MozillaはMWCの行なわれるバルセロナにて、スマホ用OS『Firefox OS』のグローバル展開について発表を行ないました。会場には世界各国のキャリアや端末メーカーのトップが集まり、会場はさながら新OSの決起集会といった様子。
↑Firefox OS搭載スマホをプッシュする世界のトップたち。 |
Mozillaのゲイリー・コバックスCEOは、今後のスケジュールとして今年の半ばに第1弾の端末をブラジルやコロンビア、スペイン、モンテネグロなど9ヵ国でリリース。端末はアルカテル、LG、ZTEの3社が製造し、ファーウェイも開発を進めているとのことです。
↑コバックスCEOは、世界各国17のキャリアと提携を進めていると発表。日本のau(KDDI)もそのうちのひとつ。 |
さらに、Firefoxマーケットプレイスのオープンを発表。ほかのスマホ用OSと同様に、アプリを追加したり、開発したアプリの配布・販売も行なえるようになります。
また、クアルコムのポール・E・ジェイコブスCEOやZTEのハンドセット・ディビジョンCEOであるフー・シーヨウなど、キャリアやメーカーのトップも登壇。それぞれFirefox OSの利点や魅力について語っていました。
各企業のトップが、口を揃えて発言していたFirefox OSのメリットが、オープンソースによるエコシステムと、HTML5によるカスタマイズ性の高さに、アプリの開発しやすさ。
iOSはアップルの縛りが厳しく、それより緩いアンドロイドでも、やはりレギュレーションなどがあり、キャリアやメーカーが手を入れられる部分が少ないのが現状。
こういった縛りをなくして、キャリアやメーカーが自由に端末やサービスを開発できる環境としてFirefox OSが注目されているわけです。
発表会ではZTEのFirefox OS搭載モデルで、デモンストレーションも行なわれました。発売が数ヵ月後と近いこともあり、思ったよりもサクサクと動く印象。
↑マーケットプレイスをはじめ、各種機能をその場で操作してプレゼンが行なわれました。 |
↑ZTEのフー・シーヨウ氏は、このイベントの翌日に行なわれるZTEの発表会で、正式にFirefox OS搭載機のお披露目をするとのこと。 |
とはいえ、デモンストレーションされたのは、地図やウェブブラウジング、アドレス管理といった、スマホとしてはごく一般的な機能ばかり。Firefox OSだからできるといった特徴は見られませんでした。
今回の発表では、キャリアやメーカーにとってのメリットはよくわかったのものの、ユーザーからのFirefox OSを選ぶメリットというのが、エコシステムによって端末の低価格化を図れるという以外は見えてきません。
↑発表会後、日本からの取材陣のインタビューを受けるKDDIの石川雄三専務。 |
Forefox OS陣営の一員として搭載スマホの発売を予定しているKDDIでも、いまだFirefox OSを使って、ユーザーになにを提供できるか模索している様子。「現在iOSやAndroidで提供しているサービスはFirefox OSでも提供できる」と石川専務は語っていましたが、それでは差別化にはなりません。
ほかのスマホ用OSに比べ自由度が高いFirefox OS。それだけに、OS自体にはあまり個性はなく、キャリアやメーカーがオリジナルのサービスや機能を搭載して、差別化を図っていくという方向になりそう。提携キャリアやメーカーのアイデアと技術力で、オンリーワンとしてのFirefox OS端末の登場に期待したいところです。
↑発表会会場にはZTEの新端末があったものの、触らせてはもらえませんでした。MWCの本会場では展示されるとのことなので、続報をお待ちください! |
↑日本発のマスコット“フォクすけ”も、発表会に参加。海外のプレスからも撮影されてました。ガンバレ!! |
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