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Windows7とLinuxの2つのOSを切り替えて使える『ThinkPad X1 Hybrid』ファーストインプレッション

X1_Hybrid

 Windowsを使わず、ウェブ閲覧やメール、動画/画像/音楽再生などを可能とする“インスタント機能”を備えたPCは今までもありました。起動が速く、ものの10秒ほどで使えるようになるというのがウリだったわけですが、Windowsと切り替えるにはPCの再起動が必要で、あまり使い勝手のいいものではありませんでした。

 この『ThinkPad X1 Hybrid』に搭載された“Instant Media Mode(IMM)”が今までと違うところは、PCの内部にARMプロセッサーを搭載した専用ボードを搭載し、メインのPC部分とは独立したセカンダリシステムとして動作すること。つまり、Windowsとは関係なく動作しているので、PCを再起動することなく切り替えられるわけです。

ThinkPad X1 Hybrid

↑HDDの左下に見える、銀色のカバーで覆われているのが、IMMの専用ボード。ここに、ARMプロセッサーとメモリー、フラッシュメモリーなどが搭載されている。

IMMのスペック
Qualcommのデュアルコアプロセッサー(1.2GHz)
1GBのメモリー
16GBのフラッシュメモリー
LinuxベースのOS(Android 2.3.4)
IEEE802.11b/g/nの無線LAN

Windows上の専用ソフトから切り替え
ThinkPad X1 Hybrid
ThinkPad X1 Hybrid

↑IMMへと切り替える専用ソフト。IMMの各機能を直接呼び出せる。クリックから実際に切り替わるまでの時間は、だいたい3秒ほど。

 IMMで使える機能は、画像や動画の再生、メール、音楽再生、ウェブ閲覧の大きく4つ。ホーム画面こそ独自ですが中身はAndroidなので、スマホに慣れている人ならスグに使い方がわかるはず。

ホーム画面から各機能へアクセス
ThinkPad X1 Hybrid

↑『鑑賞』、『Eメール』、『聴く』、『ブラウザ』の4つの機能が使えるほか、中央で設定画面が呼び出せる。上部には、“戻る”や“ホーム”、“メニュー”など、Androidのボタンに相当する機能が配置されている。

動画や画像再生の『鑑賞』
ThinkPad X1 Hybrid

↑Androidの“ギャラリー”と同等の機能。動画と画像とを再生できる。

●IMMの体感速度はウェブ閲覧なら問題ない

 ブラウザーの動作はWindowsと比べれば少し反応が遅れ気味とはいえ、ニュースサイトなどを見る限りはストレスを感じることはありませんでした。ただ、Flashを使われると極端に重くなることが。また、YouTubeでの動画再生は480pくらいまでは快適ですが、それ以上になるとコマ落ちが発生し、ガタガタの再生に。このほか、ブラウザーゲームも動作こそするものの、かなり重たく、よほど軽いゲームでない限りは、快適とはほど遠いものでした。

●Windowsとファイル共有はできるの?

 IMM利用時はWindowsがスリープ状態となるため、HDDへのアクセスはできません。では、Windowsとのファイル共有はどうするのかといえば、DドライブとしてIMMのドライブが見えていますので、ここを使います。“Music”や“Picture”といったフォルダーがありますので、そこにファイルをコピーしてあげるだけです。

ファイルはIMMのドライブ(Dドライブ)で
ThinkPad X1 Hybrid

↑Windowsから見えているので、ファイルを単純にコピーすればオーケー。これでIMMからもファイルへとアクセスできる。

●アプリは追加できるの?

 Google Playなどのマーケットアプリがなく、標準ではアプリの追加はできない仕様になっています。しかし、“提供元不明のアプリ”を許可すれば、APKファイルからのアプリ追加ができました。最初に『Camangi Market』などのマーケットアプリをインストールすれば、アプリの追加も簡単です。

Google Playは使えないけれど……
ThinkPad X1 Hybrid

↑APKファイルがあればインストール可能。『Camangi Market』など、別のマーケットアプリを利用すれば簡単にアプリを追加できるように。

●本当にWindowsより低消費電力になる?

 IMMがいくら切り替えやすいといっても、メリットがなければ使う意味がありません。この最大のメリットというのが、消費電力を低く抑えられること。実際に輝度最大、音量最大の設定で比べてみたところ、Windowsではアイドル時11W、MP3再生時(WMPを使用)13W、YouTube再生時15Wとなっていた消費電力が、IMMではそれぞれ7W、8W、8Wにまで低減していました。

●まとめ

 液晶の輝度を下げれば、さらに2~3Wほどは下がりますので、「バッテリー駆動時間が2倍になる」というのも大げさな言葉ではなく、実際にそのくらいもちそうです。移動時間や待ち時間の暇つぶしなど、Windowsが必須ではない用途でIMMを活用すれば、より長時間ノートを使えるようになりそうです。

ThinkPad X1 Hybrid
レノボ
●直販価格 16万9890円

<SPEC>
CPU Core i3-2350M(2.3GHz)およびQualcomm 1.2GHz Dual Core
OS Microsoft Windows 7 Professional(64ビット)およびIMM
ディスプレー 13.3インチ(1366×768ドット)
メモリー 2GB
ストレージ HDD 320GB、Flash 16GB
バッテリー駆動時間(公称) Windows OS使用時:約5時間、IMM使用時:約10時間
重量 約1.69kg

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