9月19日、HTCが同社初となるWindows Phone 8端末『Windows Phone 8X』(HTC 8X)および『Windows Phone 8S』(HTC 8S)を発表しました。
HTCがWindows Phone 8端末を発表 |
今回はこのHTCの新しいWindows Phone 8端末に焦点を当ててみたいと思います。
■ハイエンドのHTC 8XはHD解像度でNFC・LTE対応
HTCが発表した2機種のうち、上位モデルとなるのがHTC 8Xです。1.5GHzのデュアルコアプロセッサー(Snapdragon S4)、1GBメモリーを搭載します。
HTC 8X |
ディスプレーは4.3インチの“Super LCD 2”で、画面解像度はWindows Phone 8が新たに対応するHD(720×1280ドット)となっています。HDクラスの解像度を持つWindows Phone 8は『Samsung ATIV S』、『Nokia Lumia 920』に続く3台目となります。また、ディスプレー表面にはシャープネスを強調し、反射を低減するコーティングが施されているとか。
カラーバリエーションは、ブルー、ブラック、イエロー、レッドの4色がラインアップされています。
4色のカラーバリエーションあり |
ストレージは16GBで、従来のWindows Phone 7.5のハイエンド端末『HTC TITAN』と同じ容量です。マイクロSDカードには対応しません。メインカメラは800万画素で、120万画素のフロントカメラも搭載します。オーディオにはBeats Audio技術を採用しています。
Windows Phone 8が標準対応するNFCも搭載。通信規格としてはGSM(850/900/1800/1900MHz)、W-CDMA(850/900/1900/2100MHz)に対応し、周波数は不明ですがLTEにも対応するとのこと。詳細な対応周波数は、発売地域やキャリアによって若干異なると説明されています。
本体サイズは132.35×66.2×10.12ミリで、4.3インチのHTC HD7に比べて1ミリほど薄くなりました。バッテリーを含めた重量は130グラムで、HD7比で32グラム軽量化されています。
■ミドルレンジのHTC 8SはWVGA解像度でマイクロSD対応
下位モデルとなるのがHTC 8Sです。プロセッサーは1GHzのデュアルコア(Snapdragon S4)、メモリーはHTC 8Xの半分となる512MBを搭載します。
HTC 8S |
ディスプレーは4インチの“Super LCD”で、画面解像度は従来のWindows Phone 7.5端末と同じWVGA(480×800ドット)。Lumia 820と同じ解像度です。
メインカメラは500万画素ですが、フロントカメラは非搭載。ストレージも4GBにとどまるなど、かなり割り切ったスペックとなっています。そのかわりマイクロSDカードに対応するため、大容量のカードを用いればHTC 8Xよりたくさんのデータを保存できます。
カラーバリエーションはHTC 8Xと同じ、ブルー、レッド、イエロー、ブラックの4色。しかし注目すべきはその配色です。Windows Phoneとしてはもちろん、スマートフォンとしても珍しいツートンカラーとなっています。
スマートフォンとしては珍しいツートンカラー |
HTC 8Xと異なり、LTEには未対応。センサーとして、電子コンパスも搭載しません。
本体サイズは120.5×63×10.28ミリで、画面サイズの大きいHTC 8Xよりわずかに厚くなっています。そのかわり113グラムと非常に軽いのが特徴。3.7インチの『IS12T』とほぼ同じ重さとなっています。
■HTC 8X/8SはWindows Phone 8のシグネチャー・ラインか?
今回のHTCのWindows Phone 8端末発表で感じたことは、ノキアを強く意識しているという点です。
発表の場所はノキアと同じニューヨークで、ステージにマイクロソフトCEOのスティーブ・バルマー氏と、HTC CEOのピーター・チョウ氏が並んだのもノキアと同じ構図です。さらにこれまでカラーバリエーションの豊富なWindows Phoneと言えばノキアの独壇場でしたが、HTCもHTC 8X/8Sの両方に4色のカラーを用意しています。写真で見るかぎり、その質感はLumiaシリーズに匹敵する仕上がりとなっています。
その舞台裏として、HTCはWindows Phone 8端末のデザインプロセスについての動画を公開しています。特にHTC 8Xの滑らかにカーブする背面は、デザイナーとエンジニア間の緊密なコラボレーションにより実現したようです。
↑HTC 8X/8Sのデザインの舞台裏。大量のモックを製作していることがわかる。 |
↑滑らかな背面を作るために、エンジニアとデザイナーのコラボが実現。 |
↑HTC 8Xのカバーを外した状態。 |
Iconic design behind the Windows Phone 8X and 8S by HTC
さらにHTCは、HTC 8X/8Sを“シグネチャー・ライン”と表現しており、Windows Phone 8の顔となる最高級の端末であることを示唆しています。これはノキアのLumiaシリーズと真っ向勝負するかのような印象を受けます。
HTCのWindows Phoneと言えば、性能や機能面ではトップクラスだったものの、デザイン的に垢抜けない印象の端末が多かったのも事実。しかしWindows Phone 8では、アンドロイド端末で培ったデザインのノウハウを投入してきたと言えるでしょう。
ノキアが得意とするグローバルな端末展開についても、HTC 8X/8Sは全世界50ヵ国以上、150以上のキャリアから発売予定と明言しています。発売予定の主なキャリアは以下のとおりです。
アメリカ | AT&T・T-Mobile・Verizon |
ヨーロッパ | Orange・O2・MTS・Three UK・T-Mobile・Vodafone |
アジア | Chunghwa Telecom・Optus・Singtel・Smartone・PCCW・3HK・Telstra・Vodafone Australia |
発売時期は11月以降となっていることから、年末商戦には間に合いそうです。残念ながら日本での展開予定は不明ですが、ぜひ期待したいところです。
山口健太さんのオフィシャルサイト
ななふぉ
(2012年9月26日17:50追記)記事初出時“HTC 8X/8Sを発売予定の主なキャリア”について誤った記載がありました。お詫びして訂正いたします。
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