COMPUTEXでは、PCケースや電源ユニット、CPUクーラーなど多数のPCパーツが並ぶ。もちろん、その多くは実用性に富んだまともな製品だ。しかし、一見そんな実用性とはかけ離れたユニークな製品も多数ある。なかでもPCケースは毎年目を疑うほどの趣向を凝らした“変なもの好き”の心をくすぐる至高のジャンルである。
SL型PCケース『PC-CK101』 |
まずは去年のCOMPUTEXではカタツムリ型ケースで話題をさらったケースメーカのLian Li。今年も期待を裏切らずにやってくれた。なんと今年は走るSLケース『PC-CK101』を出品。
外見はオモチャの汽車のようだが、ミニITXマザーが入るれっきとしたPCケース。機関車部分にはストレージ(3.5インチベイ×1、2.5インチベイ×1)、電源ユニット、USB3.0×2、客車部分にマザーが搭載できる。前面にはスリム光学ドライブ用のベイまである。
このPCケースの最大のおもしろさはなんとレールが付属しており、走行するように改造ができること。会場では実際にレールの上を往復するデモが行なわれた。煙突から煙が出ているがさすがに発煙装置までは付属しないようだ。ただし、鉄道模型用の発煙装置が流用できるとのこと。
発売時期や価格未定だが、日本で発売する予定あり。ちなみに、ケース型番にある“CK101”とは、台湾のタンク型蒸気機関車のこと。あんまり似てない気もするが、CK101をイメージしてつくったのだろう。
余談だが、台湾では戦前の日本統治時代につくられたC12型をベースにした“CK124”やD51型ベースの“DT668”という蒸気機関車が日本と同じように復元されてイベント列車として運行している。明らかにこのPCケースを設計した人は鉄道好きなのではないかと思われる。鉄道ライターも兼ねているライター シバタとしては、台湾にも同じスピリットをもっている人がいるのがちょっとうれしい。
車型PCケース |
Lian Liでは日本でも話題になった車型PCケースも展示されていた。販売されていたときは、車のタイヤは単なる脚部としての飾りだった。
背面に謎のスイッチを発見。デモスタッフに押してもらうと、いきなり走り出した。こういう遊び心があるのはLian Liのとてもいいところだ。ちなみにこのデモは車型PCケースを走れるように改造してみただけで、販売はされないようだ。
超巨大PCケース『PC-D8000』 |
もちろん、走行系だけではない。『PC-D8000』は超巨大PCケース。なんと3.5インチベイが20本(内ホットスワップ対応ベイは6個)もあるのだ。5インチベイは5本、PCIスロット11本。マザーボードはE-ATX対応。電源は2台搭載できる。いわゆるサーバー系PCケースだが、コンシューマーでも売られる製品は珍しい。発売時期と価格は未定。
冷蔵庫搭載PCケース |
続いてはIN WINの製品。一見すると、普通の青色のミドルタワーケースなのだが……。
5インチベイの部分になんと冷蔵庫を搭載。常温から10度程度引いた温度で冷やせるという。ペルチェ素材で冷やしており、電源供給はUSBから。投入時期は10月前後。価格未定。日本での発売予定あり。
ATX対応、5インチベイ×4、3.5インチベイ×5、フロントインターフェースはUSB3.0×2とUSB2.0×2、PCIスロット×8(ボード長330ミリまで対応)と、PCケースとしてはかなりまともな仕様だ。
アルミ板のスリットPCケース |
こちらはアルミ板10枚を重ね合わせてつくられたPCケース。斜めから見ると割と普通のビジュアルだが……。
前面から見るとスッケスケ! LANパーティー向けに冷却性を重視した話題性のあるPCケースを提供したいとのこと。こちらも価格と発売日は未定だが、日本での展開は考えているとのこと。
こんな感じのアルミ板が10枚重ねてある。ATX対応、5インチベイ×1、3.5インチベイ×1、フロントインターフェースはUSB3.0×2とUSB2.0×1、PCIスロット×7(ボード長350ミリまで対応)。ドライブベイの少なさが気になるところ。
2台のPCが収納できるデカPCケース |
CFI社のPCケース。一見するとフルタワークラスのデカイPCケース。
上部スペースは独立しており、ミニITXのマザーと電源ユニットを設置でき、1ケースで2台ぶんのPCが搭載できてしまう。
と、こんな感じでCOMPUTEXにはおもしろい製品が並ぶことがある。この時期はややホテルが高めだが、来年はぜひ観光ついでに訪れてみてはどうだろうか? 特に南港会場は歩いて回るだけでもなかなか楽しい。
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