ソフトバンクが『900MHz帯“プラチナバンド”の割り当てについて』というニュースリリースを発表したのが3月1日。その約5ヵ月後の7月25日(水)に、ついにプラチナバンドによるサービスが開始されます。
7月25日以降、週アス編集部でもプラチナバンドについて検証していく予定ですが、まずはプラチナバンドについておさらいしましょう。
そもそもプラチナバンドってなに?
プラチナバンドは、700MHzから900MHzの周波数帯域のこと。この周波数帯域は電波が遠くまで届きやすく、また障害物などを回り込んで伝わる性質を持つことから、携帯電話などの無線通信に最適=価値の高い帯域という意味から“プラチナ”バンドと呼ばれています。
これまでドコモとauにのみ800MHz帯が割り当てられていましたが、総務省の“3.9世代移動通信システムの普及のための特定基地局の開設計画に係る認定申請”に基づき、900MHz帯のうち15MHz幅が2つソフトバンクに割り当てられ、7月25日から同周波数帯での“SoftBank 3G/3Gハイスピード/HSPA+”の提供が開始されることになりました。
遠くまで届き、回り込んで届く |
プラチナバンドが始まるとどうなるの?
プラチナバンドに対応した基地局・通信設備が設置された地域では、カバーエリアが拡大します。理論的にはこれまでソフトバンクが使用していた2GHz帯の基地局・通信設備と比べると、カバーエリアが3倍になると言われます。またプラチナバンドは室内にも電波が入りやすく、障害物などを回り込んで伝わる性質を持っているので、奥まったビルのなかや、ビルが複雑に入り組んだ繁華街などでも、通話・通信がしやすくなります。
カバーエリアが約3倍に拡大 |
プラチナバンドを使うために追加料金や設定が必要?
プラチナバンドは基地局・通信設備の整備によって提供されるもの。新たなプランに加入したり、端末に特別な設定をする必要はありません。ただし、プラチナバンドによる無線通信を行なうためには、スマートフォン、携帯電話、モバイルWiFiルーターなどが、その周波数帯域(900MHz帯)をサポートしている必要があります。
対応機種であれば設定の必要はない |
プラチナバンドに対応している機種は?
すでに発売中のソフトバンク端末では下記のモデルがプラチナバンドに対応しています。
・iPhone 4S
・iPhone 4
・新iPad
・iPad 2
・PANTONE 4 105SH
・HTC Desire HD SoftBank 001HT
・HTC Desire SoftBank X06HTII
・HTC Desire SoftBank X06HT
・TOUCH PRO SoftBank X05HT
・TOUCH DIAMOND SoftBank X04HT
また2012年夏モデルの下記のスマートフォン、携帯電話もすべてプラチナバンドに対応しています。
・PANTONE 5 107SH
・AQUOS PHONE Xx 106SH
・ARROWS A 101F
・AQUOS PHONE 102SHⅡ
・THE PREMIUM9 WATERPROOF 109SH
・COLOR LIFE3 103P
・かんたん携帯 108SH
プラチナバンドで通信速度は上がるの?
プラチナバンドの周波数帯域(900MHz帯)自体の理論的データ通信速度は、これまでの2GHz帯と変わりません。ただし、新たに900MHz帯の基地局が増設され基地局の総数が増えること、そして、届きやすい性質の周波数帯域に変わり通信品質が向上することにより、実効データ通信速度の向上が期待できます。
プラチナバンド設備建設のスケジュールは?
ソフトバンクの発表によれば、2012年度中に約1万6000局、2016年度中までに約4万1000局、プラチナバンドに対応した基地局・通信設備が設置されます。プラチナバンドの具体的な対象エリアは、提供開始日である7月25日からソフトバンクのホームページで確認できる予定です。
対象エリアはソフトバンクHPで確認可能 |
■まとめ
都市部では問題なかったものの、郊外に行くとドコモ、auに比べ、エリアに不満を感じたのは、いちソフトバンクユーザーとしての素直な実感です。プラチナバンドがサービスインし、エリア、通話品質、通信速度が7月25日以降どのように変わっていくのか期待したいですね。
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