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HuaweiがAscendで登るべき次のステップ 〜会見レポート:CES2013

2013年01月08日 18時18分更新

 Huaweiは現地時間1/7、CES2013にてプレスカンファレンスを開催し、新型スマートフォン2機種を発表した。ひとつは昨年CESで発表した製品ライン”Ascend”の最新型である、クアッドコアのフルHDスマホ『Ascend D2』、もうひとつは6.1インチの大画面スマホ『Ascend Mate』だ。Ascend Mateはスマートフォンカテゴリーとしては世界最大の画面サイズをうたう(スペック詳細はコチラの記事をチェック

 なお、Ascend D2は発売国として正式に「日本」が含まれることも発表。ただし、具体的なキャリアについては明言しなかった。

Ascend D2_Mate

 カンファレンスで登壇したファーウェイ デバイス部門チェアマンのリチャード・ユ氏は、PCや電子書籍リーダー、デジカメなどの日用デジタルガジェットの代替になる“オールインワン”の条件として、

・画面が広く、ハイレゾリューションであること
・バッテリーがロングライフであること
・簡単に持ち運べること
・カメラが高品位であること

の4点を挙げた。

 Ascend D2とAscend Mateはこれらの要素を満たす端末としてつくられている。昨年のAscendが薄く軽い軽量ハイエンドスマホを志向していたのに対して、Ascend D2は“求めるユーザー体験を実現するのための性能”を盛り込んだ端末といえる。

 たとえば、液晶画面は5インチ/フルHDで、HTC J butterflyや、CES2013で発表されたソニー Xperia Zと同じ。厚みはAscendのほうがボリュームがあるが、ここには3000mAhの大容量バッテリーがビルトインしてある。「2日間もつ」というのがファーウェイの説明だ。
 頑丈系の性能もひととおり入っており、液晶はゴリラガラス、さらにファーウェイとしてはおそらく初の、IPX5/4の防塵防水仕様も採用する。

Ascend D2_Mate
↑リチャード・ユ氏自ら、Ascend D2に水を浴びせるデモを実施。USB端子部分には防水蓋などはないが、これでも大丈夫だとのこと。
Ascend D2_Mate
↑競合機種とのバッテリー容量比較。右から2番目がGALAXY SIIIで、2100mAh。対してAscend D2は3000mAhだとバッテリー容量の多さをアピール。

●5インチFHD・クアッドコアスマホ『Ascend D2』

Ascend D2_Mate
Ascend D2_Mate
Ascend D2_Mate

↑側面のシルバーの部分はアルミ製で質感は上々。

Ascend D2_Mate

↑同じ5インチ・フルHDであるHTC J butterflyと比較。ギリギリまで削ぎ落としたデザインのため大きさはほぼ同じだ。

Ascend D2_Mate
Ascend D2_Mate

↑ホワイトモデルも用意。光沢のある背面が美しい。

●6.1インチ 大画面スマートフォン『Ascend Mate』

 一方のAscend Mateは、明確にGALAXY Note2の対抗馬として位置づけられている。Note2に比べて本体に占める画面比率が高い=狭額縁でスタイリッシュであること、バッテリーが4050mAhありNote2より長時間駆動であること(たとえばウェブブラウジングの比較ではNote2より2.5時間長い14時間)など、カンファレンスでもNote2含む競合機種との並列比較が強調されていた。

Ascend D2_Mate
↑GALAXY Note2とのバッテリーライフ比較。通話、ウェブブラウジング、動画再生の3項目で比較している。
Ascend D2_Mate
↑Ascend Mateには“マジックタッチ”という、布や手袋ごしにでも操作できる機能を搭載。素材の厚みによって反応が変わるので、感圧式ではなく、静電容量式パネルの感度を高めるような工夫で実現しているようだ。
Ascend D2_Mate

↑本体だけ見るとAscend D2と同じに見えるが、HTC J butterflyとの比較ではサイズの違いがよくわかる。1行に並べるられるアイコン数は、D2に比べて1つ多い。

Ascend D2_Mate
Ascend D2_Mate
Ascend D2_Mate

↑側面を見ると、シルバーの部分がAscend D2より薄い。

Ascend D2_Mate

↑標準ウィジェット類は独自のテーマとして複数容易。オンラインで100種類以上を揃えるという。なお、こちらはAscend Mateのブラックモデル。

Ascend D2_Mate
Ascend D2_Mate

●ファーウェイの次のステップはなにか?

 今回の発表端末2機種をみて、最初に感じたのは、端末の完成度は昨年同様、一定以上の水準にあることだ。Ascend D2の「厚みを犠牲にしてバッテリー容量をとる」仕様のため厚みはややあるが、あえて”デザインより3000mAhの実をとる”という提案は、メーカーの姿勢として評価できる。バッテリー容量を削っていけば、より薄く作り込むことは比較的容易にできる。

 ただ、Mateに関しては、画面の解像度が720p相当ということもあって、対向機種を“そのまま作ってしまった”感は拭えない。もちろん、そこには6.1インチの高解像度パネルが調達しづらいといった部材の事情もあるだろうが、単に画面を大きくすることは、オリジナリティとはいえない。特に、GALAXY Noteの独特のサイズは、サムスンが独自に切り開いたものだから、余計にそう感じてしまう。

 ファーウェイが踏み出さなければならない次のステップは、誰が見てもファーウェイだとわかる個性はどこにあるか?だろう。それは、例えばHTCやXperiaのようなUI設計だったり、サムスンのような専用アプリだったり、ノキアのような独自のデザインといったものだ。それらは、今後のメーカー自体のブランディングにも大きくかかわってくる。

 カンファレンスの最後にリチャード・ユ氏が語ったところによれば、2月のMWC2013でも、何らかの新製品発表があるらしい。そこで独創性を感じる新機種が見られるのか? 来月の動きにも注目しておきたい。

CES2013まとめ:世界最大家電ショウ

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