら、世界の主要システムメーカーとの協業を拡大しています。

<Intel Inside(R)のモバイル・デバイスを実現>
インテルは本日、新デバイスやWindows*およびAndroid* に基づく幅広いモバイルデバイス市場の革新的な取り組みを可能にするエコシステムの拡大を発表しました。

インテルのプラットフォームやイネーブリング・プログラムは何十年にもわたりシステムメーカーやODMパートナーの革新の基盤となってきました。新プログラムではトップクラスのシステムメーカーやODMパートナーと共に、インテル(R) アーキテクチャーに基づく最先端のモバイル・デバイスの市場投入までの時間を短縮します。このプログラムでは、まずタブレットに重点的に取り組み、さらには携帯電話へ対象を広げます。そしてシステムメーカーやODMパートナーは、認定済みのソリューションで提供される簡素化されたビルディング・ブロックによる拡張性の高い設計により、成熟市場および新興市場への製品の迅速な投入が可能になります。

インテル(R) Atom(TM) プロセッサー Z2760および、近々、提供開始予定の22nmプロセス技術に基づくインテル(R) Atom(TM) SoC(開発コード名:Bay Trail)はこれらの取り組みの第一歩です。

インテルについて
インテルは、革新的なコンピューティング技術で世界をリードする企業です。 インテルは、仕事や生活で利用される様々なコンピューティング機器の基礎となる重要な技術を開発しています。インテルに関する情報は、http://www.intel.co.jpで入手できます。

以上

*Intel、インテル、Intel Core、Intel Atom、Intelロゴ、Ultrabook、IntelInsideは、米国およびその他の国におけるIntel Corporationの商標です。 * その他の社名、製品名などは一般に各社の表示、商標または登録商標です。 *1 : インテル(R) Atom(TM) プロセッサー Z2460 プラットフォームとの比較において、グラフィックス・クロック周波数比は、Z2580、Z2560、Z2520毎に異なります。 *2 : 今日、市場に出荷されている競合ソリューションとの比較

関連サイト
Intel at Mobilw World Congress 2013

MWC2013まとめ

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう