今年3月に登場したKepler世代GPU“GeForce 600”シリーズに、ようやくミドルハイクラスのGPU『GeForce GTX660Ti』が登場しました。
電力に応じた自動OC機能の“GPU Boost”や、新しいジャギー低減手法の“TXAA”といった機能は、GTX680などと変わらずそのまま搭載。スペック面では、GTX670との定格クロックは同じですが、メモリーバス幅を絞った廉価版になっています。
GPU名 | SP数 | コアクロック | メモリークロック | メモリー容量 | メモリーバス幅 | TDP |
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GTX660Ti | 1344基 | 915MHz | 6008MHz相当 | 2048MB GDDR5 | 192bit | 165W |
GTX560Ti | 384基 | 822MHz | 4000MHz相当 | 1024MB GDDR5 | 128bit | 170W |
GTX670 | 1344基 | 915MHz | 6008MHz相当 | 2048MB GDDR5 | 256bit | 170W |
HD7970 | 2048基 | 925MHz | 5500MHz相当 | 3072MB GDDR5 | 384bit | 250W |
発表と同時に、各社が発売を開始。PalitやZOTAC、MSIコンピューター、Gainward、GALAXYなどから、オリジナル仕様の製品が登場しています。
週アスでも、さっそく実機で検証してみました。今回使用したのは、オリジナルの2連ファンクーラーとコアクロックを1033MHzにOCした、『GV-N66TOC-2GD』です。
『GV-N66TOC-2GD』
●日本GIGABYTE(関連サイト)
実売価格 3万2000円前後
コアに接するフィンブロックから、さらにヒートパイプを伝わって前後のブロックに熱を伝えて、冷却できる面積を増やす構造になっています。
補助電源は6ピン×2基とGTX670と同じ。映像出力はHDMI、DisplayPort、DVI×2基を搭載。
ボード部分の長さは約21センチで、右端部分は補助電源ピンのみなのでもっと短くできそう。ショート基板タイプの登場に期待です。
それでは、各種ベンチを。定番の『3DMark11』、重量級の『バトルフィールド3』、英語版のみですがスタイリッシュなアクション性で人気の中負荷ゲーム『Max Payne 3』です。
全体的に、前モデルのGTX560Tiから約60%アップ、GTX670には及ばないものの、Max Payne 3ではRADEONシングル最上位のHD7970に勝利という驚くべき結果に。
システム消費電力では、低負荷時のHD7970の優秀さが目立ちますが、高負荷時は約40ワットも低くなりました。現在、PCゲームの多くは中程度の負荷なので、性能バランスはばっちり。期待通りの性能です。
ここでおまけ。気になるのが、日本エイサーから発売された『Aspire PREDATOR AG3620-H76F/G』が搭載する、未発表の『GTX660』の存在です。OEM供給のみで、グラボ単品での販売はいまのところありません。
そこで、『GPU-Z』で中身を検証。
GeForce GTX660Ti |
GeForce GTX660 |
GTX660“無印は”、GTX660TiのSP数を1152基に減らし、メモリーを1.5GBにした仕様になっていることがわかりました。『ファンタシースターオンライン2』公式ベンチマークでは、GTX660Tiが187fps、GTX660が128fpsとSP数の差が結果に出ています。
性能面では間違いなしのGTX660Tiですが、価格がやや割高感があります。最安で2万7000円の製品もあるようですが、OCモデルは3万2000円~5000円といったところ。GTX670が値下がりをしているいま、各ショップの価格設定が気になります。いずれにせよ、3万円切りで買える製品が増えることは間違いないでしょう。
『メダル オブ オナー ウォーファイター』や『コール オブ デューティ ブラックオプスⅡ』など、今年後半も次々と注目ゲームが登場します。GTX660Tiで備えましょう!
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