週刊アスキーの連載ページ『ネット早耳かわら版』に掲載している“ニコニコ動画 今昔物語”クロス連載。引き続き“ドワンゴ川上会長が見つめるニコニコ動画の未来”をテーマにして、第3回を掲載します。
↑川上会長(写真右)と筆者(写真左)。ニコニコチャンネルの“週刊アスキーチャンネル”にてインタビュー風景を生放送しました。
■ネット企業が行なうリアルイベント
“niconico”はIT企業にも関わらず、ネットだけでなく、リアルにも積極的に進出しているのがおもしろいところ。筆者もASCII.jpの記者時代から数々のニコ動関連のイベントを取材してきて、昨年は『ニコニコ動画めもりある』なんてムック本を書かせて頂きました。そして今年は“ニコニコ超会議”に加えて、“ニコニコ町会議”の全国7ヵ所をコンプリートで取材しました。
↑2008年12月の“ニコニコ大会議2008冬”の様子。まだ無料のイベントで、新機能の発表会パートに大半が割かれていた時代です。お客さんも濃い目な方々が多かった印象が。
↑それから4年経った2012年4月の“ニコニコ超会議”。2008冬は2000人だったイベントが、まさか2日間で幕張メッセに9万2000人を集める規模に成長するとは……。
↑そして“ニコニコ町会議”を今年夏に5ヵ所、秋に2ヵ所開催。地元に熱烈歓迎されていました。
↑超会議、町会議以外にも、踊ってみたの祭典“Nico Nico D@nce M@ster”や、ボカロPが出演するライブ“VocaNicoNight”など、今年もイベントが盛りだくさんでした。
なぜ、niconicoが町会議に力を入れているのか。その理由について、ドワンゴの川上会長は取材で「ユーザーの声で動いているから」と説明してました。
どうも運営には「東京ばかり優遇するな!」という声が多く届いていて、スタッフもみんな心を痛めていたとのこと。確かに中高生もファンが多いniconicoですから、大きなイベントが都市圏であっても地方在住の人はおいそれといけません。なるべく公平に扱いたい、でも幕張メッセを貸し切るような超会議とは同じ規模でできないという折り合いをつけたところが、町会議だったそうです。
川上会長いわく、町会議は地元の人々にすごく歓迎されたことを肌で感じたとのこと。「(取締役の)夏野さんは、(niconicoのやることを)費用対効果を数字で判断するタイプなんですが、そういう人が現地に行くと『理屈じゃなくてこれはいい。やるべきだ』と意見が変わる。理由はよくわからないけどやらなければいけない」と語ってました。
筆者も同じ意見で、会場のあちこちから「行きたくても行けないニコ動のイベントが来てくれた!」というよろこびのオーラが上がっていたのを実感しました(都市部の名古屋会場はちょっと雰囲気が違いましたが……)。ここまで言われてるなら、多分、来年も町会議を開催するということですよね、会長?
ちなみに、2013年の4月27日、28日には、ニコニコ超会議2の開催が決まっていて、12月6日に新情報が発表する予定と公式サイトでアナウンスしています。川上会長は「来年は(今年の規模を)超えられますよ。ユーザーのみんなは1年目は期待してなかったわけです。でおもしろいということがわかったから、2年目は相当追い風が吹くはず」と自信を見せてました。
さらに「問題は3がおもしろいかどうか。3もやりますよ。時間がかかる企画だったら、今から仕込んだりしてね……」とポロリ。えっ、再来年も超会議やるんですか!?
■関連サイト
週刊アスキーチャンネル(ニコニコチャンネル)
■週刊アスキー 連載ページ『ネット早耳かわら版』
リニューアルしてパワーアップしたネット情報満載の連載ページ。SNSを使いこなすテクニックやウェブアプリやサービスの紹介、ソーシャルメディアの話題など、盛りだくさんの4ページでお届けしている。
■著者紹介-広田稔
ウェブサイト“ASCII.jp”でMacやネットサービスなどのネタを担当。初期からニコニコ動画を取材し、2007年には笛のお兄さんの「Fooさん」を取材(関連サイト)していたりして、有り体にいえば“ニコ厨”(ニコ動好きな人)、好きが高じて『ニコニコ動画めもりある ~ニコニコ大会議編~』という書籍を執筆。
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