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タワレコ主催『POP'n アイドル02』で BABY から Berryz までの6組が華やかに競演!

2012年06月27日 16時00分更新

 アイドルファン待望のフェスイベント『TOWER RECORDS Presents POP'n アイドル 02』が6月23日に Zepp Tokyo で開催され、6組のアイドルに満員のファンが酔いしれた。

 タワーレコードが主催する同イベントは、2月28日に第1回を開催し、2回目が待ち望まれていたもの。出演者が前回より1組増えたことに加え、ハロプロ勢から『Berryz工房』が参加するという豪華な布陣により、ファンの期待も大きく高まっていた。

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オープニングに全6組が登場。さらにタワーレコードの嶺脇育夫社長があいさつし、会場には嶺脇コールが炸裂!

BABYMETAL

 オープニングを務めたのは、『さくら学院』の派生ユニットにして、世界で唯一「アイドルとメタルの融合」をテーマに活動するメタルダンスユニットの『BABYMETAL』だ。

 どんなフェスであっても、オープニングアクトの人選は難題である。さまざまタイプのファンが入り混じる会場をひとつにするには、キャッチ―で、かつ実力も必要となる。フレッシュさだけでは前座は務まっても、オープニングアクトにはならないのである。

 ところが BABYMETAL はリーダーの SU-METAL でさえ14歳。 YUIMETAL と MOAMETAL はそれぞれ13歳の誕生日を迎えたばかり&直前である。そんな中学生ユニット(とは言ってないけど)に、大事な一発目が務まるのか!?

 だが、BABYMETAL のライブアクトを観たことがあるファンには、そんな心配が杞憂に過ぎないことは自明だろう。マーシャルが積み上げられたステージに走り込んできた3人は、重厚なメタルサウンドをバックに得意の DEATH ポーズ。その瞬間、Zepp Tokyo は神楽坂EXPLOSIONのごとく、メタルの聖地と化したのだ。

 あとは、METALフリークも納得のパフォーマンスがステージ上で繰り広げられた。SU-METAL の高らかなハイトーンボイスが鳴り響き、YUIMETAL と MOAMETAL が熱いダンス&コーラス。照明も完璧に曲の展開に合わせられ、様式美というのにふさわしいステージが展開された。

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熱いメタルサウンドを聴かせてくれた『BABYMETAL』。初っ端という難しい出番を苦にしなかった。 photo:TEPPEI

 3人の背後には、ブルーマングループを彷彿させるほねほねバンドが控え、曲に合わせて熱い動き。当て振りかどうかなどは問題ではない。BABYMETAL の世界観をいかに盛り上げるか、彼らにはとにかく3人を支えるという意思がみなぎっていた。

 そしてラストは7月4日発売の新曲『ヘドバンギャー!!』。SU-METAL が熱く首を振ると、観客席にもヘッドバンドの大波だ。しかも青少年の脳に影響を及ぼす前後の動きではなく、あくまでソフトな左右のヘドバン。そんな気遣いもむしろ、BABYMETAL の世界観には合致している。

 わずか15分のパフォーマンスではあったが、観客席はすっかり温まり、BABYMETAL は見事オープニングアクトを務め上げた。いまどきのコドモは恐るべし。これを観ただけでも今日の観客は、ここに来た甲斐があったというものだろう。

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青と赤の照明を効果的に使っていた照明さんもさすが。バックバンドのほねや客席も含め、全員でつくりあげたステージDEATH!! photo:TEPPEI

■セットリスト■

M1 ド・キ・ド・キ☆モーニング ※メドレー
M1 いいね! ※メドレー
M2 イジメ、ダメ、ゼッタイ
M3 ヘドバンギャー!!

バニラビーンズ

 続いて登場したのは、POP'n アイドルのホスト役も務めるバニラビーンズ。2回連続での出場はこの2人が唯一であり、それだけタワーレコードや T-Palette Records にとって大事なアーティストであることが見て取れる。

 ご存じのように、バニラビーンズの持ち味はポージングと呼ばれるゆるやかなダンスと、北欧の風にたとえられる爽やかさだ。一発目でいきなりメタルを聴かせておいて、この落差で大丈夫なのか?

 だがこの順番こそ、主催者側の狙いであろう。まずは観客をヒートアップさせておいて、いきなり伸びきらないように弛緩させる。いわば、ウォームアップ後のストレッチのようなものだ。実際、どの観客も柔らかな微笑みでステージを楽しんでいるではないか。

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ホスト役も務める『バニラビーンズ』。2月28日の第1回 POP'n アイドルから唯一、連続出場しているグループでもある。 photo:TEPPEI

 ここでバニビは新曲の『ノンセクション』を披露。バニビにしては曲調がダイナミックで、ビートも少し早目。裏拍に入れるスネアがホップ感を演出し、思わずカラダが動き出す曲だ。いったんリラックスした客席も、いい感じでノリ始めている。

 その流れでラストは、おなじみの『東京は夜の七時』。例の上上・下下のポージングで会場がひとつになれる絶妙な選曲だ。レナとリサがそのポージングを伝授すると、最前列から最後列まで、上手に固まった女子から会場全体の男子まで、みんながうれしそうにポージングを楽しんでいた。

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7時より少し早めに『東京は夜の七時』を披露。新曲『ノンセクション』も観客の受けが良かった。 photo:TEPPEI

■セットリスト■

M1 KIDS
M2 LOVE&HATE
M3 ノンセクション
M4 チョコミントフレーバータイム
M5 東京は夜の七時

Negicco

 いい感じで2組のステージが終わり、3組目は T-Palette Records のファンにはおなじみの『Negicco』。目にもまぶしい紺碧のドレスは、少しアダルトな雰囲気も感じさせてくれる。

 ところが、さっそうと登場したかのように見えた Negicco の3人は、実は極度の緊張に襲われていたという。およそ7割超の観客が初めましてという状況のなか、記者をはじめ何度も Negicco のステージを観ているファンには、その緊張が感じ取れたかもしれない。ライブ後に彼女たちは、こんな言葉を語ってくれた。

Megu「BABYMETAL さんとバニラビーンズさんのステージを観ていたんです。それがすごい熱気で、私たちあそこのステージに立つのなんて無理だって思って、雰囲気に負けちゃって泣いちゃったんです……」

Nao☆「緊張しすぎちゃいましたね」

Kaede「(他のグループが)あまり共演したことのないかたばかりなので、ファン層も読めないし、受け入れてもらえるのかなというのがすごい心配でした」

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鮮やかな青いドレスが目にまぶしい『Negicco』。初見のファンも少なくないなか、きっちり自分たちの存在をアピールしてみせた。 photo:TEPPEI

 結成10年目の彼女たちでさえ、Zepp Tokyo の大きなステージに立つことは、それだけのプレッシャーだったのだ。だがその緊張に打ちひしがれることなく、自分たちの持ち味を見せようと懸命に歌い踊る3人。いつしか緊張感は消え、2曲目の『ニュートリノ・ラブ』では早くも、いつもの Negicco が戻ってきていた。

Megu「それまでは上でずっと泣いてたんですが、ステージに立ったらすっごく楽しくて」

Nao☆「会場のみなさんがすごくやさしくて、私たちも喜んでできました!」

Megu「女の子のファンのかたも笑顔になっていっしょに盛り上げてくれたので、すごくうれしかったです♪」

 自分たちのペースを取り戻した3人は、6月20日にリリースされたばかりの新曲『あなたとPop With You!』を披露。夏のポップ感にあふれたチューンは、初めて Negicco を観たはずのファンでさえ自然にカラダが動き出すノリの良さを奏でていた。

 こうなればもう Negicco のペースだ。独特の間をもつゆる~いトークも、観客の微笑みを誘う。1曲をはさみ、ラストは代表曲の『圧倒的なスタイル』。めちゃ2イケのEDテーマにも採用されたことから、初見のファンでも聴き覚えがあるチューンだ。

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この日、2番目に少ない3人という編成ながら、広いステージを存分に使ってのパフォーマンスを見せた。 photo:TEPPEI

 ここで彼女たちはファンに、ラインダンスをいっしょに踊るようにリクエスト。手の振りを要求するアイドルは少なくないが、脚を使うラインダンスは珍しく、面食らったファンもいたことだろう。

 だが、すっかりネギ色に染まったファンはうれしそうに、狭いスペースで脚を動かし、ラインダンスを堪能。この日だけで Negicco ファンが急増したことは間違いなさそうだ。

Kaede「(ラインダンスには)ビックリしました!」

Nao☆「狭いのにみなさんやってくれてました。ステージから全部見えてましたよ」

Megu「これで Negicco を認知してくれたらうれしいです!」

■セットリスト■
M1 アノソラヘ
M2 ニュートリノ・ラヴ
M3 あなたとPop With You!
M4 トキメクMERMAID
M5 圧倒的なスタイル

さくら学院

 4組目は小中学生限定ユニットの『さくら学院』。ここまで少女・大人・大人と来て、また少女ユニットに戻るシンコペーション的な緩急は、主催者側があえて狙ったのだろうか。実に小憎い演出だと言えるだろう。

 そのさくら学院。卒業はアイドルグループの定番行事だが、実年齢とグループ活動を完全にリンクさせたグループは珍しい。昨年度まで生徒会長を務めていた武藤彩未ら3人が卒業。背が高くて大人びたルックスの三吉彩花と松井愛莉がいなくなったことで、小中学生限定という特色がさらに強調されることになった。

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転入生も加わり12人編成となった『さくら学院』。170cm超のOG2人が卒業したことで、いかにも小中学生らしい見た目となった。 photo:TEPPEI

中元すず香(生徒会長)「今回のライブは12人での2回目のライブで、初めてやる曲もあったし、ほかのアイドルさんと共演したりこんな大きなステージでやるのも初めてだったし、私が生徒会長になってからも初めてだったので、レッスンのときも最初はあまりまとまりがなくて『どうしよう』って不安が募っていきました。」

 そんな不安を吹き飛ばしたのは、メンバーどうしの励まし合いだった。学校をモチーフにしたグループだけあり、メンバー間の結束は固い。年少グループにありがちな甘えの感覚はなく、それぞれが自覚をもってレッスンに打ち込んでいった。

堀内まり菜(副会長)「このライブまでにみんなでいっぱい意見を交換し合って、絆を再確認しました。みんなで全力で頑張ってきて、ステージでたくさんのお客さんにさくら学院を知ってもらおうと最後まで集中したライブだったと思います。今日からまた、レベルを保って次のステージに行けるように頑張りたいと思います」

飯田來麗(副々会長)「新入生の3人も今日は7曲あったので振り付けを覚えるのが大変だったと思いますが、みんなついてきてくれたし、みんなでサポートもできました。今日はさくら学院のファンでない人もつかめたと思います」

 これが14歳の少女たちの言葉だろうか。2年超の活動を通して彼女たちは、アイドルとしての自覚を強固なものにしてきたのだ。成長期限定ユニットというコンセプトは、少女たちを夢に向かってまっすぐ、明日じゃなくていますぐ、成長させてきたのである。

 さくら学院はその知名度のわりには、実際にパフォーマンスを観ることのできる機会が少ない、いわば幻のアイドルという側面もあった。それがこの日、2000人を超えるファンの前でステージを務めることができたのは、大きな意義があったと言えよう。

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ファンにはおなじみの、フラッグを使ってのパフォーマンスは好印象。大きなステージに負けない存在感を示してみせた。 photo:TEPPEI

■セットリスト■

M1 FLY AWAY
M2 School days [150BPM ver.] 
M3 ベリシュビッッ
M4 オトメゴコロ。
M5 FRIENDS
M6 Song for smiling
M7 夢に向かって

ぱすぽ☆

 コンセプチュアルなグループが並ぶこの日、5番目に登場した『ぱすぽ☆』はご存じの通り、旅と空をテーマにしたユニットとして、オリコン1位の実績ももつ実力派である。

 だが、この日一番のアウェイ感を味わったのは、彼女たちであった。トリ前というポジションは、Berryz工房という不動の大トリが控えるなか、実質的にトリと変わらない好位置である。その順番が彼女たちのパフォーマンスに狂いを生じさせたのか。

 ガールズロックユニットとして熱いダンスと勢いのある生歌で勝負するぱすぽ☆は、今日のラインアップには合致しているはずだ。ところがMC前の1曲目と2曲目、驚くほどに客席の反応が悪かったのである。

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元気一番の『ぱすぽ☆』。最初のうちはふだんとの客層との違いに戸惑いもあったが、自分たちのペースを貫いた。 photo:TEPPEI

 記者は2階席の下手側(嶺脇社長のそば!)から観ていた。ここから見る1階フロアはよく、海にたとえられる。だが、ぱすぽ☆が渾身のステージを見せるなか、その海はなぜか、ベタ凪であった。一部のパッセンが拳を突き上げるのみで、とくに会場の後ろ半分は漆黒の闇にさえ見えた。

 ふだんのライブや、昨年11月のアイドル横丁祭!!での活躍を知る身からすれば、この凪っぷりは実に不可解だ。なぜ、ぱすぽ☆を聴いてカラダが動かないのか、なぜ心が動かされないのか。

 だが、2階席からステージと客席フロアの両方を俯瞰していると、なんとなくその理由が見えてきた。あくまで感覚的なものだが、ぱすぽ☆のパフォーマンスが、Zepp Tokyo のサイズ感に合っていないのだ。

 決して、彼女たちのパフォーマンスがこじんまりという意味ではない。その熱いダンスは、飛び散る汗が充満して飽和するようなライブハウス的な空間にフィットしているのかもしれない。それゆえ、広い空間の Zepp Tokyo では、その熱気が高い圧力を保てないのである。

 だが、そんな情勢分析などなんの意味も持たない。とにかく、ぱすぽ☆は自分たちのパフォーマンスで道を切り拓いていかなくてはならないのだ。この日のセットリストは最初の MC 後、10曲をぶっ続けで披露するアグレッシブなもの。彼女たちの思いは伝わるのか。

 果たして、曲が進むにつれ、ないでいた海はざわめき始めた。熱く声援を送るパッセンの周りに波が立ち始める。だんだんと会場の前方にうねりが見え始めた。見慣れぬものを見る目つきだった女子エリアも、目に光が浮かび始めている、

 そしてついに10曲目、『少女飛行』で潮目は変わった。あれほど静かだったはずの海が一変し、前から後ろまでハワイのノースショアのごとき大波が立ち始めたのだ。ぱすぽ☆の9人が懸命に送り続けた風がついに、海をざわめかせたのである。

 そして、『少女飛行』という曲がもつ強さも大きな要因だろう。良曲ぞろいのぱすぽ☆ではあるが、やはり『少女飛行』の完成度は抜きんでている。ぱすぽ☆を初めて観た、聴いたという人でも、この曲が代表曲であることがすぐさまわかるだけの力を秘めている。

 実はこの光景は、わずか2日後にも再現された。日本武道館での『ゆび祭り』である。持ち時間10分で3曲披露したなか、2曲目の『少女飛行』で武道館は一気にぱすぽ☆の9色に染められた。曲のパワーというものをまざまざと見せつけられたのである。

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アグレッシブなダンスでステージを縦横無尽に使いこなすと、様子見だったファンも一気にノリノリに。 photo:TEPPEI

 このように、POP'nアイドル02の場でも自分たちの力で大波をつかんだぱすぽ☆。観客を自分たちのペースに乗せてしまえば、あとは可愛いツートップのみおみお(増井みお)とまこっちゃん(奥仲麻琴)が独特のトークでファンを魅了だ。

 最後は、「上、前、開いて、へいへい! 」のダンスを観客席に伝授し、エンディングにふさわしい曲調の『マテリアルGirl』。いまや Zepp Tokyo は全員が、ぱすぽ☆が操るフライトのパッセンジャーと化していた。アウェイ感なんて「昨日」は、鮮やかに塗り替えられたのだ。

■セットリスト■

M1 BREAK OUT!!
M2 Pock☆Star
M3 Next Flight
M4 Pretty Lie
M5 Go On A Highway
M6 キス=スキ
M7 じゃあね・・・
M8 ViVi夏」 
M9 Let It Go!! 
M10 少女飛行
M11 ウハエ!
M12 LA LA LOVE TRAIN~恋の片道切符~
M13 マテリアルGirl

Berryz工房

 ぱすぽ☆のステージでうねりにうねった客席。その興奮は大トリに向かって、かつてない勢いで湧き上がっていく。そう、アイドルフェス初参加の『Berryz工房』である。ハロプロのファンであろうがなかろうが、このステージへの期待は途方もなく大きい。

 そして現われたBerryz工房の7人。これぞスターの登場である。こういう表現は陳腐だが、まさに貫録だ。それでいて可憐でもある。ああ、これがアイドルってものか。誰しもが納得してしまう説得力が、そのステージには充満していた。

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これぞハロプロ! 圧倒的な存在感で場を支配してみせた『Berryz工房』。 photo:TEPPEI

 実のところここまで、Zepp Tokyo のステージはものすごく広く見えていたのだが、2階席から見ていてふと「あれ、ステージが狭くなった?」と勘違いしてしまうほど、Berryz工房は広いステージを存分に使いこなしていた。

 いったい、この違いはなんなのだろう。経験なら、Negicco だって10年選手だ。場数で言えば、ぱすぽ☆のステージ数は相当な密度である。だが、経験×場数の掛け算で考えれば、Berryz工房のそれは誰にもかなわないほどのレベルに達していることは間違いない。

 そして、その圧倒的なパフォーマンス。豊かな声量と正確な音程。一瞬たりとも気を抜くことなく、どこから見ても隙のない表情。そして7人7様の個性。これが日本が誇るアイドル文化か。そう感嘆せざるを得ないほどに、彼女たちのステージは群を抜いていた。

 もちろん、アイドルというのは優劣で語るものではない。勝った負けたとか下剋上というのは、限られた範囲のなかだけで競っていればいい話だ。今日の6組は全員が勝者であり、同じように尊敬されるべきだろう。だがしかし、「やっぱBerryz工房はすげえや」という声が、自然に出てくることは否定しようがないのである。

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メンバーそれぞれが個性にあふれる表情でファンにアピール。経験と場数の違いを見せつけた。 photo:TEPPEI

嗣永桃子(ももち)「ふだん見たことのない(ファンの)かたがいらっしゃっていたので、全員ももちのことを大好きになってもらって帰ってもらおうとがんばりました。いつもどおりにやれば、みんなメロメロになっちゃうから、とくに力んだりはせずにやりました」

 こういう場では、嗣永の知名度はやはり武器になる。アイドルファンというのは、お約束が大好きだ。この日の観客はハロプロ好きかどうかにかかわらず、実にうれしそうに嗣永にブーイングを送っていた。

嗣永「ももちが『許してニャン♪』をやったあとのブーイングだとか、なんでみんな打ち合わせもしていないのにピッタリそろうんだろうって思ったりもして、逆にすごいなって尊敬する部分もありました。それだけ浸透している? やっぱりそうなっちゃいますかねえ(ニンマリ)」

 そんなBerryz工房たち、9曲を披露してファンもおなかいっぱいのはずなのに、さらなる隠し球を用意してきたのだ。まさかの℃-ute登場。そのときの会場のどよめきは、この日最大級の音圧だったことだろう。

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会場の誰しもが驚愕し、熱狂した『℃-ute』の登場。こんな隠し玉を惜しみなく披露したその姿勢が素晴らしい。 photo:TEPPEI

 そして、両者の曲を合体させた『超HAPPY SONG』をベリキューとして披露。その完成度たるや、最初から12人組なんじゃないの、と思うほどに完璧である。とはいえ、単に彼女たちを単にベテラン扱いするのは失礼だ。

 ももちいわく、「広いステージをもて余さないように踊ろうというのはリハーサルのときから心がけていました」のだから、キッチリと準備を重ねてきたのである。先ほど「経験×場数」と書いたが、これに「練習量」というパラメーターも加えずして、ハロプロの凄さを語ることはできないのである。

嗣永「今日はハロプロ代表というか、アップフロントエージェンシー代表として来たので、天下獲っていきたいと思います。もう120点満点です!」

■セットリスト■
M1 世の中薔薇色
M2 友情 純情 oh 青春
M3 愛のスキスキ指数 上昇中
M4 付き合ってるのに片思い
M5 CLAP!
M6 君の友達
M7 ライバル
M8 本気ボンバー!!
M9 一丁目ロック!
M10 超HAPPY SONG ※Berryz工房×℃-ute

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Berryz工房×℃-ute=ベリキュー。すべての観客が多幸感とともに満足感を味わったことだろう。 photo:TEPPEI

タワーレコード 嶺脇育夫社長コメント

「℃-uteというスペシャルゲスト・サプライズもあって、みんなびっくりされて喜んでいただいたんで、本当に良かったと思います」

「(℃-uteの参戦について)まあタイミングじゃないですかね。たまたま(超HAPPY SONGが)今週発売で、スケジュールが空いていたんだと思います」

「(成功の秘訣について)やはり“好き”なことにこだわって、バランスを見ながらやっているということでしょうか。ハロプロさんはこういう場になかなか出てこないし、さくら学院さんもめったにでない。しかもさくら学院でスタンディングって基本ありませんから、そういう特別感があったと思います。それに、ボクが好きでアイドルをよく見に行っているというのがあると思います」

「(第3回の開催について)すぐには難しいと思いますが、時間を空けてまた検討したいと思います」

●関連サイト
Pop'n アイドル by TOWER RECORDS
T-Palette Records

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