トヨタ プリウスをWindows8で遠隔運転!? クラウドと連携するロボカーが登場
2013年01月18日 23時00分更新
『第1回クルマのITソリューション展』が1月16日~18日までビックサイトで開催された。同展示会は車に搭載するIT機器の展示会。どちらかというと、カーナビなどの既製品よりも、カーナビに使う基板やコネクターなど、普段なかなかお目にかかれない部品が多く出品されていた。
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その会場の一角に展示されていたのが、マイクロソフトのクラウドサービス『Windows Azure Platform』を活用し、Windows8で遠隔運転が可能な“クラウド・ロボカー”。
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これはトヨタのプリウスをベースに、ゼットエムピー社が開発したカスタムカー。車のハンドル操作はもちろん、ブレーキやアクセルなどがインターネット経由でWindows8搭載PCから操作できる。実際にデモではWindows8搭載のタブレットで遠隔操作が行なわれており、ハンドルのボタンをタッチすると、車内のハンドルが連動して動いていた。
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また、ダッシュボードやバックミラー部分にウェブカメラやレーダー、GPSなどのセンサー類を搭載。配信される映像を見ながら運転することも可能。
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遠隔操作アプリは操縦系のほかに、走行している場所や現在の速度、アクセルやブレーキ、ステアリング、シフトポジションの状態、バッテリーの残量、車の傾き、加速度、ドアのロック、ライトの点灯など、おおよそ車に関するあらゆる状態をデータとしてクラウドに蓄積しつつモニタリングが行なえる。
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車内には車の制御コントローラーや各種センサー(車載ネットワークCAN)を接続した専用の制御ボードと、そのボードと情報や制御をやりとりするサーバPC(よく見ると普通のThinkPad)が置かれていた。このサーバーPCを通して、クラウド上とデータの同期を行ない、また制御命令を車に送り込む。
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このクラウド・ロボカーだが、普通の乗用車として作られたものではない。日本で公道を走るなら法律の整備が必要となる。実は車用機器の開発支援用のツールとして作られたものだ。ゼットエムピー社では本クラウドカーを以下の研究開発や評価用途として提案している。
・センサーやカーナビ、テレマティクス
・車載通信、車車間通信
・運転支援技術
・自律走行技術
他にも車メーカーが試作車を決められたテストコースで何周も走らせる耐久試験や、走行データの取得などに使われる。決められたコースを周回するだけの耐久試験は人間が運転する必要はなく、むしろ予めプログラミングされた自動運転の方が、テストドライバーに負荷が掛からないメリットがあるとのこと。また、将来的には人の運転をアシストし、より車の運転が安全で簡易になるシステムにしていきたいとのことだ。
この技術を使って、難しい車庫入れなどは車が自動的にやってくれる未来が来そうだ。
■関連サイト
クルマのIT ソリューション展
ゼットエムピー
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