ノキアは12月5日(現地時刻)、新たなWindows Phone 8端末として『Nokia Lumia 620』を発表しました。600番台の型番が示すとおり、Lumiaシリーズの中でもローエンド寄りに位置付けられるWindows Phone 8端末となっています。
↑ノキアのローエンドWindows Phone 8端末『Lumia 620』。 |
プレスリリースやブログで真っ先に言及されている特徴が、カラーリングです。これまでLumiaシリーズは、豊富なカラーバリエーションがアイデンティティーとなっていました。さらにLumia 620では、“デュアルショット”という機構を採用。本体に半透明のポリカーボネート製カバーをかぶせることで、2つの色を合成したり、立体感のあるテクスチャーを表現したりすることができるようになったとのことです。
↑交換可能な半透明のカバーで着せ替えを楽しめる。 |
デュアルショットの具体的な例として、イエローとシアンの組み合わせにより“ライムグリーン”を作り出すことも可能になるとか。
↑これまでのLumiaにはなかったライムグリーン色が。 |
このようなデザインを採用した理由として、Lumia 620の位置づけは前モデルのLumia 610と同じく、若年層をターゲットとしていることが挙げられます。Lumia 620本体のカラーバリエーションはライムグリーン・オレンジ・マゼンタ・イエロー・シアン・ホワイト・ブラックの7色。さらにWindows Phone 8ではタイルカラーを20色から選べるようになっており、これをデュアルショットのカバーと合わせることで、膨大な数の組み合わせを楽しむことができそうです。
■ミドルレンジに匹敵するスペックで2万円という低価格を実現
Lumia 620のスペックを簡単に見ていきましょう。ディスプレーはLumia 610とほぼ同じで、Windows Phone 8端末としては最小となる3.8インチのClearBlack TFT液晶を採用。画面解像度はWindows Phone 8として下限のWVGA(480×800ドット)となっています。
プロセッサーは1GHz・デュアルコアのSnapdragon S4 Plusを搭載。メモリーもしっかり512MBを搭載しており、ミドルレンジのWindows Phone 8端末に匹敵する基本性能を期待できます。
ストレージは8GBですが、Windows Phone 8から対応したマイクロSDカードスロットを搭載しており、最大64GBのカードをサポート。音楽や動画を詰め込みたい場合でも安心です。
カメラは5メガピクセルのメインカメラのほかに、VGAクラスのフロントカメラを搭載しており、Skypeなどのビデオ通話にも対応できます。
通信規格はW-CDMA 850/900/1900/2100MHz、GSM 850/900/1800/1900MHzに対応。サイズは115.4×61.1×11.02ミリ、重さ127グラムと軽量コンパクトです。
気になる価格はなんと249ドル(約2万円)。2013年1月よりアジアで販売開始され、その後ヨーロッパや中東地域への展開を予定しています。
■お手頃価格のWindows Phone 8端末の普及に期待
これまでノキアはハイエンドのLumia 920やミドルレンジのLumia 820といったグローバル向けのWindows Phone 8端末に加え、Verizon向けのLumia 822やT-Mobile USA向けのLumia 810など、特定キャリア向け端末も投入してきました。
一方、Windows Phone 7.8の発表により、ローエンドは今後もWindows Phone 7.8が投入されるものと見られていました。しかしLumia 620は3台目のグローバル端末であると同時に、初めてローエンドに位置付けられるWindows Phone 8となります。
ローエンドのWindows Phoneについて、Windows Phone 7.5ではマイクロSDの交換に対応していなかったため、ストレージを4GB程度しか搭載しない安価な端末ではAndroidに見劣りしがちでした。その点も、マイクロSDをサポートするWindows Phone 8なら安心です。
Lumia 620のライバルとしては、端末価格300ドル前後の『HTC 8S』が挙げられます。HTCは自社のWindows Phone 8ラインナップを“シグネチャーライン”と位置付け、Lumiaシリーズと真っ向勝負の構えを見せています。今後はローエンドにおいてもWindows Phone 8の普及が期待できそうです。
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