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海外旅行でカンタン確実にスマホ通信環境を充実させる方法 by 本田雅一

2012年12月26日 16時30分更新

CES2011

 今週末から正月は海外旅行……なんて方もいるのでは、ということで、簡単に海外でスマートフォン、タブレット、PCを使うための通信手段について記しておこう。といっても、特別なことはほとんどない。僕がいつも海外取材の時に使っている方法、選んでいる製品・サービスなどを紹介しながら話を進めるが、初級者向けにとのオーダーなので、もっとも確実な方法は何か?という観点で話を進めよう。

●海外旅行や海外出張でスマートフォンを使う場合のオススメ

 海外に出かける際に、スマートフォンを使う場合どうすればいいの?という質問を知人から受けるが、現在はすべての携帯電話事業者が海外ローミングでの通話やパケット定額プランを提供している。使用中のスマートフォンを、そのままの使い勝手で海外でも使いたいだけならローミングが簡単。しかし、一方で高額なのも事実だ。

 音声通話が可能なプリペイドサービスは、多くの国で提供されているが、現地携帯電話事業者のショップでプリペイドSIMカードを購入し、正しい設定を行わないと機能しないことがほとんど。ボイスコマンドで設定を行わなければならない場合もあるので、店員に設定をしてもらうのが一番いい。

 しかし、現地ショップでプランについて説明を受けながら、正しいサービスを選択できるぐらいの語学力があるなら、そもそも現地でなんとかなるだろう。ショップに行く手間などもかかるので、長期滞在でないならば、そのままローミングで使ってもいい。

年末年始の海外旅行でスマホ環境を充実させる方法
↑北米でよく見かける光景。AT&TやT-Mobileなどはショッピングモールに1件はある。ただ、日本人向けのSIM販売サービスのようなものはないので、最低限の意思疎通と、プラン説明がわかる程度の英会話はどうしても必要。

 確かに海外携帯電話事業者のほとんどは受信時にも料金を徴収するので、自分自身も料金が気になるほか、自分にかけてくる知人も気を使って電話をかけづらくなるものだ。筆者の場合、頻繁に仕事で渡航する米国は現地のプリペイドSIMカードを持っており、同じ番号が使えるよう定期的に料金チャージを行っているが、欧州は国が多く渡航頻度も少ないため、通話はローミングサービスで済ませている。
 特に複数の国をまたいだ鉄道の旅をしよう、なんて場合には、プリペイドSIMカードを各国ごとに購入せねばならず、あまり効率がよろしくない。月額固定の契約ならば、欧州内のローミングは安価なのだが、プリペイド契約は基本的に、その国ごとのものでローミングができてもかなり高価だ。さらにLTEを使おうとなると、話はややこしくなる。
 実際には入念に調べれば、各国ごとに現地SIMカードを活用するノウハウが紹介されている。しかし、筆者が誰かに相談されたなら、

・音声通話はローミングあるいはデータ通信回線を通じたSkypeなどVoIPサービスで代用
・データ通信部分はルータを借りてしのぐ

ーーのがいいと思う。

電話アプリその1 『Skype』
年末年始の海外旅行でスマホ環境を充実させる方法
↑デスクトップのメッセンジャーとしても使える。有料で発着信ができるほか、アプリどうし(PC含む)なら無料で通話できる。
電話アプリその2 『050 plus』
年末年始の海外旅行でスマホ環境を充実させる方法
↑発着信できる電話番号がカンタンに持てるのが特徴。ただし、通話してもしなくても月額315円がかかる(通話料別途)

●データ通信端末(モバイルルータータイプ)でオススメは?

 スマートフォンの流行もあってか、今やデータ通信端末の貸し出し事業者は、その数が増えてきている。老舗のグローバルデータの認知度が高いが、筆者が使っているのはテレコムスクエアだ。他にもグローバルWiFi、JAL ABCなどがある。
 ではどこが一番コストパフォーマンスがいいの?という話になるが、それぞれ利用料金に関しては競争もあって、どの事業者が……と、単純には比較できない。常に競争があり、新しいアイディアのサービスが導入されても、次々にマネされていくからだ。

 たとえばグローバルWiFiは米国を重視した料金体系で、LTEルータが1日770円と業界最安値だ。しかし、滞在日数が長いならば、テレコムスクエアの30日プランの方が安価になる。ならば契約している通信事業者が各社で異なるのか?というと、実はバラバラで、同じ場合もあれば異なることもある。たとえば北米でのLTEサービスを申し込めば、両社ともベライゾンのLTEモバイルルータを貸してくれるが、3Gルータでアジア各国や欧州各国を回る際には、それぞれ異なる事業者を捕まえる。

年末年始の海外旅行でスマホ環境を充実させる方法

 ではなぜテレコムスクエアを使ってきたかというと、実は数ヶ月前まではトータルのコストを一番安くできたからだった。同社はもともと携帯電話レンタルサービスを、空港のリアル店舗で展開。データ通信端末も、同じ店舗で受け渡しできるため、”受け取り手数料”なるものが不要だった。というよりも、グローバルデータが空港での受け取り時に、受取手数料を支払う必要があった(空港への配送と受け渡すカウンターの事務手続きに関する費用)……と言うべきだろう。しかし、現在はどの事業者も空港での受け取りを無料化しているので、ここでの差はなくなった。

 また欧州各国をめぐる取材の際には、欧州周遊プランが役立った。現在は世界周遊プランもあり、どの国に行ってローミングしても料金は常に一定というありがたいプラン。しかし、これも各社が導入しているので違いはあまりなくなってきたので、現在はどこの事業者でも同じと言える。

 ということで、ここまで競争が激しくなってくると、各社の違いも小さくなってきていることに、実はこの記事を書きながらあらためて驚いている。それでもテレコムスクエアを使う頻度が高いのは、出発前日に予約した場合でも利用できたため。空港カウンターに常に在庫があるので、すべての端末が出払っていない限り予約できる。これはリアル店舗を持つ強みだろう。JAL ABCは利用経験がまだないが、やはりリアル店舗が存在する(本業はスーツケース配送サービス)ため、在庫があれば対応できるとのことだ。

 さて、筆者も1月5日から23日まで米国各都市を巡る取材旅行に出かけてくる。北米でのスマートフォンライフをもっとも充実させる方法は、実は現地でベライゾン版のiPad、あるいはiPad miniを購入し、プリペイド契約でテザリングを利用することなのだが、そのためにはちょっとばかり資金が必要(なことに加え、品不足もあって買えない可能性も高い)だ。

 ベライゾンは他社のiPadを自社ネットワークにつなげないよう制御・管理しているため、海外事業者に対してSIMフリーのiPad miniを持ち込んでも利用できない。AT&T WirelessのSIMカード+ソフトバンク版iPadならLTEも使えるが、残念ながらまだLTEの利用可能エリアはベライゾンに遠く及ばない。さて、どうしたものかと思案しているが、またルータをレンタルすることになるだろう。

 おそらく、いままでと同じ事業者を使うだろうが、どの事業者を選ぶとしてもベライゾン版LTEルータをチョイスするつもりだ。前回はニューヨーク、ロサンゼルス、シアトル、サンフランシスコと巡ったが、どの街でも15Mbpsぐらい。ニューヨークの繁華街でも5Mbps以上で通信可能だった。PINGが40〜50ミリ秒ぐらいということもあって、ホテルのネット回線を使うよりも遙かに快適だ。

 そもそも、そこそこのクラスのホテルならば、一日あたり10ドル以上のインターネット接続料金を取られることがある。それを考えれば、ルータの料金は決して高くない。

●関連リンク
テレコムスクエア
『Skype』(GooglePlayの紹介ページ)
『050 plus』(GooglePlayの紹介ページ)

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