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Windows情報局ななふぉ出張所

MS最大級カンファレンス『TechEd』で見つけたWindows Phone最新情報

2012年07月04日 17時00分更新

 6月26日から29日までオランダのアムステルダムにて、TechEd Europe 2012というイベントが開催されました。

 TechEdは、マイクロソフト製品を扱う開発者やIT管理者向けとして最大級のカンファレンスです。次世代の技術や未発表情報というよりは、既存製品に関する一歩踏み込んだ情報が提供されるのが特徴。まさに現場で活躍している技術者向けと言えます。

 今回、筆者もプレスとして参加してきたので、TechEd Europeというイベントについて、そしてもちろんWindows Phoneについてもご紹介します。

TechEd Europeで見かけたWindows Phone端末を紹介
↑TechEd Europe 2012の会場。暖かいのでお昼寝してる人も。

■会場の様子

 TechEd Europe 2012の会場は、アムステルダム市内にある“アムステルダム・ライ”という展示会場です。主に自動車や自転車産業向けの施設となっていますが、日本の幕張メッセのように様々なイベントが開催されているようです。

TechEd Europeで見かけたWindows Phone端末を紹介
↑広大なアムステルダム・ライ内部の様子。

 会場は非常に広大。参加者全員に詳細なマップが配布され、随所に案内もあるのですが、右往左往する参加者が続出。そのぶんスタッフも多数配置されています。

 TechEd名物と言えば、無料のフードやドリンクです。技術的なセッションが連続するため、定期的な糖分の摂取は必須なのです。

TechEd Europeで見かけたWindows Phone端末を紹介
TechEd Europeで見かけたWindows Phone端末を紹介

↑甘いパンやカップケーキが山積み(左)。自然派のためのフルーツも(右)。

TechEd Europeで見かけたWindows Phone端末を紹介
TechEd Europeで見かけたWindows Phone端末を紹介

↑冷たいドリンク、ホットコーヒー、ヨーグルトなど(左)。15時を過ぎるとポテチも登場(右)。

 会場のいたるところにフードやドリンクのコーナーが設けられており、アイテムの補充も抜かりない体制です。セッションごとに30分という長い休憩時間があるので、落ち着いてリフレッシュできるようになっていました。

■セッションの様子

 イベントのメインはもちろん個別のセッションですが、午前中は基調講演もあります。基調講演の規模としては、日本で開催されるイベントの2~3倍という印象です。

TechEd Europeで見かけたWindows Phone端末を紹介
↑メインの5枚スクリーンに加え、後方客席用の巨大スクリーンも。

 そのあとは各部屋に分かれて、セッションが行なわれます。参加者はヨーロッパ各地から集まっているということもあり、セッションはすべて英語で進行します。

TechEd Europeで見かけたWindows Phone端末を紹介
↑セッションの様子。こちらはWindows Phone 7.5のエンタープライズ機能を微に入り細に入り解説しています。

 会場のアムステルダム・ライにはオランダ語の案内もありますが、英語がわかればほぼ問題ありません。逆にヨーロッパの技術者にとって英語は必須。日本のように母国語によるイベントが充実している国のほうが貴重な存在とも言えます。

 実はTechEd Europeの2週間前、アメリカでTechEd North America 2012が開催されました。この程度の間隔であれば、セッション内容のほとんどはアメリカと同じとなるのが通例です。

 しかし今回は6月20日にWindows Phone 8の発表がありました。そのため、一部のセッションでWindows Phone 8についての言及が追加されています。

TechEd Europeで見かけたWindows Phone端末を紹介
↑新スタート画面を用いたスライド。North Americaでは存在しなかったはず。

 公開できる範囲としては6月20日のWindows Phone Summitイベントの内容を超えるものではないとのことですが、各担当者がWindows Phone 8について発言するとき、とてもうれしそうなのが伝わってきました。

 セッションは同時刻に多数開催されるため、見たいセッションが重複することもあります。また、満員の場合は立ち見不可というルールだったため、事前に並ぶべきかどうか判断の難しい場面がありました。

TechEd Europeで見かけたWindows Phone端末を紹介
↑各セッションの入り状況を3段階で表示。黄色はやや混雑、赤は満員。

 各セッションの様子は後日Channel9で無料公開されるものの、せっかくお金と時間をかけて会場まで足を運んでいる以上、ライブで見たいのも事実です。

■ミニ展示会も

 多数の技術者が集まるイベントということもあり、ちょっとした展示会のコーナーもありました。ノキアやHP、デルといった大型スポンサーのブースを中心に、マイクロソフトの製品やサービスを扱うパートナー各社が出展していました。

TechEd Europeで見かけたWindows Phone端末を紹介
↑ミニ展示会“TechExpo”という趣向のノキアブース。

 Windows Phoneブースでは、ノキアのLumiaシリーズを中心に、第1世代の機種から最新のSamsung Focus 2まで多数の機種が展示されており、来場者が体験できるようになっていました。

TechEd Europeで見かけたWindows Phone端末を紹介
↑ホワイトのLumia 800。このカラーは900と同時発表されたので影が薄くなりがちですが、つやつやしていて素敵です。
TechEd Europeで見かけたWindows Phone端末を紹介
↑こちらもなかなか見かけないマゼンタのLumia 800。マットな質感です。
TechEd Europeで見かけたWindows Phone端末を紹介
↑第1世代機より、キーボード付きの『HTC 7 Pro』。しかもQWERTZ配列という珍品。
TechEd Europeで見かけたWindows Phone端末を紹介
↑AT&T向けの最新ミドルレンジモデル、Samsung Focus 2も!

 1日のセッションが終わると、お酒やフードが運び込まれ、TechExpo会場がそのままパーティ会場となりました。

TechEd Europeで見かけたWindows Phone端末を紹介
TechEd Europeで見かけたWindows Phone端末を紹介

↑大規模な飲み会スタート(左)。オランダと言えばハイネケン(右)。

 TechExpo会場ということもあり、展示されている製品を肴に、ブース担当者やマイクロソフトスタッフと本音で話し合えるのです。

 私もさっそくビールを片手にノキアブースに行ってみたところ、展示されているLumia 900のなかに、市販のものとは異なる特殊なROMを発見。担当者に聞いてみたところ、特別にすごいデモを見せてもらえました。

TechEd Europeで見かけたWindows Phone端末を紹介
↑Lumia 900のUSBポートからVGA出力!

 なんと、このLumia 900には外部モニターに画面を出力する機能がありました。この機能は市販端末には搭載されておらず、基調講演などのステージ用に特別にセットアップされた特注品でのみ可能です。

 仕組みとしてはLumia 900とPCに専用のドライバーが入っているとのこと。また、端末のUSB出力をVGA用に切り替える専用アプリも入っていました。画面出力について、Lumia本体のディスプレーと外部モニターを見比べてみたところ、完全には同期されておらず、じゃっかんのタイムラグがあるようでした。

■TechEd Japan 2013に期待

 東京やロンドンよりも高緯度にあるアムステルダムは夜8時でもまだまだ明かるく、大規模な飲み会も終わる気配がありません。

TechEd Europeで見かけたWindows Phone端末を紹介
TechEd Europeで見かけたWindows Phone端末を紹介

 残念ながら2012年は日本での開催は見送られましたが、来年には多数のWindows Phone 8情報とともに、復活を期待したいところです。

山口健太さんのオフィシャルサイト
ななふぉ

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