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H.265対応に笑顔検出 写真で見るSnapdragonの実力【石野純也氏 寄稿】

2012年11月30日 21時00分更新

 クアルコムの本社には、Snapdragonの性能をアピールするデモルームがあり、ここでさまざまな機能を試すことができた。

 Snapdragon用に用意された『FastCV』では、顔検出などを使ったアプリを簡単に開発できる。デモは、笑顔の度合いを判定するアプリで行なわれた。

Qualcomm Editors' Week
↑やや口角を上げた顔は、“笑顔度49”と判定されている。スマートフォンのカメラによくあるスマイルシャッターのような機能は、『FastCV』で比較的簡単に開発可能だ。
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↑無理やり満面の笑みをしてみたところ、笑顔度は95になった。目や口の動きで、笑顔かどうかを判定していることがわかる。

 また、Snapdragonは5.1chや3Dなどもサポート。映像や音にこだわった端末も開発できる。

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↑HDMIで中央のタブレットから、映像と音声をテレビに出力している。これは5.1chのデモで、迫力あるサウンドを体験できた。
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↑写真ではわかりづらいが、映像は3Dになっている。2枚の映像を左右の目に映し出し、裸眼立体視を実現。Snapdragonは、チップレベルでこうした機能にも対応している。

 映像をWi-Fi経由でテレビなどに出力できる、“Wi-Fi Miracast”に対応。ケーブルレスで、スマートフォンやタブレットの画面をそのまま大画面に映し出せる。対応機器さえあれば、HDMIより手軽に利用できそうだ。すでに、一部の端末にはこの機能が搭載されている。

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↑スマートフォンとテレビで、同じ映像が流れている。Wi-Fiで転送しているため、スマートフォンを固定して置いておく必要もない。
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↑ちなみにテレビ側が対応していない場合は、このような対応機器を利用する形となる。

 クアルコムはARMのアーキテクチャーライセンスを取得しており、SnapdragonのCPU部分に独自のカスタマイズを行なっている。最大の特徴は、それぞれのコアを非同期で制御できること。負荷に応じてCPUを休ませれば、消費電力の抑制になる。その様子を実際の数値で確認できた。

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↑コア1とコア4には100%の負荷がかかっているが、コア2はほとんど動いていない。こうしたコアごとの制御を行ない、消費電力を最適化しているのは、SnapdragonがほかのARM系CPUと大きく異なるところだ。
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↑アプリケーション側で、あえて2つのコアしか使わないように設定したところ。写真ではわからないが、柱の間で風に揺れていたタペストリーの動きが、やや緩慢になるなどの変化があった。
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↑動画を4つ同時に再生することも可能。クアッドコアをそれぞれひとつの動画に対し、ひとつのコアが割り当てられている状態だ。動画を停止すると、対応しているコアの負荷だけが一気に下がることを確認できた。

 ワンセグなどに採用される“H.264”の次として、規格が策定中の“H.265”も、Snapdragon上で再生することができる。H.264と同画質で容量が半分程度になるため、通信量抑制につながり、キャリアからの期待も高い技術だという。

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↑H.264とH.265、それぞれの動画を並べて展示していた。画質はほぼ同じだが、H.264が約6MBなのに対し、H.265は約3.1MBと半分程度のサイズになっている。

 スマートフォンやタブレットだけでなく、Snapdragonはテレビなどの端末も視野に入れたチップセットだ。クアルコムは、テレビに接続するセットトップボックスのリファレンスデザインも開発している。

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↑セットトップボックスのリファレンスデザイン。ここにも、Snapdragonが使われている。
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↑テレビそのものを買い換える必要なく、スマートテレビを実現できる。日本では、KDDIがこれに似たコンセプトのAndroid 4.0対応セットトップボックスを開発している。
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↑スマートフォンをリモコンとして使うことが可能。スマートフォンとセットトップボックスはWi-Fiでつながっており、このアプリはSnapdragon用の開発ツール“AllJoyn”を応用したものだ。
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↑ゲーム用のコントローラを接続したところ。映像に凝ったアプリもスムーズに動くため、ゲーム機としての役割も期待できる。
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↑リモコンと同じ“AllJoyn”を活用した機能で、メインの映像をテレビに、広告などのサブ映像をタブレットに表示している。

■関連サイト
クアルコム

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