週刊アスキーの連載ページ『ネット早耳かわら版』に掲載している“ニコニコ動画 今昔物語”クロス連載。引き続き“ドワンゴ川上会長が見つめるニコニコ動画の未来”をテーマにして、第4回を掲載します。
↑川上会長(写真右)と筆者(写真左)。ニコニコチャンネルの“週刊アスキーチャンネル”にてインタビュー風景を生放送しました。
■企業向けの“チャンネル”、個人向けの“ブロマガ”
今回のテーマは“ブロマガ”。津田大介さんや佐々木俊尚さんなどの著名なジャーナリストが始めたこともあって、ここ1、2年で、メールマガジンのビジネスは大きく注目を集めている。
そのビッグウェーブに乗るために(?)“niconico”も8月21日から“ブロマガ”をスタートさせた。その名前はブログとメルマガの造語で、テキストが中心のほかのサービスとは異なり、動画や生放送などのコンテンツも扱えるのが特徴だ。
コンテンツは無料と有料の設定が可能。全体の有料会員は、スタートから約1ヵ月後の9月19日に1万人、約2ヵ月後の10月23日に2万人を超えたという。川上さんはブロマガについて「成功でしょう」とコメントしていました。このあたりの詳細は『週刊アスキー』12/18号(12月4日発売)で掲載しまています。
ブロマガはその実、企業向けのコミュニティー機能“ニコニコチャンネル”の一形態だ。ニコニコチャンネルが始まったのは、2008年12月に実施した“ニコニコ大会議 2008冬”のあと。当時、MTVの『ウサビッチ』などの公式コンテンツが配信されていたが、こうした公式コンテンツの置き場としてチャンネルを用意し、月額課金やアクセス解析などの機能も提供し始めた。週刊アスキーも公式チャンネル(関連サイト)を開設し、この連載のニコ生もそこで行なっています。
↑ニコニコチャンネルのスタート当初は東芝、フジテレビ、ディズカバリーチャンネルなど当初は121社126チャンネルが参加していた。
ブロマガは同じチャンネルだが、クリエイターやアーティストなど、もう少し小さな規模のコンテンツプロバイダーを想定している。参加者も多様で、政治系で小沢一郎さんや猪瀬直樹さん、ジャーナリストで津田大介さんや佐々木俊尚さんが参加しているかと思えば、コスプレイヤーの“うしじまいい肉”さん、アーティストのGACKTさん、ドワンゴの夏野剛取締役らも含まれている。川上会長は、『もしドラ』の著者である“ハックル”さんこと小説家の岩崎夏海さんのメルマガが個人的に好きといわれてました。
ブロマガは、なんとか自社をピーアールしたいニコニコチャンネルとは異なり、著者やクリエイターとつながりたいファンのために用意されたサービスだ。その人の活動を支えたいから、“お布施”のような感覚でお金を払う感覚に近い。別の取材で、ニワンゴの杉本社長に話を聞いた際には、購読者が1000人単位でも、著者が書きたいものを書いてそれが収益につながってオリジナルコンテンツを回せるようになればいいと答えていた。
ブロマガは将来的には、ニコ動の一般ユーザーにも解放される予定だ。ニコ動でおもしろいものを発表して有名になり、お金が稼げるようになる。そんな日曜クリエイターが夢見る世界が、近い将来に実現するかもしれない。
■関連サイト
週刊アスキーチャンネル(ニコニコチャンネル)
■週刊アスキー 連載ページ『ネット早耳かわら版』
リニューアルしてパワーアップしたネット情報満載の連載ページ。SNSを使いこなすテクニックやウェブアプリやサービスの紹介、ソーシャルメディアの話題など、盛りだくさんの4ページでお届けしている。
■著者紹介-広田稔
ウェブサイト“ASCII.jp”でMacやネットサービスなどのネタを担当。初期からニコニコ動画を取材し、2007年には笛のお兄さんの「Fooさん」を取材(関連サイト)していたりして、有り体にいえば“ニコ厨”(ニコ動好きな人)、好きが高じて『ニコニコ動画めもりある ~ニコニコ大会議編~』という書籍を執筆。
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1,500円
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