二眼レフ風だけど、二眼レフではないダブルレンズデジカメ『BONZART AMPEL(ボンザート・アンペル)』。カテゴリー的にはちょっと高めなトイデジカメに入りますが、“ホビーデジカメ”というジャンルを新設してご紹介したい逸品なんです。
箱も高級感あり |
赤と緑のカラーが派手な『BONZART AMPEL』の箱。なかなか高級感があります。
中身はこんな感じ |
箱のなかには本体以外に、マニュアル、ミニUSBケーブル、そして首掛け用のストラップが同梱されています。
さて各部を見てみましょう。
前面 |
背面 |
右側面 |
左側面 |
前面には赤色で縁取られたレンズと、緑色で縁取られたレンズのふたつがあります。
いわゆる二眼レフカメラは、上のレンズがファインダー用、下のレンズが撮影用になっています。しかし、『BONZART AMPEL』は上のレンズは通常レンズ、下のレンズがチルトレンズになっているんです。
あとで作例をお見せしますが、チルトレンズはレンズを斜めに取り付けることで光軸を傾け、あえてピントの合う範囲を狭くしたレンズのこと。『BONZART AMPEL』は上下がぼけて撮影されるので、いわゆるミニチュア風写真が撮れるわけです。
撮影後の後処理ではなく、ちゃんと光学式のチルトレンズを搭載しているところが本製品のこだわりなんですね。
電源は単三電池 |
電源はいまや珍しい単三電池です。メーカーのグローバル・DCによれば、単三電池を電源とするための部品がもう製造されていないので、今後単三電池を使用するデジカメは発売されない……とのことでした。単三電池で運用できると、バッテリーが切れてもコンビニなどで購入できて便利なんですけどね。
底面にスロットあり |
本体底面に三脚穴と、SDカードスロット、ミニUSB端子が用意されています。ミニUSB端子経由でPCに接続すれば撮影データを吸い出せますし、今後ファームウェアのアップデートもPCと接続して行なうとのことです。すでに、あるアップデートが予定されているのですが、それは後述しますね。
これが上面 |
レンズを前にして本体を持つと、上面の“AMPEL”の文字が逆さまに見えます。これにはちゃんと理由があります。
上面がオープン! |
つまみを少しスライドさせてからフタを開くと、折りたたみ式のファインダーフードが現われます。“二眼レフ風”と最初に書いているのでバレバレなんですが、この『BONZART AMPEL』は上から覗いて撮影するカメラなんです。そして上面の“AMPEL”の文字は、ファインダーフードを開いた状態で正面から読めるように印字されていたわけですね。
上から覗くとこんな感じ |
上から覗くとこのようにモニターが見えます。ちなみにこのモニターの解像度は960×240ドット。プレビューには十分ですが、ミニチュア風写真がちゃんと撮れているかどうか確認できるレベルのものではありません。
ナベコちゃん登場 |
最近自分のことを「はい、ナベコです」という渡辺嬢に持ってもらいました。ワタシはこのように左手で支えて、右人差し指でシャッターを切るのがよいと思ったのですが、なんか二眼レフを使ったことのある宮野編集長は「左手で支えつつ、左人差し指でシャッターを切るのが正しいだろう」と言っていました。
どうやら二眼レフカメラは、右手でフィルムを巻くので、左人差し指でシャッターを切るのが伝統的作法らしいのですが、皆さんはお好きなほうで。ワタシは右人差し指を使います。
さて、それではいよいよ作例を見てみましょう。なお今回の作例は、週アスPLUSのシステムの都合上、横または縦の解像度をすべて1000ドットにリサイズしています。
カラーモードごとの作例
STANDARD |
VIVID |
B&W |
SEPIA |
REFRESHING |
綺麗ですねー。渡辺嬢も画質も。『BONZART AMPEL』は単焦点カメラなのですが、特に背景の解像感は十二分。トイデジカメもここまで来たかという感慨で胸いっぱいです。
レンズごとの作例
スタンダード(4:3) |
チルト(4:3) |
チルト(4:3)+B&W |
編集部から飯田橋の街並みを撮影してみました。チルトレンズを使うと一気にミニチュアのような光景に変化し、さらにカラーモード“B&W”を適用すると、ミニチュア感が強調されます。
『BONZART AMPEL』は、チルトレンズによるミニチュア効果は光学式で、カラーモードはデジタル処理で適用しているので、それを併用できるのが非常に楽しいです。
画面比率も変えられます |
正方形写真も楽しい |
プレビューだと横長になっちゃう |
もっとレトロ感を演出するなら正方形写真がグッド。もちろん本製品にも“1:1”のモードが用意されています。
ただ、ちょっと残念なのが、撮影時には4:3の画角のままで表示され、プレビュー時には記録画像が4:3の比率に引き伸ばされてしまいます。
でもご安心を。この点、メーカーさんも改善点として認識しており、ファームウェアのアップデートで修正される予定です。本製品を購入してから、ゆっくり待っていればいいわけですね。
“1:1”モードの作例
“1:1”+REFRESHING |
“1:1”+REFRESHING |
ぶらりと編集部近辺を撮影して、よさげな写真を2点セレクトしてみました。
最近ではスマートフォンで同様の写真がカンタンに撮れてしまったりもするのですが、『BONZART AMPEL』は撮影するという行為自体が楽しいのです。
あと最近スマートフォンを向けられると身構えてしまう人が多いですが、このカメラだと「なにをしているのかなー」みたいな感じで、わりとスルーされます。撮影者が空気になれるわけです。これも本製品のメリットですね。
今回試用して、もう購入することを決めたのですが、ちょっとイヤーンなポイントが2点あります。
ガラスごしだとリングの色が目立つ |
ガラス越しに撮影するとき、室内の反射を避けるためガラス面に近づきますが、そうすると赤と緑のリングが非常に目立つんですね。デザイン上のアクセントではあるのですが、撮影時にちょっとジャマになります。
BONZART AMPEL実撮影動画
あと、720pのハイビジョン動画が撮影できるのですが、かなりカクカクします。スペック上は30fpsで撮影できるはずなのですが、ちょっと実用的とは言えないレベルです。このカクカクもファームウェアのアップデートで解決していただきたいところです。
ファッション性高し |
『BONZART AMPEL』はホント楽しいです。最近のスマートフォンのカメラ機能は強まりすぎていますし、ツイッターやフェイスブックへ即アップできる利便性から、フツーのデジカメを使う機会が減っていると思います。
楽しいカメラライフを! |
でも写真撮影ってホントはそれ自体が楽しいんですよね。実売価格1万4500円前後とトイデジカメとしてはちょっと高めですが、上から覗き込み、さまざまな特殊効果を工夫するという“ホビーデジカメ”として、ぜひ皆さんにも楽しんでいただきたいものです。
イメージセンサー | 500万画素CMOSセンサー(1/3.2インチ) |
レンズ | F2.8、f=9mm、0.5m~∞、スタンダードレンズ/チルトレンズ切り替え |
記録画素数 | 最大静止解像度500万画素(2592×1944ドット)、最大動画解像度:HD(1280×720ドット/30fps) |
記録メディア | SD/SDHCカード(最大32GB) |
ファイルフォーマット | JPEG/AVI |
サイズ | 約64.86(W)×61.15(D)×101.88(H)mm |
重量 | 約145g(本体のみ) |
BONZART AMPEL(ボンザート・アンペル)
メーカー:グローバル・DC
実売価格:1万4500円前後
製品公式サイト
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14,700円
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